翡翠の日記帳13ページ目



2003年7月11日




うーん。




「む、どうしたのかね? 翡翠。難しい顔で新聞なんぞを読んで」




あ、良いところに来ましたね。ネロ教授。




いえね。最近の少年犯罪って凶悪化してるじゃないですか。それでなんでこんな事になっているんだろうって、考察していた所なんですよ。




「粋な事をしておるな」




粋かどうかは、さっぱり分かりませんが……




そんなわけで、教授。今回は少年犯罪の講義をお願いします。




「そんな社会派の極みみたいな話にみんな付いてくるのか? ギャグはないぞ」





いいんじゃないですか。未成年者とかの方がこういう話は読んで欲しいですし。





第一、つまらなくても今更、誰も気にしないでしょう。




「ふむぅ、そうだな。それは一理あるな」




では、講義をお願いします。




「分かった」



「少年犯罪が増加凶悪化年齢低下という傾向にあると言われているが、翡翠はそのことについてどう思う?」





そうですねぇ。最近の若いのは何を考えてるのか分かりませんからねぇ。




怖い時代になった〜と思ってますが。





「翡翠もそういう見解なのかね?」




まぁ、そうですね。




「念のために言っておくが、少年犯罪は決して増加しているわけではないぞ」




そうなんですか? ワイドショーのグラフとか見てると、年々増えているように見えるんですが……





「あれは、ここ数年の分しか出さないからだ。1940年代からのグラフを見てみると、15〜20年周期で、増えたり減ったりの波を描いておる」




「大体、51、64、83年くらいには今に匹敵するくらいの数の少年犯罪が起きておる。散弾銃で両親ぶっ殺したり、包丁持って暴れたり当然のように起きている」




今が特別少年犯罪が多い訳じゃないって事ですか?




「そうだ。私はさして変わっていないと思っている」





「この辺りの証明は、証拠の提示と論証と長々となって鬱陶しいので、あえてここでは書かん。気になる人は自分で調べるがいい」




えっと……だったら、なんでこんなに騒がれるんですか?



「少年犯罪が取りだたされている最大の理由はマスコミだな」



「マスコミも商売だからな。少年というインパクト、さらに理由が不明な殺人など、まさにエンターテイメント性があり、派手だなからな。非常に取り扱いやすいのだ。そのため、少年犯罪が多いような錯覚を引き起こしている」




なるほど、確かにそういう所はありますねぇ。



NHKのニュース10では、長崎の男児誘拐殺人事件は10分くらいしか放送しませんでしたが、テレビ朝日のニュースステーションだと、30分以上延々と同じニュースでしたからね……。(あれは鬱陶しかった)




でも、教授もさっき言いましたけど、理由が分からないってのが多いでしょう? キレただの。ムカつくだの。




こういうのが特異的なんじゃないんでうすか?





「やつらはガキなのだ。そんなもん当然ではないか」




そう……ですか?



「ガキが癇癪を起こしたとき、理不尽な事が多いだろ? あれは自分でも説明できないし、訳が分からないものだ。大人なら、経験から自分を無理矢理分析して、とって付けた理由を作れるが、子供ではそれができん。要するにそれだけのことだ」




「実に子供らしい殺人理由ではないか」




蝶の羽根をむしるかのごとしですか……




「そうだ。子供の殺人に大した理由がないのは、それが当たり前だからだ」




「私もたまに人を殺したいと思うが、そんなもんに理由なんぞないぞ。殺したいから殺すのだ」




純粋殺人ってやつですか?




殺しを経験したいがために、殺すっていう……




私にはちょっと理解できないですねぇ。




「ではどんな立派な理由があれば、殺人をしても良いのだ? 私に言わせれば、どんな理由であっても、殺人なんぞしてはいかんのだ。だったら動機の是非など大したことではない」




それは分からなくもないですが……



私には理由もなく人殺しをする子供の気持ちが分かりません。




「は、そんなもん分かってたまるものか。子供の気持ちなど分からないのが普通だ。分かる方がどうかしてる」




「大人は子供の気持ちは分かるのが当たり前だと思っている。なんともまぁ傲慢なことだ」





多少極論に走ってる感はありますが、教授の言い分も一理ありますねぇ。




人殺しの気持ちなんて分かろうとも思いませんしねぇ。私も。




「それから、凶悪化してるとも言うが、実際はそうでもない。単に殺害道具が多用化したのと、集団化しただけだ。やっている事自体は、今も昔も何もそう大して変わってなどおらん」




時代の流れというやつですか。





「凶悪化が騒がれる最大の理由は、表面上が平和に見えるからだ」




「60年代に起こった殺人事での少年の検挙数は実に年間約400人。つまり毎日のように少年犯罪が起きていたのだ。そうなると、かえって目立たん」




「他にも酷い事件が多くあったからな」




「今は、表面上は平静を装っている中で、たまに少年犯罪が起こるから、かえって話題性があり、強調されるのだ」





要するに、変わったのは子供じゃなくて、大人だと?





「飲み込みが良いぞ翡翠。その通りだ。結局の所、今の時代は潔癖性の大人がショックに対する耐性が低いのだ」





「世界が平和だと思い込んでいるから、当たり前に起こるべくして起こった事件に必要以上に怖がっているのだ」





まとめると、今まで余裕がなくて気にしなかった当たり前のことが、平静と平和になってしまったために、かえって強調されてしまったということですか?




「そういうことだ」




でも、最近少年法の改正が騒がれていますよねぇ。




適応年齢をもっと引き下げろとか、刑を厳しくしろとか。




「無意味だな。窃盗で捕まったら、指一本ちょんぎられると法律が改正されたら、窃盗は激減するだろうが。子供の犯す凶悪犯罪に対して、刑を厳しくして何の意味がある?」




ありませんか?




「ない。大体、自己確認のために殺人を犯すやからは、そもそもリスクを理解していない。自分の起こした行動の結果が想像できておらんのだ。だから、同じだ」




じゃ、なんで大人は刑を厳しくしろとか言うんですか?




「理由は二つある。わかるかね?」





被害者側の家族が納得しないからですか?




少年法に守られて、審判にも出れない見たいですし……





「一つはそれだ」





「しかし、被害者側の意向を一〇〇%叶えようとしたら、それは加害者の極刑以外はありえん」



「謝らなくて良いから死ね。というのが間違いなく本音だろうな。ま、これはどう足掻いても叶わないだろうがな」




確かに……




じゃ、もう一つの理由はなんですか?




「わからんかね?」





さっぱりです。






「子供が怖いからだ」






怖いですか。





「人間は理解できないものを怖がるからな」




「最近は時代の流れが相当早いからな。変化も著しい。すぐに若い世代が理解できなくなる」



「もちろん今行っただけなく、コミニケーションや、教育、家庭など数多くの理由は存在する」




「だが、話が大きくなるのは、おおよそ恐がりな大人の一人芝居のせいだ」




「今の中高生を見て見ろ。ニュースも新聞も見ないからな。多分、まったく現状を理解していないぞ」





「結局、大人たちが周りがギャーギャーワーワー、馬鹿げた暴論を知った顔で語っているに過ぎないのだよ」




「自分で生んだものに、自分が怯えてるのだから、なんともアホな話だな」





ギリシャ神話におけるクロノスが、自分を殺す子供に怯えるみたいなもんですねぇ〜





「いつの世も、そんなものだ」


7月11日






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2003年7月18日





「大変だぞ。翡翠。日本が滅ぶかもしれん!」




……のっけから飛ばしますね。ネロ教授。




何かあったんですか?



「それがだな。最近、うちの近所に猿を飼う変人が越してきたのだ」




いいんじゃありませんか。猿くらい。それと日本と何の関係があるんですか?




「おおありではないか! 猿だぞ猿!」




「やつらどんな病気を持っているか分かったものではない!」





教授ってそんな潔癖主義でしたっけ?




教授もペットをコートの中に入れて持ち運ぶほど可愛がってるじゃないですか。






「それとこれとは全然違う!」





何が違うんですか?




「中国で新型肺炎SARSが流行したのは、記憶に新しいところだろう? あれの病原体もそもそも動物から人間に入ったものなのは翡翠も知っていよう」





まぁ、そのくらいなら。




「大体にして伝染病と言われるもののほとんどは、動物から人間に入ったものなのだ」





確か、細菌の突然変異とかで、人間にも発病するやつができるアレですね。






「そうなのだ。人類は常に動物からの病原体の脅威にさらされておる」






知ってますよ。だから、動物の輸出入とかは厳重に監視されているんでしょう?






「日本の動物の輸入体制は他の国に比べて、アマアマなのは知っているかね」






そうなんですか?





「そうなのだ。日本に輸入される動物というのは主に、大学などの実験用と、ペット用の二種類ある」




「大学などの実験用のや、動物園などの展示用の動物は、厳重に調査され、病原体の有無を確認している」



まぁ、変な伝染病が広がったら、やっかいですからね。




「ところがだ。ペット用は輸入業者に自主的規制をしいているだけで、ほとんど素通しの状態だ」





検疫とかないんですか?





「超ずさんなのだ! 寄生虫付きのペットなどなんぼでも輸入できる」



「なめるな厚生省と良いたくなる。特に猿は人間と割合近いからな。人間に適応する突然変異の病原体の発生率が他の生物に比べて高いことを考えると……」






なるほど、そう言われると怖いですね……




「うむ、伝染病なんてものは、一種の生物兵器だからな」





「このままではノストラダムスの予言の成就の日は近いぞ」





いや、1999年はもう終わってますって……





「甘いわ! あれはまだ現在進行形なのだ!」





あれは多くの研究者が誤解しているが、そもそも西暦の数え方が違うのだ!」






「翡翠は、西暦はキリストが生まれた四年後からスタートしていることを知っているかね?」




そういえば、どっかでそんなことを聞いたことがあるようなないような……



「これは何故か? 私はここである一つの大胆な仮説を思いついた」





「その証拠は日本フリーメーソンの礎石である」





フリーメーソンって、あのオカルト大好きの変人集団ですか?




「そこに刻まれた年号はA.Dではなく、A、Lなのだ!」



A.L?



「A、Lというのはルシファー歴のことである」


またうさんくさいものを……


「そもそもA.Dというのは、アンド(年)・ドミノ(支配)という意味だ。つまり、キリストが世界を支配して何年という事だな」


じゃ、A,Lでアンノ・ルシファーで魔王統治からの年代って事ですか?



「その通りだ。この世界のもう一つの歴だな」




「日本フリーメーソンの礎石にはAD1981年がAL5981年となっている。つまり、AD元年は、AL四〇〇〇年ということになるのだ!」



「なんてことはない。西暦はルシファー歴を元に作られたのだ! は、何がキリストの誕生日だ。こんな子供だましのトリックで、私の目を誤魔化せるというのだろうか? 私も甘くみられたものだ!」




いや、誰も誤魔化そうなんてしてないと思いますけが……





「となると、西暦はどこから数えるの正しいかわかるかね?」




素直にキリストが生まれた日なじゃないんですか?




「確かにそれもあるが、その正確な日付を特定することが非常に困難なのだ」




「そこで、今多くの学者たちは、キリストがヨハネに洗礼を受けた時がこそが、起点になるべきだと考えておる!」




「私はこれを信じておる!」




洗礼はいつやったんですか?




「紀元二六年だ」




キリスト30歳くらいの時ですね……。




「この説を採用すると、今年は西暦1977年ということになる」




「つまり」

「真の1999年はすなわち2026年ということなる!」





「そう、ノストラダムスはまだ過去の遺物ではないのだ!」




予言にはこうある」




沿岸都市の猛烈な疫病は死に至るまで報復を止めないだろう。
それは無実の罪で処刑される正義の血と、破滅することのない良き婦人ととで、つぐなわれるまでの間。

未来記第二章





「航空機の発達と、世界がグロバールニズムとやらで、一つになた今こそ、疫病は一気に世界中に広がるのだ! それもこれも動物愛護団体と、全然状況を理解しないで、変な動物を飼うのが大好きなおばちゃんたちが原因だ!」




「おお、若者たちよ日本を守るのだ! 動物という動物をボーガンで射抜いて、焼却処分にしてしまえ! ビニール袋に入れて叩きコロセ! それこそが、日本を守るただ一つの方法なのだ! ぼぉごぉぉぉぉぉぉ!(フェイドアウト)」





教授、訳の分からないことを言って、いたいけな青少年を惑わすのはやめてください。





「……殴ることないではないか」




私まで同類だと思われるじゃないですか。




……





そう言えば、アメリカのデイビット・メイヤーは、一九九九年九月九日に、1999・9・9から9999となるので、コンピューターの大半がストップするって、大々的に予言したことで有名です。



しかし、コンピューターは止まりませんでした。



どうも、コンピューター上では1999・0909と表されることを知らなかったらしいです。




もしかしたら、この人はビットとか、十六進数とかも知らなかったのかも知れません。




予言者というものは、どうにもアホばっかりに感じるのは私の気のせいなんでしょうか?


7月18日






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2003年7月25日






 今日はとても不毛な日でございました。



 志貴様の所にファックスで、同人誌用の原稿を送ったのですが、彼の家のファックス用紙がなくなっていたのでございます。






よくある日常の出来事なのですが、その時、志貴様は意味不明なことを言ってきました。



「ファックスの用紙のお金、ワタシが出すあるか?」





そして彼はこう続けたのです。






「こんな所で金使いたくないあるよー」





 そして志貴様は何を思ったのか、私にはその辺りの思考回路が未だに、さっぱり理解できないのですございますが、私にファックス用紙の代金を三分の一出せと言ってきたのでございます。




 その時のわたしくが、どれほど驚愕したか……それはきっとこのような文章ではお伝えすることはできないでしょう。






 わたしくし、志貴様の正気を疑いました。





昔から、狂うておるとは思うっておりましたが、まさかこのような理不尽な要求をされるとは、夢にも思ってもみなかったのでございます。




 わたくしはFAX用紙は、彼の家の備品であるが故に、自分の責任で補給するのが道理であると、根気よく諭しました。




 年はもいかぬ童ならともかく、よもや成人したものに、このような事を言わねばならぬとは……



「いや、ワタシも色々金を使うことがあるよー。無駄はしたくないねー」





 それはわたくしも同じなのですが、どうにも彼にはこの辺りの道理を分かろうとする気配がございません。




 本人は同人作業に置ける備品も、共同で在るべきだと、これが志貴様の主張にございます。




「翡翠もスキャナーないのも備品の不備あるよ。それと同じあるね」





 では、スキャナーのお金を三分の一出してくださいますか?




「ファックス原稿代全部もってくれたら、十分の一くらいなら出すよー」





と、こうでございます。




全く男らしくございません。





そこで、わたしくは家主様……つまり志貴様のお父様にファックス用紙代を請求することを提案しました。






 これを読んでくださる読者様もこれが筋だと、恐らく誰もが思ってくれたことでしょう。





とろが志貴様は言います。


「何かお金をせびりにくね」







 そもそもファックス用紙は、家の備品でございましょう? 電話代と同じ。家主様が出すのが本来の形でございましょう?




「だから、そうじゃないよー。社会人になってまで、親に金の無心をするのは、なんかいやよ。そう言う気持分からないアルか?」





 ……この時、わたくしがこの男に殺意を抱いたのは、言うまでもありません。





そんなプライドを持っているなら、素直に自腹を切るのが、筋というものではございませんか。



 ご両親にも頼めないことを、平気な顔をしてわたくしに要求するのです。




 これは電話した後、その電話代を相手に請求するようなものでございます。





 この辺りはお互い、暗黙の了解というものがあるとわたしくは思っておりましたが、どうもこの男にはそいう常識が不足しているようなのです。




 しかもこの男、まもなく給料日なのでございます。




 本人借金で生活が苦しいなどと宣っておりますが(わたくしも五万円近く貸しておりますが)、それでもお金がないわけではございませんでしょう?




今まで、この男には訳の分からない要求はされてきましたが、今回のは久々に最上級でございます。





 わたくしも、こんな訳の分からない要求をのむほど、馬鹿ではございません。



 六時間くらいは、大激論したでしょうか……。




 段々疲れてきたとき、ふと気が付いたのでございます。



 ところで、ファックス用紙はいくらぐらいなのでしょう?



「五百円くらいね」




 ……ということは、今まで三分の一の160円を出すかいなかで、ここまでもめていたのですか?




「そうよ」





 この瞬間、さすがのわたくしも肩の力が抜けてしまいました。




 これ以上この不毛な争い続けるくらいなら、素直にお金を払った方が楽だなと、そう思ったのでございます。なんだかやくざに金を払うような気分でした……






……160円……



それにしてもこの男、本当に社会人なのでしょうか? いくらなんでもセコ過ぎやしないか? ばっかじゃねぇの。と、ちょっと口汚く思ったのは、ここだけの秘密でございます。




 こうして、わたくしはまたしても搾取されたのでございます。





 およよ……、わたくしは日影の女にございます。



 馬鹿な男の理不尽な要求にも、なんだかんだ良いながら答えてしまう、弱い女でございます。



 みなさまがた、ファックス用紙の代金を請求するような人間には近づかないことをお勧めいたします……。



 なんだかとても空しくなってきます。




7月25日






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2003年8月2日





さて、そろそろこのホームページも百万ヒットしそうですね。志貴様




「はーほんとねぇ。長い道のりだったよー。翡翠」




やれやれですねぇ。



「なにがやれやれあるか?」




いえね。きっと百万ヒットしたら、掲示板に百万ヒットおめでとうございますって、書き込みが来るんですよ。




「みんな律儀に言うあるよねぇ」




なんというか、どうしてみんなああ言うことを言うんでしょうか?



そんなの通行人の外国人に、エクスキューズミーって言うみたいなもんですよ。



もし、英語圏の人じゃなくて、言葉使われたらどうするんですか。



イタリア語でスクーズィとか言われるみたいなもんですよ。



まず、英語が通じるかどうか確かめてから言う物です。



「だから何あるか? わけわからんよ」



要するに、百万ヒットして目出度いのかどうか、私に確認してから、おめでとうを言うべきだと思うのですよ。



「そんな訳の分からないこと誰も聞いてこないよ……」




「大体百万ヒットしたら、普通喜ぶものあるよ」




それは大いなる偏見です。




百歳の誕生日を祝われても、なんか嬉しいだか、馬鹿にされてるんだか、さっぱり分からないでしょう?




ただでさえヨボヨボなのに、これ以上年をとって何が嬉しいつーんですか。


こういうのは、私の意志に関わらず勝手に進むところに、年齢と同じで嫌悪感があったりなかったりします。




大体、この私が百万ヒットして喜ぶような、人に見えるんですか?




「……喜ばないアルか?」




もちろん。喜びません。




「そんな訳のわからん事を言う管理人始めてみたある……」




単に稀少なだけです。絶無というわけではありませんよ。




「で、なんで残念あるか?」




それはもちろん。百万ヒットしたら、このホームページを閉鎖するからです。





「……は?」




だから閉鎖です。





「ちょっと、待つある! 何あるか! そんなの聞いてないよ!」




言いましたよ。私。




ホームページ始めるときは、とりあえず百万ヒットするまでは続けようと。



「……それは言ったかもしれないあるが、なんで閉鎖になるあるか?」



ということは、百万ヒットしたら、もう終わりということでしょう?



閉じましょう。




別に未練はないです。





「何言ってるあるかぁぁぁぁ!」




「そんな訳のわからん理由で、ページを閉ざしてはならんある!」






これ以上大きくなってもロクなことありませんって。




アラシさんとか、クラッカーさんたちがやってきてアレコレ酷いことをしていくに決まってるんです。




下手にでかくなる前にこの辺りで終わりにしましょう。




「ダメある! 何言ってるあるか! このページを楽しみにしているお客さんもいるあるよ!」






あー、大丈夫大丈夫。どうせ、ここがなくなったら直ぐに忘れて他のページ行きますって。





もし、このページを潰したくないんだったら、カウントさせたないために、頑張って来ないようにしますからみんな。




はははは。





「ぬぅ。なんつー。客に失礼な態度を……それでも恥ずかしくないあるか!」






全然。







「ここまでホームページ業務に誇りとアイデンティティを抱いていない管理人はきっと他にいないあるよ」





志貴様には分からないんですか? 私のこの心の慟哭が……。


ホームページが小さかった頃には、人と人との触れあいがあったんですよ。


私も他の人と対等な人間として付き合えていたんです。


それがどうでしょう。こんなに無意味に大きくなってしまったせいで、私は変わっていないのに、なんだか高みから見下ろしているみたいじゃないですか。


私は、そういう人と人の触れ合いが欲しいんですよ







「……翡翠が横柄で、他人を見下しまくるのは、ホームページが大きくなるうんぬん関係ないある……単に、性格あるよ……」




「掲示板だって、みんな書き込みすぎだ。お前ら書き込み減らせーとか。凄い平気な顔で言ってるあるよ。あんな管理人他にいないよー」





ですから、これを解消するためには、一回ページを潰そうかと。





「ダメあるよ! そんなのワタシが許さないね!」







「ここにはみんなの夢と希望がつまってるあるよ。このページは私が守るね」





は! 青臭いですねぇ。こんなホームページにどんな価値があるというのです?




所詮は有象無象のホームページの一つじゃないですか。




こんなものがあろうがなかろうが、世界は何も変わらないんですよ!




志貴様。オーナの私が潰そうとしている所を、守れるとでも思っているんですか?




「当然ある!」




では、お手並み拝見と行きましょう。くくく。





「むぅ、なんかすげぇ悪役くさいね。翡翠……」




チームを潰そうとしている、野球チームのオーナとかの気持が非常に良く分かりますねぇ。




「で、ホントに潰すあるか?」



ま、志貴様の頑張り次第ってことで。





8月2日






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2003年8月3日





翡翠です……。



昨日百万ヒットしたら、ホームページを潰すかもと言いました。




きっと心優しいみんなは気を使って、アクセスするのを控えるだろう……とか思ってましたが……




甘かったです。



今まで一日の最多ヒット数が2800くらいだったのですが……




その記録を大幅に更新して、昨日4286ヒットして、百万を超えてしまいました。





……




なんなんでしょう。




「はー、てめーのホームページなんざもう用済みなんだよ。とっとと消えろ!」






とゆー無言のメッセージなんしょーか(-_-;)ウーン





ちぇ、私も嫌われたものです。




「ちがうね! これは、志貴様頑張ってホームページを守ってという無言のメッセージよー」



えー、だれも志貴様に期待なんかしてないと思いますけどね……


「ふがー。何を言うか! 翡翠はもう用済みよ。これからはワタシの時代ね!」




ま、なんでも良いですけど……





8月3日






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2003年8月4日





翡翠です。




とりあえず、叫ばせてください。



だぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!



あぁ、もう私の負けだよーーーーーーー! てめーらー! こんちくしょーめー。





はぁはぁはぁ……





さて、今回は『百万ヒット危機事件』の解決編です。




今回の犯人はもちろん、私。



事件の動機は――



ま、百万ヒットしたんだからなんかやるか。あ、そうだ閉鎖しよう。



という実に、魅力的な短絡思考によるものでした。



ええ、誰だって百万ヒットしたら、一回くらいそのくらいぶちかましてみたいと思うはずです。




ちなみに、この事件には正解の対応というのがありました。



これには三つほどあります。



「ホームページアクセスしてしまって、ごめんなさい! 百万ヒットさせてしまってごめんなさい!」




って言って謝ってくる人達。



ええ、一回言わせてみたかったのです。



これはホームページ管理人の夢だと思っています。




次ぎに、


『がんばれ! 志貴様! このページを守ってください!』



これも正解です。




日記の意図を良く読み込んでくれています。




なんというか。志貴様が頑張れば、潰れないかもしれないって言ってるんだから、みんな素直に応援してあげてください。



なんで、せんのですか。おかしいじゃないですか。訳分かりません。






「……翡翠……読者に怒っても……仕方ないアルよ……」




あー、もう次ぎ。




『百万ヒットおめでとうございます。百万ヒットおめでとうございます。ひゃほぉーーメデタイナァー』




って、明らかに日記読んでるのが見え見えで、嫌がらせで言ってくるヤツ。



これも、正解でした。



まぁ、正解の中では一番レベルが低いですが、かろうじて正解にしておきます。




ちなみに「とか言いつつ、カウンターはちゃんと百万以上を装備してるんだねぇ〜」と突っ込んだ人は、審査員特別賞と言ったところでしょうか。




私の意志を読み解きつつ、なかなか的確なツッコミです。これは見事でした……。



で、これ以外の対応をした人は、まだまだ精進が足りないようなので、鍛え直してきてください。




はぁ……



やれやれです。



私が吐いた爆弾発言に悩み苦しみ、私の手の中で踊る様を密かに楽しみにしていたのですが……




何の疑いもなく、「今までご苦労さまでした。閉鎖しても忘れません」とかゆー、実にまじめーーーな対応してくれる人が妙に多いのはどういうわけなんでしょう……?




っていうか。



まさか、そんなことを言ってくる人が一人でもいるなんて、私思いましたんでした。




やっぱり最大の誤算は――




「翡翠が適当な事書くからよ」




違いますよ! 志貴様が頑張る! とか言っているのに、






全然




まったく





欠片も





志貴様は信じられてないじゃないですか!




あー、まったく、もう。




志貴様信用度ゼロじゃないですかー!




前々から人気ないなぁーとか思ってましたけど、本格的に人気ないじゃないですか! どうしてくれるんですか!




志貴様が読者に信頼されてないせいで、こんな無様な事を書かなくちゃならなくなったんですよ。




何事もなかったかのようにさらーっと続けたかったのに……




あぁ、もう情けないったりゃありゃしない。




私の華麗な計画が滅茶苦茶じゃないですか!




「えー、ワタシのせいじゃないあるよ」




「情報操作して、混乱に陥れるとかゆー、悪巧みをした方が悪いね。悪は裁かれるものね。やーい。馬鹿ねー。自分で巻いた種に蹴躓いてるね」




うっさいですねぇ……




「まぁ、なんだ言っても、このホームページのレンタルサーバーの契約は来年の五月まである。お金もう払ってあるしね」




「このページ潰したらいくら翡翠が天の邪鬼でも大損ね」





「「しばらくは閉鎖されないので、ちょこちょこ来るよろし」






ほんと、なんなんでしょう。



私にこんな手間をかけさせたんですから、読者に逆襲されたよーな気分です。




「あー、だから負けたとか言ってたあるか」



ええ、素直な読者って怖いですねぇ。




自殺しに行って止められるならまだしも、今までご苦労さまでしたって言われた気分です。





「死ぬに死ねないねー」




まったく、とんだ百万ヒット記念です……




8月4日






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2003年8月12日




さて、というわけで、今回は毎度のごとく同人誌を作ったレポートです。




チチチチ……


あぁ、朝ですねぇ。困ったことに、どうしようもないくらい。朝ですねぇ。



ねぇ、志貴様、小鳥たちが楽しそうに歌ってますよ。ははは。



「何が! ははは! あるかーー!」



「ワタシまた徹夜あるよ!」




はぁ、何を訳の分からない不平不満を唱えているんですか。



見てください。この私だって、徹夜ですよ。寝てないんですよ。




それをなんですか。あたかも自分だけがしんどいみたいな顔をして。




やれやれですね。この程度のことで挫けていては、同人誌なんぞ作れませんよ。




「何言ってるアルか! 翡翠は単に昼夜逆転の生活を送ってるだけよ!」




「ワタシはこれから仕事があるよ! 仕事が終わって疲れて帰ってきたら、また同人誌! 今回はワタシ本格的に死ぬあるよ!」





仕事は仕事です。お給料貰ってるんですから、働けば良いじゃないですか。




「そもそも普段の生活からして、仕事から帰ってきたらバタンキュウよ。これでどうやって同人誌を作れというあるか!」




気力と根性で。



「ワタシ根性論は好きじゃないある」




私も根性論は自分に適用するのは好きじゃありません。まぁ、他人には根性論で良いと思いますが。





私はしんどくありませんし。




何事も余裕を持ってやるのが、同人誌のコツです。





おやおや、どうしたんですか? 志貴様。そのコツを忘れてしまったのですか?



「うっかぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!」




「むっちゃムカツあるうぅ!」





「ワタシは全速力でやってるよ! 仕事でしんどくて苦しいにもかかわらずよ。この努力が翡翠にはどうしてわからないね!」





他人の努力なんて欠片も分かりませんし。




「そんなことを言ったら、翡翠だって自分の分のパートが出来てないある! ワタシにだけ言うのは間違いアルね!」




何を言っているのですか? 志貴様。



私は『清々しい朝』と『気力と根性論』と『何事も時間に余裕を持ってやるべきだ』という教訓を言っただけで、これっぽっちも志貴様のことを責めたりはしていません。



私が自分のパートもできていないのに、志貴様に『仕事なんてどうでも良いから、寝ずに同人誌をやれ』とか、そんなえらそうな口が利くと思ってける訳がありません。




それは全て志貴様の被害者妄想です。




「滅茶苦茶皮肉たっぷりよ!」



まぁ、表紙に本締め切り一日前までかかってしまったせいで、締め切りを印刷所の人に一週間待って貰うはめになり、印刷代が20%増しになってしまいましたが……。



とはいえ、これは志貴様と私の責任ですね。


こういうときは連帯責任という便利な言葉があったよかったですね。




「自分の担当分は平気で、締め切りブッチしておいて、そういうことを言うなある! 翡翠も出来てないあるよ!」




えー、私はちゃんと、自分の責任認めてますよー。連帯責任だって言ってるじゃないですか。



「翡翠は自分の責任は、ワタシからの連帯責任だけだと思ってるフシがあるね」



人間という生き物は、相方が遅れていたら、自分も遅れても良いかーという、非常に無難な精神構造的救済処置が働きますからね。




それは人間としては仕方のない生理的反応なのです。


つまり何が言いたいかと言いますとですね。


志貴様も私が遅れていることを、怒ってはいけないという言うことです。




「やかましいあるーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー!」




「ご託は、いいからとっとと四コマのネーム上げるある!」





「翡翠が終わらないと、ワタシもペン入れできないね! 時間がないあるよ!」




はいはい、まったく我が儘ですねぇ。はい、これで良いですか?




「むむむむ……微妙に不満が残るあるが、まぁ良いアル」




「つーか、四コマのネームが上がったのが、締め切り三日前ってこれ、どういうことあるか!?」




「ワタシに三日で四コマを六ページも書けと言うあるか!?」




しかしですねぇ。今回は私もこの二、三週間で、30個以上の四コマ書きましたよ。




あれをことごとく没された私の身にもなってください。



「ふざけるなある! あんな適当なのは漫画じゃないね! もうちょっと漫画っぽく書くね」




適当じゃないですって。もうアレだけで、本一冊できるくらいですよ。



四コマ初心者にして、絵心ゼロの私が、ここまでやってるんですよ。






つーわけで、さらっと二日で良い感じに仕上げてください。




「うっかー。何あるか!? その適当オブ適当な対応は!」



「うぅ、しかも、この四コマなんか微妙に書きにくいよ。構図が微妙に変ある!」




「それに、このカットっとか書けるわけないね!」




「水しぶきとか、集中線とか、擬音とか使いまくりね! そっちは適当で良いアルが、ペン入れする方の身にもなってみるね!」




こういう効果があった方が漫画っぽいんですって。




アングルとかも結構こだわってるんですから。




「ワタシ四コマ歴ゼロよ。こんなゴチャゴチャしたネームで漫画が書けるかー!」



ええっ! 折角考えたんですから、書いてくださいよ。怠惰ですよ。自信作なんですから。




「あぁ、まったくこんな使えないネームばっかり大量に書きおって……」




それは志貴様が書けないだけです。私のせいじゃありません。




「翡翠のネームが悪いね!」



いいえ、志貴様の漫画力ないだけです!













(`□´)ノクワァ







(〜`д´)〜フガァ










「なんかこれ前にもやったね……」




そうですね……同じネタを二度使うのはどうかと思います。



「仕方ないアル……ともかくやれるだけはやるね……」




もし落ちても、コピー本とか出せば良いじゃないですか。気楽に行きましょう




「うかーーーーーーーーーーーーーーーーーーー! ダメアル!」




「今回はワタシの友達に無理言ってゲスト原稿頼んだよ! この状況では落とせないあるねぇ!」




「もう顔見せできないね!」




私は別にその人達と知り合いじゃないですから、迷惑かっても知った事じゃないです。




落ちたときは、切腹でもして、謝っておいてください。




「いやあるぅぅぅ!」





それより、そろそろお仕事の時間なんじゃないんですか? 志貴様?



「なんと!?」



行ってらっしゃい。私は志貴様の分まで寝てますから〜




「はぅ……もうふらふらある……」





◇ ◆ ◇ ◆ ◇



そして締め切り当日。



ちゅんちゅんちゅん……



「翡翠!」



はぁ〜。おはようございます。志貴様……んで、出来たんですか?



とっとと原稿ください。




「まだある。四コマがあと二ページ分のこってるね」




……



出来てない?



「うむ、まだまだある」




……あの、もしかして、このパターンはいつもアレですか?



「アレアル」




「印刷所に行って、一日待って貰うように拝み倒してくるねっ!」





いや、でも今日はもう八月六日ですよ。ただでも待って貰ってますから、さすがに無理なんじゃないかと……




「いいから行ってくるね! できなかったときは、私と一緒に切腹よ!」




なんで、私がそんな目に遭うんですか!





「そもそも翡翠が四コマ上げるのが遅いのが悪いね! 翡翠の責任よ!」




志貴様が表紙に時間かけすぎたのが問題です! 志貴様の責任です!





「まったく、すぐに責任を人になすりつけようとしおって……」




それはこっちの台詞です。



「分かったアル。じゃ、今回は連帯責任ということに、百歩譲ってしてやらんこともないね」




微妙な言い方ですね。



「しかし、これから私は仕事があるね。つーわけで、印刷所行って座り込みするのは翡翠の役目よ。さぁ、行ってくるね」





えーーーーーーーーーー、嫌ですよーーーーーーーーーーー。






泣き落としのネタ考えるの大変なんですよーーーーーーーーーーー。






「ほら、行くね! OK貰うまで帰ってこなくて良いね!」



◇ ◆ ◇ ◆ ◇




こうして、私は印刷所屋さんに毎度お馴染みのように、拝み倒し(っかー、もう苦労したわ)なんとか原稿は間にあったのである。




それにしても、回を追う毎に締め切りが厳しくなっているのは、一体全体どういうことなんだろう? 訳分かりません。




まぁ、今回は全体的に悪くない出来なので、買いだめしとく人が頑張って買いだめてくださいね。



8月12日






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2003年8月22日




さて、長いコミックマーケットも64ついに終わりました。




なんか今回のコミケだけはなんでしょう。格別に疲れたような気がします。



今回はそのお話……



私と志貴様が上京したのは、16日の午後のことです。




今回は新幹線で東京に行ったので、楽なものでした。



「と言うわけで、秋葉原に行くね!」



なんですか。志貴様。別に秋葉原なんかに行かなくても良いでしょう。ここは友達の家に行って、ゴロゴロしているのが吉ですよ。




「秋葉原に行って、プリクラを買いたいね!」



プリクラ?



「プリンセス・クラウンね。メッセサンオーで定期的に仕入れているらしいね」



あぁ、噂のグラドリさんですね。



水面下でそれなりに人気があって、YAHOOオークションでは2800円が1万円からするとかいう伝説のソフト。でも……サターンでしょう?




「そうね。結構みんな良いって言ってるね! ほら、行くね!」



いはい、分かりました。それじゃお付き合いしますよ。私もサモンナイト2とガンパレが欲しいと思ってた所ですから。ついでに買ってきましょう。



ところで、コインロッカーの空きはないみたいですね……。どこもいっぱいですね。




「なんでね?」



既刊をダンボールに入れて持っていきますから。結構重いんですよ。雨も降ってますし濡れると嫌ですから。





「なんね! 持ってきたあるか!?」





店頭に出せば売れますしね。多少種類があった方が花もあるでしょうし。



「まったく、そんなもんわざわざ持ってこなくても良いあるよ。昔の本は永久にオクラ入りさせておくね」




「まったく、私に相談もなしに持ってくるなんて、何考えてるかわからないあるよ!」




そうですか?



「ところで、翡翠。そのダンボールはどこあるか? 見あたらないあるが……」




あぁ、その辺りの道ばたにおいてきました。重いですし。





「ちょっと待つね! 何考えてるか!」






雨のことなら心配しないでください。ゴミ袋を二枚重ねにしておきましたから、中が濡れているということはありません。




それにどうせ売りものですし。濡れても、困るのはお客さんで私じゃありません。




さぁ、お店巡りをしましょうか。




「アホあるかぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!」





「誰かに拾われたらどうするあるか!?」




大丈夫ですって。あんな重いダンボールわざわざ苦労して持っていこうなんて思いませんよ。






少なくとも私は道ばたに落ちているゴミ袋を漁ろうとか思いませんし、ゴミ袋を漁るような人間が、同人誌に見向きするとは思えません。






「そーゆー問題じゃないある!」






でも、志貴様、持ってくるなって言ってたじゃないですか。






だったら、別にそこらへんに置いていても問題ないはずです。





「問題ありまくりね! なんで翡翠はいつもそうアバウトあるか!」




そんなに嫌なんだったら、志貴様が持って歩いてくださいよ。これまでずーっとカート引いてきて肩が痛いんですよ。





「何無責任なこと言ってるあるか! 持ってきた責任をとるね!」





だから、持ってきた責任として私がずっとカート引っ張ってるじゃないですか。




そこらへんに放置するというのは、私なりの管理の仕方です。いわいる放任主義というやつでしょうか。



「訳の分からない事は言わなくて良いね! 全然責任とってないある!」




うっさいですねぇ。文句があるなら、自分で運べば良いじゃないですか。





「翡翠が持ってきたものに、なんでワタシが労力つかわねばならないあるか。そんなのおかしいある」





同人誌の売り上げが全部私のものになるんなら、志貴様の言うことも一理あるのですが、どうせ折半なんでしょう? だったら、持って歩いてもバチは当たらないと思います。



我が儘言わないでください。



「うっかー!。我が儘はそっちね! まともな管理しないやつにそんなこと言われたくないある!」




まぁ、そんなやりとりをしつつ、結局どうなったかは想像にお任せするとして、なんとかソフトを購入することに成功しました。




「それにしてもプリクラ、サタコレで定価2800円なのに、店頭にならんでいるのですら7800円なのは一体全体どういうことあるか……。ほんとに……」





◇ ◆ ◇ ◆ ◇




さて、前日の秋葉原巡りも終えついにコミケが始まります。


今回もいつものように本を並べて、お客さんが来るのを待ちます。


志貴様はいつものごとく買い出し部隊として走り回ってます。


ところで、今回は、前回したみたく同人誌買ってきてくれ! とは言いませんでした。


なんかバタバタしてて、告知出すのが面倒だったんです。


でも、せっかくコミケに来たのですから、同人誌が欲しいわけで……







そんなときです。まだ始まった頃に、一人の男が現れました。



なんでも、その人はこのホームページにチャットがあったころにいた人らしいです。




名前を聞いて、そういえば、そんな人がいたようないなかったようなというあやふやな人なのですが……




彼はこんなことを言いました。




『あ、僕、今日は翡翠さんのサークルに行った後は行くところないんですよ』





つまり……いまから暇なわけですね?




『まぁ、そうですね』





だったら、私のために、『漆黒のJPS』と『ZIP』の同人誌を買ってきてください。






『え? あの……僕が買いに行くんですか?』






コミケ三日目に暇な人がいるということほど、罪なものはりません。





『そういうものですか……』







そういうものなのです。






『分かりました! 任せてください』




こうして、この奇特な人は同人誌を買いに行ってくれました。





世の中には奇特な人もいるものです。見ず知らずの私のために、こんなことをしてくれるなんて、夢のようです。



というわけでなんですよ。志貴様。




「酷いことするあるね……普通初対面の人間にそこまでするかるか? どっちも二時間くらいは並ばないといけないあるよ」





志貴様の分も頼んでるんですから、素直に私に感謝してください。





「ワタシだったら、悪くて絶対にできないねー」




そうですか?






『翡翠さーん! 買ってきましたよー!』




「おお、この人がその奇特な人か。ところでこの人誰ね?」




名前? えっと名前は確かガ○ムさんです。




「ありがとうあるガ○ムさん。ワタシも感謝するある」





『いや、あの……僕はガ○ムじゃないんですけど……』








え? 違う!? そんな馬鹿な!





じゃ、あなたは一体誰なんですか!?





『○○ですけど……』





あぁ! そうでした。そうです。すっかり忘れてました。





「翡翠……同人誌買うために、二時間も並ばせたんだから、名前くらい覚えるね……最悪よ」




そんなこと言われても、コミケに来ている連中って、みんな似たようなもので顔の識別が難しいんですよ。




黒人の顔を見分けるのが難しいくらい、コミケ人は識別が大変です。






『翡翠さん〜。差し入れにお茶もって来ました〜』






おお、この人です。この人こそ本物のガ○ムさんです。





『いや、僕は△△なんですが……』





ええ!? あなたも違うんですか!?





「……翡翠」




心配しないでください。じゃ、次ぎこそガ○ムさんが来るはず……




「翡翠……当てずっぽうで言うの良くないね……」




とまぁ、ハプニングがあったものの終了近くまでかかりましたが、新刊は完敗。






風のようにやってきて風のように買っていった人、ありがとうございました。そういう買い方をされるのが一番嬉しいです。





それにしても、疲れました。いらっしゃませ。ありがとうございますを言うのは楽じゃありません。





「ところで、何あるか? この五百oペットボトルの山は……十数本はあるね」





私は全然記憶にないのですが、どうも掲示板か何かで、差し入れは『飲み物が良いなぁ』などと言ったらしいのです。





ホントに全然記憶にないのですが……




「どうするね。こんなにワタシいらないよ」




私だっていりません。




「なんで、貰うときにキッパリ断らないあるか!」




でも、大半が私が留守にしているときに受け取ったものですからね。




さすがに留守番の人じゃ、差し入れを断るわけにもいかんでしょうし……





「まるでピザ屋が十数枚のピザ持って、部屋に持ってくる並に嫌な展開ね」




ええ、今度からは困らないように、ちゃんと欲しい本リストを作って張り出さないとダメですね……





「仕方ないね。持って帰るよ」





はぁ、それで持って帰るのは結局私なんですよねぇ。





ほんと、こういうところでいっつも損をしている気がします。




そんなこんなで、今回も寿司食って、(あぶりトロが激烈に美味かった)新幹線でギリギリで帰りました。





それにしても、声をかけてくれる人や差し入れ持ってきてくれる人は、結構いるのですが、まず名前を教えてもらいたいもんです。



名前を言わない時点で、有象無象の一つになってしまいますからねぇ……





「翡翠の場合、言ってもすぐに忘れそうある」



そんなことはありませんよ。酷い事を言いますね。



「まぁ、いいある。それでちゃんと家には帰れたあるか?」




ええ、それがですねぇ。新大阪から終電には間にあったのですが、乗り換えができなかったんですね。



一番近くて、家から歩いて一時間程度の距離で、普段なら歩くんですが、さすがにしんどかったので、タクシーを使いました。




あ、運転手さん。P駅まで、お願いします。




はい、P駅の手前でおりますんで、あぁ、そういえば、初乗り660円になってたんですね。


ええ、タクシーなんて滅多に使いませんから。


ところで、このランプってなんですか。深夜料金?


はぁ。まぁ、そうでしょうね。深夜は何でも高いですから






カチ……カチ……カチ……




あの、なんか凄い勢いで、値段が上がってるんですけど……




カチ……カチ……カチ……カチ……カチ……




あのペースが速くないですか? え、こんなもんなんですか? いや、でも、あの……





カチ……カチ……カチ……カチ……カチ……カチ……カチ……カチ……カチ……カチ……カチ……カチ……カチ……カチ……カチ……カチ……カチ……カチ……カチ……カチ……カチ……カチ……カチ……カチ……カチ……カチ……カチ……カチ……カチ……カチ……カチ……カチ……カチ……カチ……カチ……カチ……カチ……カチ……カチ……カチ……





ちょっと洒落になってないですよーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー!






とまぁ、そんなことがあったわけです。





「タクシーなんて贅沢品使うからよ。アホね」






わーん。もう二度と深夜タクシーになんか乗るもんか(っдT)





8月22日






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2003年8月29日




私の友達の一人がアメリカに移住しました。




最近、留学だか仕事だかで海外に行く人が増えています。



ワールドワイドで、ユニバーサルで、グローバルな時代ですねぇ。




しかし、どうも私はどうも海外には行く気分にはなれません。





外国に行くと日本語が通じなくなるのが、嫌なのです。





コミュニケーションが出来ない事ほど苦労するもんはないのです。




で、今回はその友達の話。




さて、その友人は英語すら満足に話せないくせに、海外旅行が非常に好きなやつで、今まで色々飛び回り、色々と伝説ちっくな逸話を残している強烈なヤツです。





学生時代。彼は夏休みを利用して、アメリカのカリフォルニアにホームステイに行きました。




彼の頭の中は、アメリカンでボリュームたっぷりのジューシーな美女でいっぱいでした。まぁ、若いのですからこのくらいは許しましょう。





きっと彼の頭の中では裸のねーちゃんが路上を歩くくらい、自由の国だったのでしょう。




彼がホームステイとして選んだのは、緑たっぷりの牧場でした。





それはもうアメリカンな広大さです。彼は留学生活に期待に胸を躍らせました。




そして空港についた彼を出迎えたのは、なんとリムジンだったそうです。





話では、アメリカでリムジンを頼むのはそんなに高くないそうです。




三人くらいで頼めば、タクシー代+αくらいの料金。




これは私も一度乗ってみたいなぁと思いました。




そうして無事ホームステイ先に辿り着き、彼のアメリカでの生活は始まりました。



そこで彼の一日の時間割を見てみましょう。









4:00起床

豚の餌やり、掃除

7:00朝食

豚の世話

13:00昼食

今度は牛の世話

18:00夕食

自由時間(入浴時間を含む)

20:00就寝




……え? 豚と牛の世話しかしてないじゃないですか?



と聞くと、ホームステイ先で家の仕事を手伝うのは、割と基本らしいのです。



そうしてその友人は律儀に、豚に食事を与え、クソを掃除し、子豚を洗ったり、牛の乳を搾ったりして過ごしたそうです。



アメリカは夏のカリフォルニアは気温が40度を超えることもあり、豚小屋は灼熱と獣臭で蝕まれていたそうです。




帰ってきたとき、彼は爽やかな顔で言いました。



「行くんじゃなかった」





五十万も支払って、夏休みを潰して豚と牛の世話で潰したのかと思ったら、確かに片っ端から割にあいませんねぇ……


「そよりも慣れてきたとき、
食卓に豚の丸焼きが出てきた時の方が嫌だったよ。うわぁ、こいつジョニーだよ……せっかく頑張って世話したのに……こんなに美味しそうにこんがり焼けちまって…」




アメリカンなホームステイ先の人は、全然気にならないらしく、自分が育てたものが美味しく出来たんだ。嬉しいだろ。がははは。的態度で接したそうな。まぁ、野菜育てているのと同じ感覚なんでしょうね。多分……





こうして彼はアメリカ留学で
「ハングリー」という言葉を覚え、堂々と日本に帰ってきたそうな。




しかし彼はめげずに海外旅行を続け、インドに行ってガンジス川で泳いだりオーストリアでカンガルーと戯れたりと、割と楽しんでいるようです。



「いやぁ、ガンジス川って、人間の死体とか動物の死体流してるし、生活用水は垂れ流しだし、ゴミは浮いてるし汚い汚い。泳いだ次の日には目やにで目があけられなかったね。さすがは聖なる川。泳いだらバチがあたるみたいだなぁ。はははは」

とか




「カンガルーの前でビスケットを食おうとしたら、十匹くらいにタコ殴りにされて大変だったよ。野生生物って飢えるんだよなぁ。コアラも凶暴だしさ。あの生物を二度と可愛いとかおもわんね」





などなど面白い話を聞かせてくれます。



まぁ、そのくらい旅行慣れしているやつなので、アメリカに住んでも大丈夫だろうなぁー



と思っていたら、つい最近こんなメールを貰いました。




「女の子をナンパしてホテルにしけこんで、ピーでピーでピーなことしたらだな。次の日の朝、女の子が消えてるんだよ」


「あれっと思って、洗面所を見たら鏡に口紅で」




「ウェルカム・エイズ」




「とか書かれてんだ。ははははは」









……洒落にならんよ……。あんた……。



私は一応病院に行けと説得し、なんとか彼を医者に見せました。


幸いなことに、あの落書きは女の子のジョークらしく、陰性だと言われたらしい。




これがアメリカンジョークか……。と私はお国柄の違うジョークに戦慄したものです。







そんなわけで、みなさんも海外旅行するときは、十分気を付けてください。





日本ほど安全じゃないですからね。色んな意味で。






ちなみに、乗り物で『ここに誰か座っていますか?』と言うとき『エニイバディ・シット・ヒア?』といいますが、シットの発音を間違えると、『誰かここにウンコしましたか?』という意味になるので、注意が必要です。




8月29日






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2003年9月6日




「翡翠ちゃん! たたたたたたたいへんですよぉー!」



どうしたんですか……琥珀ねぇさん。そんなに慌てて。どうせ大した事じゃないと思いますけど……



「い、いえ、それがですね。実は昨日の午前三時頃の事なんです」



「玄関の方で――」





ドガ! ビシュー、バシューーー!





「とか言う音が聞こえてきたんですよ」




「私は飛び起きて、ベランダから玄関を見てみるとですねぇ……」





「玄関にトラックが突っ込んでたんですよ!」




……


はぁ、また寝ぼけた戯言を……。



こんな閑静な住宅街の一軒家になんで、トラックが突っ込んでこなければらなんのですか?



どうせ、夢でも見ていたんでしょう?






「なんで信じないですか! ホントですってば!」





「世の中交通事故とか、多いじゃないですか。玄関先にトラックが突っ込んできても、何の不思議もありませんよ!」





そんなの不思議だらけですよ。まったく……





「じゃ、家に帰ってみて確認すれば良いじゃないですか」




はぁ、やれやれです……





◇ ◆ ◇ ◆ ◇






「さぁ、帰ってきました。ほら、翡翠ちゃん。あれを見てください。これでもなんともないって言えるんですか!」












……え?



なんですか? あの青いビニールは……




ちょっと、しゃれにないですよ……これ……






「だから、凄い事になってるって言ってるじゃないですか!」



冗談毎ではなく、門と生け垣と植木がグチャグチャグチャになってますよ。



「ね、凄いでしょう? 風呂場とかもこんな感じですよー」








……



あの、お湯が出ないんですけど……




「この期に及んでまだ風呂に入るつもりですか? 翡翠ちゃん……」





いや、なんか本格的に洒落になってないのですが……





なんでこんな事になったんですか?




「いえ、それがですね。玄関前にトラックを止めていたらしいんですが、なんでもタイヤが溝に填ってしまったそうなんです」



溝って、トラック填るくらいのでかい溝ありましたっけ?



「ええ、丁度下水に流すところが大きく開いていて、そこにゴボっと填ったらしいですね」



「それで、こう抜け出すためエンジンふかしたところで、ガクンとなって勢い余って、ガシャーーーン」





「わたしてっきり恨みを買ってるやくざやさんが嫌がらせでやってるのかと思いましたよ」






犯人……見つかったんですか?




「ええ、警察が来たらすぐに分かりました。運転手さんは近所の運送やさんでした」



やくざやさんじゃなくて良かったですねぇ……




「向こうも平謝りしているので、あんまり騒ぎにはするつもりはないですが……」





しかし、こんだけ壊れたらそれなりにリフォームしないといけないでしょう? 特に風呂場と玄関……




「ええ、一応運転手さんの方で、保健が出るそうなので、それで弁償してもらうつもりです」



「まぁ、せっかく料金が向こう持ちですので、せいぜいふっかけるつもりですけど」




それにしても、なんか壁に亀裂が入ってて、雨の日とか大丈夫なんやろかと、思わずにはいられませんね。




ちなみに、うちの親父様は、家よりも植木をやられたことに、大変おかんむりでした……。





あぁ、うちの梅は小さいながら樹齢二十年以上だったのになぁ……もったいない話です。




ちなみに、門はホームセンターに行って、8万円くらいのやつを購入決定……。家のリフォームはいつになるかまだまだわからなげな雰囲気です。




うぅ、クーラーの風が抜けるのが泣けてくるところです。



9月6日






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