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使徒

 僕が最寄り駅の駐輪場で自分の自転車を出そうとしていると、黒服のいかにも妖しい感じの女の人がやってきた。
 なんでも聖書研究しているらしい人で、


「今の時代に起きていることを、聖書は予言しているんです! 聖書には三二の予言がされており、それが同時に起こっているのは今の時代だけなのです!」


 と切々と涙目で訴えかけられた。
 その32のことというのは、「新種の病気」「地震」「津波」「不道徳」とか、その他もろもろなんだけど、ぶっちゃけそんなの、範囲を世界まで広げたらいつの時代でもあるんじゃないのか? とかしか思えない内容。
 ところがどっこい僕はこういうのを聞くのが大好きなので、「創世記」から「イザヤの書」の話まで徹底的に付き合って上げた。


 よくわからないのは、彼女が理想とする世界のことだ。現在を「邪悪な時代」と断じ、やがて「幸福の世界」が訪れるというような表現をしていた。その世界では病気も寿命もなく人は死なないらしい。そういう宗教観自体を否定する気はないし、むしろアリだと思ってるのだが、一時間くらいみっちり話してもらったのに、どうにも要領を得ない。


 困ったことに本人も分かってないらしい。


 最後はこの冊子に全て書いてあるとか言われて、銃で撃たれても貫通しなさそうな厚いパンフレットを渡される。
 なんとも面妖な人であった。
 家に帰ってから隅から隅まで熟読してみたが、世界の未来像についてはさっぱりなーんも書かれていなかった。もう少し詳しく話を聞いても良かったんだけどね。
 ちなみにパンフレットの裏に電話番号が載っている。

――――――――――――――――――――――――
 ○○○-△△△△-××××
 電話一本で、エホバの使徒がお迎えにあがります。
――――――――――――――――――――――――


 ………エホバの使徒ってピザの配達かなんかなのか?

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コメント

うらやましいです・・・
僕が見た宗教関連のものなんて、田舎に貼られたキリ○トの看板や武装車みたいな怪しい車くらいしか・・・

エホバの会(?)の話がでてたのでコメントしました。
半年くらい前のことですが、エホバの人が家に来ました。その地域の近所を布教(?)活動をしているみたいで、数分の説明と10ページ程度の小冊子を置いて去ってゆきました。
自分に宗教との接点がないので、ちょっと面白い体験でした。
そのあとエホバについて検索してみたら、脱会者の人がやっているページに体験談があり興味深かったです。リアルな話が載っていてちょびブルったッス。

へー、僕以外にもあった人がいるんですか。エホバの話にはまだ続きがあるので、そのうち書こうかなぁ――とか思ってます。

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