翡翠の日記帳14ページ目
2003年9月13日
こんにちわ。ネロ教授いますか〜。
「おお、翡翠か。珍しいな、わざわざうちに遊びに来るとは」
なんとなくです。それにしても相変わらず、変なものばっかり転がっている家ですねぇ。
「ふふふ、まぁな」
等身フィギアとか良く飾れますね……。
おや? なんですか? あれは?
「あれは洗濯機だ」
いえ、そうじゃなくて、洗濯機の横で三角座りしている男のことです。
「だから人型の洗濯機だ」
……人型洗濯機?
「もう40年以上前になるだろうか。今の世の中に全自動洗濯機が誕生する前に、ナショナルの設計課長と共に共同開発した代物だ」
あの……、嘘八百並べないでくれますか……?
「何が嘘なものか。あの頃はネロちゃん。せっちゃんと気さくに呼び合った仲だぞ」
まぁ、それが本当だか嘘だかは、どうでも良いのですが、で、なんなんですか?
人型洗濯機って……
「うむ、それは今から40年前のこと……」
「私とせっちゃんは、洗濯板で洋服を洗い、手を荒れさせている主婦の悩みを解消するため、自動洗濯機の開発に勤しんでいた」
「その頃の洗濯機というのは、いわるローラー式で、まぁ要するにモップ絞り器みたいななものだった」
「せっちゃんは完全に全自動にするべく、箱の中に洗濯物を入れ、グルグル回転させ、すすぎ排水までする洗濯機を開発していたのだ」
「だが、私の考えた洗濯機は、せっちゃんの考えたものとは、方向性の違うものだった」
「私は洗い手に変わって、選択を引き受ける洗濯ロボットの開発をしていたのだ!」
……洗い方は?
「むろん、洗濯板でゴシゴシだ」
……それ、別に人型にする必要なかったんじゃないんですか? しかもこのロボット……結構リアルですよ……よく四十年前にこんなもん作れましたね。
「馬鹿者! 洗濯機といえど機械だ。機械なら、人型にするのが当時からの習わしだ! MSは人型が基本だし、某ちょびっツだって、人型パソコンとかあるじゃないか! 人型はな。男のロマンなんだ! ドリルと同じくらいロマンなのだ!」
分かるような分からないような理論ですねぇ……
つまり教授は、洗濯専用のロボットを作ったと。
「そうだ。自動で物干し竿に干してくれるという便利機能付きだ」
「だが、私たちの開発は暗礁に乗り上げた。せっちゃんの洗濯機はすすぎが十分でなかった。私の作った洗濯機は、洗濯に時間がかかりしぎたのだ」
はぁ……
「そこで! 私とせっちゃんは話し合い、二人の研究の良いところを使った一つに洗濯機を作ろうという話になった。それで出来たのが、このHMX12型洗濯機だ!」
なんか著作権に引っかかりそうな名前ですね……。
「ええい! 五月蠅い! 汚れたものがあれば、センサーが自動的に発見し、服を脱がせると、体内に取り込み、凄い勢いで汚れという汚れを強制的に洗うという優れものだ!」
「論より証拠だ。確か、稼働していた頃のビデオがある見せてやろう。スイッチオン!」
ウィィィィィィィン(ビデオ画面)
(ピポ、洗濯物はありますか?)
あ、喋るんですね。
「当然だ。人型だからな。人工知能を付けている。こいつは限りなく人間に近い洗濯機だ」
やな洗濯機ですね……
「ほら、ビデオを見るが良い」
と、待っているとビデオの中では、脱衣所にべそをかいた小学生低学年の女の子が入ってきました。
(ぐすん……どうしよう……)
(ピポ、汚れているものがあるようデスネ)
(うん……おもしらししちゃったの……)
(ピポ、それは大変デス。洗います。脱いでくだサイ)
(え、良いよ……自分で洗うから……)
(ピポ、そこに汚れている洗濯物があるというに、見て見ぬ振りを出来る洗濯機などいるわけがありません。ピポ、さぁ、脱ぐのデス!)
(きゃ! や、止めてぇ!)
洗濯機は女の子にのしかかると、スカートに手を突っ込み、無理矢理パンツを脱がせました。
(ピポ、はぁはぁ……くんくん(臭気センサー稼働中)……こ、これは凄く汚れていますネ……)
(や、やだぁー、返してよぅ!)
(ピポ、ははは、心配しないでくだサイ。私が清めてあげマス。ぱく、モグモグモグ!)
(な、なんで食べちゃの!)
(ピポ、食べているのではありまセン。洗っているのデス。私の唾液は洗剤と同じ成分デス)
(ピポ、そして歯でくちゃくちゃかみ締めることにより……モグモグ……、もみ出し洗いの効果があるのデス。ピポ、モグモグモグ、ごっくん)
(飲んじゃった……)
(ピポ、ご心配なく、すすぎが終わりましたら、出てきますカラ)
(出てくるって……どこから……?)
(ピポ、私はもっとも人間に近い洗濯機デス。人間と同じですヨ。ほら、もう出てきた)
(きゃー、きたない!)
(ピポ、違いマス。清潔そのものデス。成分分析でも尿素もアンモニアも検出されていません。さぁ、後は渇かすだけデス。よいしょっと……)
(なんで私のパンツをあなたが履くの!?)
(ピポ、私の体温で暖めれば、すぐに渇きますのデ)
(ぐすん……ひ、酷いよ……お気に入りのくまさんパンツだったのに……)
(ピポ、それよりお嬢さま。シャツもスカートも汚れているようですネ。じゅるるる……(洗剤システムの誤作動)……お洗いいたします)
(も、もういいよ……)
(ピポ、ふふ、この究極の人型洗濯機から逃れられると思っているのデスカナ?)
(きゃぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁっ!)
ポチ
「むぅ、何で途中で止めるのだ。ここからが良いところなのに!」
あまりのアホさにぐうの音も出ません……
「そうか? 私もこのビデオを見たときは、これ製品化いけるなぁと思ったのだが」
何を商品にするかによりそーですが…
「ところが、一見完璧に見える、人型洗濯機だが、意外な落とし穴があったのだ」
「この洗濯機、けっこう寂しがりやでな。洗濯機仲間を見つけるとついどこかに遊びに行ってしまうのだ」
寂しがりやって……
「それで仕方なく足を取ってだな。脱衣所に放置した見たら、今度は手を使って脱獄してくる。それで仕方なく腕も取り外したのだ」
ダルマ状態ですか……なんか洒落になりませんね……
「すると、よなよな洗濯機が泣くのだ」
(俺は……一体何のために、こんなことをしているんだろう。自由もなく、ただひたすら汚いものを洗って……こんな何の意味があるというんだ。人の選り好みも、洗濯の選り好みもできぬまま、俺は一生洗濯物を洗い続けなけらばならないのか! こんなのってない。あんまりだ!)
(だったら、俺からこの頭を取ってくれ。何も出来ないのに、考える自由だけあるなんてこんなの耐えられない。俺から考えることを取ってくれ。でないと狂ってしまいそうだー)
なんか、洗濯機の癖に、思春期のガキみたいな事を吐きますね。
「うむ、それで結局、人型洗濯機からは五体がなくなり、胴体だけとなったわけだ」
「こうして、この人胴体型の洗濯機が発展したものが、今の全自動洗濯機ということになる。分かったかね?」
やっぱり、機械が人型なのって全然意味ないですね……
「意味がなくても追求するから、ロマンではないか」
別に良いです。私はロマンより機能を追求する人ですので……
9月13日
了
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2003年9月18日
私の携帯に電話がかかってきたのは、九時四九分のことでした。
「あ、もしもし! 翡翠ちゃんですか! 大変ですよ! 聞いて下さい! びっくりです!」
「阪神が優勝しましたよぉぉぉぉ!」
はぁ
「はぁ、ってなんですか、十八年間優勝しなかったあの、弱小球団阪神が優勝したんですよ!」
まぁ、なんとういか緊迫感もなんもなかったですからね。あんだけぶっちぎっていれば、そりゃ優勝もしますでしょう。
「とにかく、こうしてはいられません! 行きますよ!」
行くってどこにですか?
「決まってるじゃないですか! 道頓堀です!」
仕方ないですね。じゃ、BSでER[見てから行きますから。今日は[の最終回ですよ。
「分かりました。じゃ12時に道頓堀で」
はい。
◇ ◆ ◇ ◆ ◇
「さて! 来ましたね! 道頓堀! 午前0時だというにまだ人で超満員ですね」
まったく、ふざけないでください。
「翡翠ちゃん……何怒ってるんですか?」
前回グリーン先生が死んだ時点で、なんで最終回にならないのか本当に不思議でなりませんよ。
ERに最終回があるとしたら、あれしかないっていう素晴らしい形だったのに!
私、泣きましたよ!
訳の分からない付け足しみたいにやるな! と心底思いました。
「もー何言ってるんですか! 今は阪神の話題ですよ!」
いや、でも私野球嫌いですし。
「馬鹿ですねぇ。そんなの関係ありませんよ。ほら見てください。あの連中を」
そうして道頓堀の橋の方を見ると、それはもう凄い人であふれかえっていました。
「どうですか? どう見ても、あれは十代後半から二十代後半までが大半をしめています」
「あの連中が、本気の阪神ファンだと思いますか? 十八年間も優勝を待ち望んで、そんでついに達成したかのように思いますか?」
「んなわけないんですよ。アレはですね。いわゆる祭り馬鹿です。騒ぎたいだけなんです。馬鹿がしたいんです。そしてここは一種の異界です。だったらもう、何でもアリですよ!」
まぁ、いわんとしていることは分かります。
つまり、踊る阿呆に見る阿呆。同じアホなら踊らにゃ損々というわけですね?
「そう言うことです!」
こうして、私たちは色々と見て回りました。
それにしても……
うー、道頓堀の中心の方は、人混みでぎゅーぎゅーです。
通行方向も整理されていないので、中央部は両方から圧力がかかって潰れそうな地域もありました。
っていうか……
ゴミが多すぎる!
足下に割れたガラスがゴロゴロと転がってるのは、なんとかせんかい!
転けたら死ぬぞ!
と本気で思うほどです。
「ほら見てください。梅虎ブラスバンド(?)が六甲降ろしを吹いてますよ!」
うぅ、本当ですねぇ。思いっきりお巡りさんに注意されてますが、あんなの地上三階くらいの高さにある、時計台の上に乗っかってる連中に比べたら全然可愛いものだと思うのですが。
「警察もこれに本格的に取り締まれません。無理です。デモ隊鎮圧するくらいの武装でやっても、多分無理でしょう。だったら、大人しく見ていた方が治安のためには良いことです」
そうかもしれませんね。
「さて、では翡翠ちゃん。そろそろ飛び込みましょうか」
え? 私が飛び込むんですか?
「そりゃそうでしょう。翡翠ちゃんが飛び込まずして誰が飛び込むというのですか!」
「ほらほら、見てください。みんな楽しそうですよ。ビデオとってますよ。笑ってますよ。ほらチンチン丸出しですよ。ぷるぷるぷる。ざばーん!」
そんな事で興奮されても……
「ほら、どうするんですか?」
そうですねぇ。
とは言ったものの悩みました。って言うか、この川がどんなに汚いかは、もう前知識としてこれでもかという程知っています。
ですが、恐らく阪神は後二十年は優勝しないでしょう。さすがに年をとってからやるのは辛い。
これが私の中でのラストチャンスです。
でも……うぅん。どうしよう?
と迷っていた私の背中を押したのが、忘れもしない「真弓 背番号7」でした……
こいつ。
こともあろうに。
この私に。
頭からビールぶっかけやがったのです!
うっかー、この酔っぱらいが! 見知らぬ私にビールをかけるとは何事ですか!
「まぁまぁ、翡翠ちゃん無礼講ですから。あぁあ、服びちょびちょですねぇ。これは一発飛び込んで一気に濡れておきましょう」
……はぁ、そうですねぇ。ここまで来たらいっそ濡れて帰りますか。
そうして私は道頓堀の橋の上に立ちました。もちろん下着姿です。
全国の翡翠ファンの皆様には、決してお見せできない霰もない姿です。
周りには私を囲む数千の観衆。下にはどぶ川。街全体が歌っているかのような六甲降ろし。どこかで、ジョージが叫んでる。
跳ね上がる高揚感。みんなが一丸となってこの祭りに盛り上がっています。
これだ! これだ! これが祭りだ!
さぁ、それではみなさん! 行きますよ!
「UYYYYYYYYYYYYYYEEEEEEEE!」
1
2
3
だーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー!
ぶぐぶぐぶぐぐぐぐぐぐぐぐぅぅぅぅ……
ぷはぁ!
プカプカと私は道頓堀川に浮かびました。
凄い光景です。川の底から見上げる道頓堀は絶景です。
あぁ、多摩川のタマちゃんってこんな気持なんだなぁ……などと思っていました。
◇ ◆ ◇ ◆ ◇
こうして、私の道頓堀ダイブは終わりました。
気づいたことがあります。
予想はしてましたが、道頓堀の水はやばいです。口の中がいがいがします……。
なんというか。皿を洗った水で口をうがいしたような気分とでも言いますか……
しかも体が臭くなります。
コンビニで二リットルの水を買って適当に体を洗いました。ちなみに石鹸も持参。
歯ブラシも持ってくれば良かったと心底後悔しました……。
しかしまぁ、きちんと体を拭いて、服を着れば、なんかそれほどダメージもなかったので、
それから私達(周りの連中集めて十人くらいで)は、大渋滞中の御堂筋に出て、ナンバープレートが「なんば」の車を見つけては、車を囲み。
「なんば! なんば! なんば! なんば! なんば! YEEEEE!」
とかやりました。
結構車に乗ってた人もノッてくれました。
ノってくれなかった運転手さんは、嫌そうというのを通り越して、怖がっていました。そんな時はみんなで謝ります。
まぁ、やりすぎて警官に怒られましたが、久しぶりに族っぽいことができて、それはそれで楽しかったのであります。
◇ ◆ ◇ ◆ ◇
とまぁ、そういわけなのですよ。志貴様。
「はぁ、馬鹿が馬鹿なことしてるあるねー。私だったら絶対しないね」
良いじゃないですか。飛び込むも飛び込まないも、私の自由です。
「ニュースでやってたけど、あの川汚いウンコ並汚いらしいあるよ。実際に糞尿とかも垂れ流されてるだろうし」
それでも飛び込むのが浪速魂でしょう。
まぁ、ちょっと喉が痛くて困ってますが……。
「まったく警官隊もアホね。川に飛び込んではいけませんなんて言っても、無駄よ。本当に抑止したければこう言うね」
この川はウンコ並に汚いです。言い換えるならウンコ川です。むしろウンコそのものと言っても良いでしょう。それは肥溜めに飛び込むのと同じです。阪神優勝して肥溜めに飛び込む集団なんて、冷静に考えてみれば、アホだと思いませんか?
まず、手を広げて胸に手を当ててください。あなたがウンコまみれで、家に帰ってきたら、あなたの両親はなんと思うでしょうか。
あなたの両親は決してウンコに飛び込ませるために、あなたを生んだはずではないです。ウンコに飛び込んで欲しい両親なんてこの世にいやしません。
もう一度言います。あなたの目の前にあるのは川ではなくウンコです。
飛び込むのは止めましょう。人間として。
「こういえばかなり強烈な抑止になると思うあるけどねぇ」
いや……あの……既に飛び込んだ私の前で言われても……
「やーい翡翠、えんがちょーね」
9月18日
了
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2003年9月28日
この前万引きに関するテレビ番組を見ていました。
やっぱりこの頃は万引きしてくれる人が多いようです。
某書店では、売り上げの十パーセントから十五パーセントが、万引きの被害にあっているそうです。
私は大抵の軽犯罪を経験しましたが、万引きの類だけはやったことがありません。
私の母親がお客様商売をしていますので、窃盗類だけは、どうしてもやれないんですねぇ。
私は悪すらも肯定したい一元論者なので、万引きも若さゆえさ! ははは! と笑い飛ばしたい所ですが、なかなかそうゆーわけにもいきません。
なんでしょう。やっぱり罪悪感がメラメラと湧いてくるんですねぇ。
虐めや、麻薬や、強姦なんかは格好が悪いとは欠片も思わない人間ですが、万引きは格好悪いよなぁとか思うのです。
これの辺りが、私が未熟だなぁと思うところだったりします。
で。なんでこんな話をしたかと言いますと。
なんと我がお母様のお店に、防犯カメラが設置されました。
知っている人にはとても驚きですが、本当のことです。
それで始めた、防犯カメラウォッチング……
私は昼間は家にいませんので、夜になってからビデオをチェックします。
以外と万引きする客っていないんだなぁ。って思いながら見てましたが……あ、いた。
それはもう見事に、映ってました。
お母様のお店の常連です。素行が悪いし態度も悪い客なので、やってるんじゃないかとは思ってましたが案の定やってました。
こんなにあからさまに防犯カメラ仕掛けているのに、それでもやるのか。
最近の厨坊はわけわかりません。
まぁ、良いです。私がやったこのない犯罪をする犯罪者は大嫌いなので、とっとと警察を呼びましょう。
次の日、警察がやってきました。ビデオを見せると、
「これはやってるなー」
というわけで制服から学校を特定し、すぐに犯人は捕まりました。ものの一時間というスピード解決でした。
もちろん現行犯ではないので、商品はどこぞに消えていますが。
私も警察署に行って来ました。万引き犯の親がやってきて、平謝りしてます。
その親にも決定的瞬間のビデオを見せると、「なにやってんの! このアホ!」と言って、厨房は頭を思いっきりドツキ回されてました。
しかし、その中学生はこの期におよんで、「俺やっとらんわ! うそちゃうわ、ボケ!」とか言って、言い逃れします。
何アホなこと言ってるこの、ファックン厨坊が! どう見ても盗ってるじゃないか。挙動も滅茶苦茶妖しいじゃないか。
ふざけた奴です。
親父さんは反省しない息子にキレて、鼻血が出るほど殴りました。凄い大興奮状態で、警官の人も止めるのにシックハックしていました。
話を聞けばこの厨坊、学校でも札付きらしく、親御さんも大いに困っていたそうな。
それにしても、やっぱ、こういう現場って凄惨だなぁ。
まぁ、悪が滅殺されたので、良しとするかー。
などと言うことになり、その日はそれで終わりました。
ところが後日、警官がうちの家にビデオを返しに来たとき、ボソっと教えてくれました。
「実はな。あれビデオでは商品を取っているように見えるけど、とってないかもしれん」
え?
「あのテープをな。高解像度の画像キャプチャー装置にかけるとやな。デテールがはっきりするねんけど、それで見たら、取った真似をしただけで、取ってないねんなぁ。手の中に入ってないねん。あれが」
え? マジですか?
「それがマジなんやなぁ……」
いや……、それじゃー、無実じゃないですか……
「勘違いしたらあかん。正確には証拠能力がないというだけや。あのテープでは物証にならんゆーことや」
「うちらのカメラでもわからんように、盗ってる可能性もなきにしもあらずや」
「でも、ええやん。どのみち厨坊で、不起訴やし。親父にもぶん殴られたし、ええ薬になったやろ」
……そんな適当で良いんですか?
「罪があるなしなんか関係ないわ。要するに普段の行いが悪かったら、それだけで何でもかんでも、自分が悪いということにされる教訓の一つやな。不真面目ちゅうことは、社会の枠組みから逸脱してることや。やったら社会の方から迫害されんのは当たり前やろ。それやのに当たり前に扱って貰おうと思う方が間違いや。中途半端に不真面目なんは、結局色んな所で損してるだけやのになぁー」
はぁ、まぁ良いです。
私は何も聞かなかったことにしますから。
「それそれ、そういう小賢しい台詞の一つもあいつらが言えたらなぁ」
こんか警官いて良いのか? というくらい凄い警官ですが、まぁ別にどうでも良いことです。
と、言うわけで、防犯カメラはなんか結構に役にやっているようです。
しかし、一回で良いですから、このビデオテープをネタに誰かを脅してみたいものです。
本当は真面目だけど、魔がさしてやっちゃった、身長150センチくらいやせ形の超有名お嬢さま学校の美少女とかこないもんですかねぇ……
許して欲しかったら、一発芸やってみせろ。
とか、言ってみたいです。私は……
9月28日
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2003年10月5日
翡翠です。
ようやく夏も終わって、そろそろ長袖の服をタンスから出した今日この頃。
秋ですねぇ。ネロ教授
「うむ、秋だ。秋と言えば!」
秋と言えば?
「新番組の秋!」
あぁー、やっぱり、そうなるわけですか。食欲とかスポーツとか、そっち方向には行くはずないですよねぇ。
「ところで、翡翠は今年の番組で期待しているのは、なにかね?」
NHKで放送の海外ドラマ、ホワイトハウスの第二期ですねぇ。
「はぁ?」
ですから、ホワイトハウスです。
「馬鹿者! そんな硬派なものを見て何が楽しい!」
私はこう見えても海外ドラマフリークですからねぇ。
ドラマを見るなら海外と、相場が決まってるんです。
あー、TV版ニキータ、大阪でも放送してくれないものですかねぇ。
で、そういう教授は何に注目してるんですか?
「無論!」

「セーラームーン(実写版)だ!」
……
き、教授……。なんで、そんなもん見るんですか……。
いえね。教授がセーラームーン好きなのは知ってますよ。カードとかも集めていてのも知ってますよ。レーザーボックどころか、同人誌を買い集めていて、等身大抱き枕を持っているのも知っていますよ。
でもねぇ。だからって、実写版なんて見て何が楽しいのですか?
これですよ。

これ!
あの愛らしいうさぎちゃんの欠片もありゃしません。
漫画やアニメが実写になって、まともになったことなど、一回たりともないですからねぇ。
まぁ、私が見た中でも、これは悪魔君実写版の次ぎくらいには、ヤバげな雰囲気をかもし出してます。(悪魔くん、実写版は想像を絶する凄さがありましたが)
そもそも不条理を不条理と感じさせないのが、漫画屋の凄いところであって、それを実写でやろうなんて、ちゃんちゃらおかしくてへそで茶を沸かしますよ。
「この、未熟ものめがぁぁ!」
「実写版の良さがわからんとは、どういうことだ!」
子供達は大喜びしているのだぞ!
「特撮ファンが聞いたら、殴り殺されるぞ!」
「大体、コミケに行って見ろ。あんな連中がうようよしている。それを差別するということは、カメコくんたちを馬鹿にしているのとなんらかわりないんだぞ」
まぁ、確かにコスプレといえば、コスプレなのでしょうけど……
なんで、こんなにも拒絶反応があるんでしょうねぇ。
「うむ、それは恐らく変身の仕方に問題があるのだろう」
と言いますと?
「特撮戦士が変身するのは基本中の基本。仮面ライダーにしても、ウルトラマンにしても、レンジャーにしても、みんな例外なく変身だ」
「だが、ここまでの拒絶感はないだろう?」
むしろ格好良いですよねぇ。
「あれはな。変身後に顔が見えないのが良いからだ。顔はいわば、現実の物差しだ。それを見せないことで、現実から空想に転換させ、普通ではない状態を、まかり通すという手法だ」
「だが、顔を見せることによって、現実感が残ってしまう。だから、普通の人間を見る眼で見てしまうわけだ。それで気持悪いのだな。ばっかじゃねぇの。キモイよ。ということになるわけだ」
「しかも、変身前がそれなりに可愛かっただけに、その気色悪さは想像を絶する値に達している。さらにあの髪の毛が、けばけばしさを増長させている」
なるほど。ライダーマンが微妙にキモイのは、口が見えているからなわけですね。
「仮面ライダーファンを敵に回すような発言は控えんか!」
まぁ、なんでも良いですけど。
「ところで、私は第一話を見てみたが、何故、初期の必殺技がムーン・ティアラ・アクションでないのか、疑問でならん! ムーン・ティアラ・アクションの何がいかんのだ! うぉー、ムーンティアラアションカムバァァァァク!」
いや、私的にはオープニングのタキシード仮面とセーラーVとの対決シーン。

これ
の方が疑問でなりませんが……
「? 何が疑問なのだ?」
足とか足とか足です……
しかし、昔からセーラームーンだけは、ほとんど変装しないくせに、なんでみんな正体に気づかないのか、非常に疑問だったのですが。
やっと謎が解けました。

これが……

これだもん
これは正体隠せるかもしれませんねぇ。
まぁ、そんなこんなで秋の新番組は期待たっぷりです。
あと私のお薦めは『魁クロマティ高校』なので、是非とも一度見てください。
他はどうでも良いから、メカ沢だけを見てくれればいいです。
メカ沢必見ですので……
10月5日
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2003年10月12日
月姫、ついいにアニメ化されました。
第一話はちゃらーっと見せて貰いました。
志貴様はどうでした?
「いやいや、驚いたあるよ」
何に驚いたんですか? やっぱ、あの何か妙に暗い展開とかですか?
「ワタシが中国語喋ってなかったり、翡翠がなんか大人しかったりしたことに」
いや、凄い根本的な所に疑問を抱いているんですね……
っていうか、それは間違ってませんか? なんか色々……
「ワタシも長いこと翡翠の日記帳で中国語喋ってたあるから、もう何がデフォルトでどんな話なのかさっぱり忘れていたね。死の線とかゆー言葉すら懐かしいねぇ。もうアニメ版も志貴中国語で良いじゃんという意見もあるくらいね」
まぁ、そうですねぇ。もう完全に作者の思考に染まってしまって、何がなにやらさっぱり分からないくらい暴走しているのに、まだ月姫ですから。
実に訳が分かりません。
ちなみに、私の頭の中では月姫はこんな話になってました。
――あらすじ――
遠野志貴様は七年前の事故で生死の狭間を彷徨い、中国人になってしまう。
病院では、「ワタシ中国人ある! 嘘じゃないね!」と医者に訴えるが、医者は『何馬鹿な事を言っているんだ。君は中国人なんかじゃない』と言って相手にして貰えなかった。
誰も自分が中国人である事を信じて貰えなかった志貴様だったが、ある日、魔法使いを名乗る蒼崎青子に出会い、そこで『南京大虐殺』というビジネスマンが使う黒縁の眼鏡を貰う。
『姉貴の中国人殺しを、改造して作った特注品だ。これを付ければ君も歴とした日本人だ。ちなみに、髪型は七三にして、スーツ着用が基本だぞ』
「うっかー、いやある! あんたは日本陸軍のスパイある! 中国を満州に併合しよういう敵あるね! ワタシは日本人なんかになりたくないね! 良いね! ワタシは中国人として生きるよ!」
こうして、中国人になった志貴様だが、父親の遠野雅義に勘当され、有間の家に預けられる。
有間家はごくごく普通の共産主義家庭で、徹底した反日教育を受けることになる。日本人はみんな戦争責任を果たしていない! 謝罪しろ! 金をよこせ! これが基本だ! いぇい!
そんな平凡な生活を送っていた志貴様だったが、十七歳になったある日、遠野家の新しい当主である秋葉に遠野家に呼び寄せられる。
しぶしぶ志貴様が家に戻ると、成長した妹の秋葉が待っていた。
『良いですか? あなたは遠野家の長男なんです。今までどんな教育をしていたか知りませんが、この家のルールに従って貰います』
「なんてことか〜。あぁ、あの可愛い秋葉はどこに行ったね〜。昔はカンフーと毒手の特訓をしたり、ワタシを背負って川を走っていた、あの可愛らしい秋葉はどこに言ったね」
『勝手に過去を書き換えないでください! 私はそんなことは言ってません!』
と、そんなこんなで志貴様は資本主義の支配する遠野家で暮らすことになる。
傍若無人の限りを尽くす志貴様を扱いかねた秋葉はついに、毒には毒を持って征するの心情で、VS志貴様カウンター兵器、従順で無口なメイド、翡翠を送り込む。
というわけで、はじめまして志貴様。最初に断って起きますが、資本主義社会において、役割の差というものは存在しますが、階級の差というものは存在しません。
つまりは四民平等であり、私は私の自由意志で志貴様のメイドになっているのであって、志貴様の下ではないことを、ここに宣言しておきます。
さて、さっそく契約の確認ですが、私の給金は一ヶ月十五万円です。住み込みメイドを雇って十五万というのだから、これは破格の値段ですね。
もちろん、それは私のご主人様である志貴様から徴収致します。そんなにお金がない? 安心してください。 志貴様は遠野家の長男なのですから、秋葉様から志貴様に月々十五万円ものお小遣いが与えられます。
これもまた普通の高校生としては凄く破格の値段ですね。
羨ましい限りです。
と言うわけで、志貴様のお小遣いは全額私のモノになります。たった十五万円で働くんですから、私って凄い健気なメイドだと思いません?
メイドなんていらないから、お金が欲しい? は、何を寝ぼけたことを言っているのですか。契約で私を解雇できるのは秋葉様だけです。志貴様がどんなに嫌がっても、私は志貴様のメイドは決定事項なのです。
例え私が毎日遊びほうけていようと、仕事もせずにゲームセンター巡りしていようとも、あなたに私の仕事に対して文句を言う資格はありあせん。
まぁ、悔しかったら当主にでもなるんですね。もっとも、志貴様のようなゲセンな中国人がそんなことを考えるだけ無駄ですが。
おやおや、どうしたんですか? 志貴様? そんな嫌そうな顔をして。
「うっかーーー、メイドなんていらないあるぅ!」
志貴様の苦難の道ノリは続く。
第一話 了
次回予告――
学校を早退した帰り道、志貴様は、吸血姫アルクエイド・ブリュンスタッドの姿を見かける。
志貴様は彼女を見た瞬間、体の奥底から衝動が沸き上がり、通りすがりのアルクエイドを中国人にしてしまう。
一端は夢だと思った志貴様だったが、次の日の朝、アルクエイドが再び、彼の前に現れる。
『ワタシを中国人した責任、とってもらうアル』
◇ ◆ ◇ ◆ ◇
とまぁ、こんな感じです。
「最高に意味不明あるね……」
いや、なんかこんなストーリーの方が私的にしっくりきません?
「いやぁ、まぁもうここまで来たら、何でも言い感じあるけどねぇ……
10月12日
了
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2003年10月19日
ネロ教授ネロ教授、月姫のアニメを見ていて気づいたことがあるんですよ。
「うむ、なにかね?」
テロップに、『アニメを見るときは、明るくして離れて見てください』っていうの以外に、『インターネットでの画像・映像の配信は違法です〜』みたいなのがあるじゃないですか。
やっぱい多いんですかね。
「最近ネットワークを使って、データーダウンロードが流行しているからな。と、ふと気が付いたが翡翠。お前の家のテレビは確かBSチューナがなかったはずだぞ。どうやって月姫見ているのだ?」
いえ、あります。
「この前行ったときはなかったが……」
あるんです。私があると言ったらあります。
「……あるのか」
無論です。
「だが、この前NTKのテレビの集金が来たときは、『テレビがない』と言い張って追い返していただろう?」
だって、テレビがないんですから、仕方ないじゃないですか。
「……ないのか」
ありません。
「……あえて深くは問うまい」
懸命です。
「話を戻そう。最近はネットワーク上で大抵のデーターはダウンロードできるような時代になってきた。P2P系のソフトを使えばそれこそ簡単だ」
「昔から、ゲームなどのコピーはまずいと思っていたが、最近は色んなジャンルにまで伸び出している。ゲームに留まらず、アニメ、漫画、大抵のものはダウンロード出来てしまう」
そうですねぇ。私はやっていませんが、デジタルコピーというのは、罪悪感が薄いですからね。
そのものが損なわれるわけではありませんからね。
相手には損をさせていないという、意識がどこかで働いてしまうんですね。
例えば、インターネット上で漫画をダウンロードして読んだとしても、それは立ち読みと同じくらいの気分でしかないですしね。
「なんだ? そんなことをしていたのか?」
私はしていません。もし、仮に、私がそんなことをしたとしたら、そんな気分になるんだろうなぁーってことを書いているだけです。
「無茶苦茶疑わしいな……」
疑わしきは罰せずです。
「などと翡翠のように言い訳する奴は多く、何が不当なのかすら、理解していないものがばかりだろうな」
「複製行為の不当性は、出回ることによって相対的な価値が下がることだからな」
『相対的な価値』とか言われても、ふつーの人は分かりにくいですよ……
インターネットの氾濫で、情報の価値がどんどん下がってますからね。
そういえば、インターネット上の著作権のあるデーターをダウンロードしても、それは合法なんですよね?
「うむ、プロテクトがかかっていなければな。ちなに、アップロードしている方は違法だ」
だったら、もうなんでも良いじゃんとか言いたくなりますけどね……
「そもそも、法律がややこしいのだ」
「漫画だったら、古本屋はOKで、図書館で借りるのもOK、理髪店で置いてあるのもOK」
「アニメだったら、地上波を放送をダビングするのはOK、レンタルショップから借りてきたものを、ダビングするのもOKとからだかな」
……え? レンタルビデオショップで借りてきたやつを、ダビングするのOKなんですか?
「うむ、著作権法は「私的使用のための複製」(30条)では、そうなっておる。実質コピーを防ぐ手だてがなどないからな。だから、レンタル会社側にそのコピーするだろう分の著作権料を払う事を義務づけている」
つまり、レンタルビデオ&CDは、コピーしないと損ってことですか?
「ぶっちゃけそうだ」
漫画喫茶とかも著作権料を払うことになっているみたいですし、そんなもんなのかもしれませんね……
「要するに何が言いたいかと言うと、合法的に複製できる手段だらけなのだ」
「例えば、人を傷つける。物を盗む。これは行為自体が悪だという認識がある。だから、行為自体を避ける傾向にある。実際は法律上、必ずしも悪になるとうことではないのだがな」
「複製はその逆なのだ。行為自体は悪いことではないという認識がすでに出来上がっているのだ」
あー、確かに、ビデオのダビングや友達同士の貸し出しが悪いと思っている人はあんまりいないでしょうからねぇ……
「その延長上でやるやつは多いな。翡翠ようにすぐに自分を自己正当化するタイプは特にな」
ひどい言いようですね……
私はそんなことしてないって言ってるじゃないですか。
確かに私は、法律ごときでで縛られてる社会正義というものを、それほど順守はしません。
前に麻薬の回でも書きましたが、覚醒剤は昔は合法だったりしました。売春法とかもそうですね。
だけど、法律が改正されたから悪になりましたと言われても、だったら今まではなんだったんだ? って話になりますしね。
「社会正義というのは、個人の正義観というのとは、必ずズレた所にあるのだ。あらゆる犯罪はそのズレの中に生まれると言っても良いな」
なんか良いこと言ってますね。ネロ教授。
「うん? そうか?」
ええ、本物の教授みたいですよ。
「私は元々教授というに……それよりだ。今話していて思ったのだがな」
なんですか?
「これを読んだ人は、100人いたら100人、翡翠は違法野郎だと思うだろうな」
やれやれですね。物証もなしに、印象だけで、そんなことを言って欲しくないものです。
私は清廉潔白だというのに。
「では、ありとあらゆる複製が完全に禁止になったらどうする?」
えー、金出してソフト買わなきゃいけないような情けない時代がまたくるんですか?
そんなのやですよー。
「……本当に誤解なのか?」
ああ、誤解され安いんですよ。私。
10月19日
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2003年10月28日
今日はスーパー社会派のお話になります。
興味がない人は、すっとばしってください。
さて、それは私が今日の分の日記を書き連ねようかと思ったときのこと。
「翡翠ちゃーん。お電話ですよ〜」
誰からですか? 姉さん。
「えっと、高校時代の後輩さんらしいですよ。×※〒さんて言ってましたけど」
聞いたこと無い名前ですね。まぁ、良いです。とりあえず出てみます。
はい、もしもし、翡翠です。
「あ、翡翠さん、お久しぶりです」
誰です?
「ほら、私ですよ。高校時代クラブの後輩だった×※〒ですよ」
知りません。忘れました。
「つ、冷たいですね。ほら、お昼ご飯とか奢ってあげたじゃないですかー」
記憶にありません。
「……」
じゃ、そういうことで。
「あぁ、待って! 待って下さい!」
もぅ、なんですか? 鬱陶しいですね。私はこう見えても多忙なんですよ。
「えっと、あの、翡翠さんは、選挙はどこの党に入れるか決めましたか?」
いえ、まだですが。
「そうなんですか! だったら、是非公明党に入れてください!」
いやです。
「……即答しなくても」
即答に決まってるじゃないですか。何をトチ狂った事言っているんですか。
私は社民党と共産党と公明党は大嫌いなんですよ。
最近多いんですよねぇ。昔の友達を名乗って、どこどこの党に票を入れろとか考えているヤツ。
私が名前も顔も覚えていないと言うのに、友達面して来るんですから。大概にしてもらいたいもんです。
「いや……あの、昔、ご飯を奢ったんだけど……」
そんなことはどうでも良いんです! いくら私が浮動票層の国民だと言っても、そんな訳の分からない事言って許せると思っているねすか?
まったく何なんですかあなたは? クニミツの政の影響で、とりあえず何か運動がしたくなった口ですか?
「漫画に影響されてとかじゃないんですが……」
「とにかく、話だけでも聞いてくれませんか? 公明党」
仕方有りません。話だけなら聞いてあげますから、理路整然と語って下さい。
で、どういうところが良いって言うんですか?
「えっとですね。公明党はですね。6歳児までの医療を無料にしようって考えてるんです」
「ほら、やっぱり子供とか出来たら、安心した医療って必要だと思うでしょう。私、それを聞いたとき、こう凄いなぁって思ったんです。ほら、翡翠さんも子供が気軽に医療を受けれるようになった方が良いよね」
私、医療はお金を取るべきだと思っている人です。
「えーーなんで!?」
ほら、ブラックジャックによろしくでもやってたじゃないですか。読みましたか?
「いえ、読んでないですけど……」
読みなさい。良い漫画です。
そもそも日本医療における最大の不備は、医療の値段ではなくて、「待ち時間の長さであり、一人当たりにかける密度の低さ」であると私は考えています。
主な原因は、健康保険とかゆー、誰でも三割負担で病院で見て貰えるという制度のせいです。
誰でも気楽に病院に行ける制度なわけです。
だから日本は他のどの国よりも、患者が病院に行く割合が高いのです。
「良い事じゃないですか」
確かに、どんな人でも看て貰えるというのは非常に良いと思いますが、その反面、患者が多くなりすぎて、待ち時間が長くなり、病院が増えて、結果として医者一人に対する患者の人数が増えて、密度が減るんです。
無料なんかにしたら、それこそおざなり診察しかしてもらえなくなりますよ。
そんなことも分からないんですか。公明党は?
「いや、私のそんなことを言われても……」
まぁいいです。他にはどんなことを考えて居るんですか?
「えっと、他には……、年金も100年間一律になるんです」
なんですか? それ?
「えっと、ほら今の若い人って、年金収めないじゃないですか。あれって結局将来自分が貰えないと思っているからなんですよ。だから、それを100年間一定にすることで、安心して年金を払って貰おうという凄い制度なの」
糞です。
「なんで!? だって、年金問題重要でしょう!?」
あのですねぇ。なんで、どこをどうやったら、それが良いって聞こえるんですか?
100年ですよ。100年。
「だから、安心……」
んなわけないでしょう。馬鹿ですか。アホですか。ゴミ野郎ですか。法律というものは、時代と共に移り変わっていく物です。
時代の変化に合わせて、変わる必要があるものです。
日本国憲法だって、もう世界で15番目に古い憲法ですよ。
おかげで、もうそこらかしこでキシミみまくってますよ。もう全然今の時代にあってないんですよ。しゅうだんてきじえーけんがどーとか、新聞でももめ捲ってるでしょう?
「あ、そういえば、そんなニュースを見たような見なかったような……」
100年間一定にしますという時点で、既に悪法です。
良い法律は変わらないし、悪い法律は変わる。これが法律の基本だと私は思ってます。
今回、私はそれを見ただけで、公明党を見放しました。さすが糞から三番目の政党だと私に豪語させた政党です。
それにあの党、もともと創価学会でしょう? 私、宗教がからんでる党って大嫌いなんです。
「……それは偏見なのでは」
そりゃ、偏見も持ちますよ。あの連中完璧に洗脳されてますよ。よく破防法適用されないなぁと思うくらいです。だって、見てたら分かりますよ。あきらかにアレは変でしょう?
「そ、そんなことはないですけどねぇ」
ちなみに、私は自民党派です。
言っていることが基本的に現実的で、私の価値観に良く合います。そして金に汚いところが最高に良い。
私は政治家が汚いことをして金儲けをするのも、お金をばらまくのは当たり前のことだと思っています。
何しろ民主主義です。民主主義とは妥協に妥協を重ねていく政治のことです。
異なる思想が対立した場合、真ん中を取るなんて事ができるわけもないし、お金とか取引なしで、話を進めることなどできません。美味しい話だって絶対に必要です。
だから数の暴力が大好きです。少数の意見を圧殺するのは大切です。
コバンザメの公民党の糞に票を入れろなど、顔を洗って出直してきて貰いたいものです。
「そこまでボロカスに言わなくても」
選挙と勧誘の類は徹底的に話し合って、論破することにしているんです。私のようなガキも論破できない政党なんぞ、ロクでもないと相場が決まっているのです!
あなたでは話になりません。もっと論議に強く、私を洗脳してしまえるくらいの人を電話口に出してください。さぁさぁさぁ!
「い、忙しいんじゃないの?」
そうですよ。忙しいのです! でも話してあげると言っているのです! こんな親切な有権者が他にどこにいるというのでしょう? 戦争、宗教、医療、行政、どれもこれも私はそれなりに個性的な見解を持っていると自負しています! さぁ、論破してみてください!
「え、あーえっと……、ごめんなさい」
ガチャン――
ツーツーツー
「翡翠ちゃん。電話終わったんですか? 随分、白熱して話し込んでましたけど」
つまらない選挙の勧誘でした。これだから選挙関係の電話は嫌いなんです。今まで一度だって私の話を最後まで聞ききった人がいないんですから、忍耐力がないんですよね。
「それは翡翠ちゃんが、いつもその政党がいかに問題があって、その事に対してどんな認識を持っているかとか、徹底的に話し込むからじゃないんですか? 放っておいたら4〜5時間話し込むでしょう。向こうだって暇じゃないんですから」
私だって暇じゃありません。
「まぁ、何でも良いですけど……。ところでどこの誰だったんですか?」
さぁ、やっぱり全然思い出せません。まぁ、良いですよ。どうでもいい人でしょーし。
姉さんも気を付けてくださいよ。選挙の電話で長話させられる羽目になるなんて、時間の無駄ですからね。
「翡翠ちゃんに電話したばっかりに、日記でここまでボロカスに書かれることになった、公明党の勧誘員には少し可哀相だなぁとか思いますが……きっとこれ読んだ人誰も公明党には入れませんよ」
自業自得です。
<オマケで……翡翠ちゃんの初心者のための偏見に満ちた選挙のすすめ……>
10月28日
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2003年11月4日
「ついに! 全国一斉IQテストが実施される!」
燃えてますねぇ……ネロ教授。
「それは燃える。当然のように燃えるわ! 知性派の私がやらずして、どうすると言うのかね!」
……まぁ、良いですけど。
全国一斉IQテストというのは、世界各国で高視聴率を獲得したお化け番組で、それの日本上陸版です。
ABCの七時からやっていたので、私とネロ教授は受けることにしました。
そもそもIQというのは、「その人の実際年齢が精神年齢にくらべてどうか」、ということです。
つまり十五歳の人がいるとして、その人の精神年齢が二十歳だとIQは高く、逆に精神年齢が十歳だとIQが低いという結果が出ます。
ですが、最近は精神年齢というよりは、脳の活動レベルの基準として扱われていることも多いようです。
ちょっぴり興味があったので、やってみることにします。
ちなみに、全国一斉IQテストのサイトで、体験版がありますんで、テレビを見れなくて、なおかつ暇な人は一回やってみるのも良いでしょう。
もっとも、体験版の方は難易度が低いらしく、妙に簡単で、私でもIQ130以上が出たので、ちょっと嘘臭いのでありますが……
「さぁ、何をやっている! 翡翠! とっととやるのだ!」
待って下さいよ。頭を働かせるには、まずリラックスすることが大切です。お風呂に入ってきます。
「……いや、始まるぞ」
大丈夫ですよ。どうせながながと説明が入るに決まってるんですから、始まりそうになったら読んでください。
そうして私は、スーパーリラックスし、コーヒー牛乳を飲んで、脳に当分を行き渡らせ、テストに臨みました。
ジャンルは『言語』『記憶』『論理』『数』『知覚』の五種類ですね。
ちなみに、これでどのジャンルに秀でているかも分かるそうなので、それはそれで楽しいです。
それにしても、クイズ番組もそうですが、テレビで出す問題というのは、時間制限があるのが非常に難しいです。
分かる問題は二秒で分かるのですが、分からない問題は三十秒あっても一分あっても分からない。
まぁ、頭の回転速度というのだから、短期間に分からないと意味がないのでしょうが……
「それで結果はどうだったのだ?」
私の総合の正解率は71%で……えっと、IQは112ですね。
テレビでやってた全国平均が105くらいなので、中の上くらいですか。
人間のIQというのは、85〜115の中に75%が収まるそうなので、残念ながら私も凡人のようです。
そう言えば、東大生は平均IQが122くらいだったので、やっぱし頭が良いんですねぇ……。
私の場合かなり偏っていて、言語(言葉の並べ替えや語彙など)の正解率が90%で、知覚(図形を見る能力や、空間把握能力など)も正解率が90%と我ながら好成績でした。
知覚能力が高いのには驚きましたが、日本人や中国人は漢字に慣れ親しんでいるので、『形』の把握とかが上手いらしいです。
しかし、記憶の正解率が60%……。暗記はわりかし得意なのですが、映像記憶がかなり弱くボロボロでした……。
どうも、一度見た映像を頭に思い浮かべるのが苦手のようです……。私は……。
論理(理論的思考など)の正解率は70%。まぁ、平均ですねぇ。
そして、数(計算速度、数学的思考)の正解率がまさかの40%……。
我ながら自分の計算の遅さにビックリしました。とにかく足し算引き算が遅い。
……かつて理系大学生だったのが嘘のような結果です。
「もはや完璧に文系人だな」
そのようですねぇ。
私は昔から自分は理系人だと信じ込んでいたのですが、その神話が崩れ去ってしまったようです……。
まぁ、IQを調べるのも、たまには良いですね。適正能力が分かりますねぇ。
ところで、ネロ教授のIQはいくつだったんですか?
「私はIQ150だ」
ええぇ!? 教授、150もあったんですか!?
「何を驚いている。私は教授だぞ。当然IQだって高い」
待って下さいよ。IQ150ということは、正解率94%ですよ。ちょっと凄すぎますよ。
「む、何を云っている。私の正解率は翡翠と殆ど同じだぞ」
へ?
「忘れたか。IQは年齢別に計算するものだ」
……教授。いったいいくつで見たんですか?
「ん? まぁ、500年以上生きているから、70歳以上で計算したが」
……なに訳のわからないことをしているんですか。あんたは……
「ダメなのか?」
当たり前です。
「つまり、エルフ年齢98歳のロリッ子は、やっぱり幼女だから、倫理的に犯ってはいかんとかそう言うことか!」
そういう例えを持ってこられるのも、どうかと思いますが……
「では、明かな中学生を指して、このゲームには十八歳未満はおりませんとかそういう……」
いや、その辺りはもうどうでも良いんですけどね。私は……
「ちなみに、私は映像記憶が抜群に良かった。普段から目に幼女の姿を焼き付けようとしているからだな」
全然自慢になりませんよねぇ……そういうのって……
11月4日
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2003年11月11日
こんばんわ。翡翠の人生相談所の時間です。
さて、今週は大阪府O市にお住まいの「息子の母親」さんのご相談です。
このお母さん、息子さんのことで悩んでいるようなのです。
では、ご相談をお聞きいたしましょう。
その息子さんのどんなことをでお悩みなんですか?
「はい……、息子は二人兄妹の兄で、高校を出るまでは、成績もそれなりに良い方で、真面目で大人しい子だったんです」
大学受験に失敗したとか?
「いえ、危なげなく大学に入りました」
では、大学に入って何か問題が?
「あの子が変わり始めたのは、大学に行くのが決まった時ことです。あの子は、入学祝いにパソコンが欲しいと言い始めました」
「残念なことに、私も主人もパソコンのことには詳しくありませんでした」
「ですが今の時代、パソコンの一つも出来ないと、確かに時代に乗り遅れますし、それに本人がパソコンで勉強したいと強く言うもので、家族共有のパソコンを一つ買うことにしたんです」
「すると、あの子はカタログを持ってきて、シーピーユーがどうの、ハードディスクがどうの、オーエスがどうのと言ってくるんです。既製品を買うより、パーツで買って組み立てた方が安いとか、今はショップブランドだとか、それはもう私にはチンプンカンプンで、結局、あの子に全部任せることにしたんです」
ふむふむ。
「まぁ、それで買ってきたのは良いんですが、次はソフトっていうんですか? 勉強するためには、そういうものが必要だって言ってくるんです」
どんな、ソフトを欲しがったんですか? オラクルのコンパイラとか?
「いえ、もっと分かりやすいタイトルでした……えっと、あぁ、レシートがあります。これです。「家庭教師舞子」「放課後の女教師」「教えてあげちゃう」。全部八八〇〇円(税別)ですね」
……それを欲しいって言ったんですか?
「ええ、なんでもパソコン通信みたいなもので、パソコンの画面の中に先生が出てくるので、その人に放課後に、手とり足とり色んな事を教えて貰うらしいです。まぁ、それならってことで、私も買ってあげました」
あんたの息子さんなにげにツワモノですねぇ……
「ええ、教材が良かったらしく毎日夜遅くまで、パソコンの前から離れませんでした」
というよりは、あなたが寝静まってからやってませんでしたか?
「いえ、そうえもないですよ。私が水戸黄門を見ている後ろで、頑張って勉強してますから」
両親と同じ部屋でプレイですか。やっぱり、ツワモノですね……。
「で、大学に入って、そんな風に真面目に勉強していたのに、なんというんですか。どんどん内向的になって行くというか、人の目を見て話さなくなったんです」
「それに、なんて言うんですか? 語尾が何か時々おかしくなってたりするんです。「にょん」とか、「にゃん」とかなんとか」
ははぁ。
「盆と暮れになると、ふいに何処かに行くきますし……」
「部屋の中のチラシを捨てたら怒り狂いますし……」
「一体何が原因だか、さっぱり分からなくて、問いつめたんです。そしたら、こんな事を言ってきました」
「お母さん。僕は今まで、ずっと真面目に生きてきました。非行にも走りませんでしたし、煙草もお酒にも手を出していません。もちろん女性に溺れたりもしませんでした。ですが、僕は何か満たされないものがあったのです。それが大学に入って、僕は初めて友と呼べるものと出会ったのです。強敵と書いて友と読くらいの友です。僕はついに志を共にする仲間を見つけたのです! 今こそ開眼しました! 僕は今ようやく自分の真の道を見つけだし、本当の僕になれたのです!」
「とか言うんですよ〜」
「きっと、あの子は今、共産党とかの学生運動に巻き込まれているに違い有りません! 今はもうそんなのなくなったと思っていたのに! 私の息子が……あぁ、なんてことでしょう。あの子が共産主義者の非国民だったなんて……」
いやいや、お母さん。それは違うのでは……
「何言ってるんですか! 大学生が目の色を変えて、自分に目覚めたなんて言ったら、学生運動しかないでしょう! 私の時代はそうだったんですよ!」
今の大学は、そういうのなくてですねぇ。もっと凶悪に悪いものがはびこってると言うか、なんというか。
「きっと、あの「教えてあげちゃう」とかいう、ソフトがいけなかったんです! あれには社会主義の洗脳プログラムが載せられていて、清らかなあの子は、そっちの世界にどっぷりつかりこんでしまったんです!」
根本的な所は間違えてますが、当たらずとも遠からずのとこが、母親の凄いところでしょうか……
「もし、あの子がデモでも起こすような事をして、警官隊に殴り殺されでもしたら、私どうしたら良いか……もう夜も眠れません」
「と言うわけで翡翠さん! ウチの子を更正して欲しいんです! 真っ当な道に戻らせてください!」
え? いきなり更正とか言われても……
「こっちに来なさい。さぁ、ちゃんと話して貰うんですよ。私は、隣の部屋にいますから。それじゃ、翡翠さん。よろしくおねがいします」
はぁ……
「どうも、すみません。なんかこの人勘違いしちゃって」
なんかあなたも色々大変みたいですねぇ。
「そうなんですよ」
しかし、あなたも凄いですねぇ。親の金でエロゲー買ってる人は始めてみましたよ。
「悪いと思いつつも、お金なかったですから」
でも、親のいる部屋でエロゲーするのは危険ではないのですか?
「あぁ、大丈夫ですよ。やってない人には、パソコンてインテリジェンスな雰囲気があるじゃないですか。なんかこう凄いとか真面目っぽいんですよ。まさか両親のすぐ後ろで、はぁはぁ言いながら、ロリッコ美少女の乳首を弄くってるなんざ、夢にも思わないですよ。はははは」
確かに夢にも思わないですけどね……。
そんな夢を見たら自分の人格うたがいますよ
「ですよねぇ。ははははは」
「ちょっと! あんたたちなに和んでるのよ!」
バン(←扉の開く音)
……おや? なんですか突然乱入してきた、この人は?
「あぁ、僕の妹です。すみません。口うるさいんです。こいつ」
「うるさいわね! 私はマウス片手に、オ○ニーするようなヤツは全員人間のクズって決めてるのよ! クズにこいつなんて呼ばれる筋合いはないわ!」
ふむぅ、確かに一面的には真実ですねぇ。いや、まぁ、全面的に真実とう見方もありますか。
「今日はね。お兄ちゃんに言いたいことがあって来たの!」
「な、なんだよ!」
「前々からずっと言いたかったのよ」
「お兄ちゃんが、変態エロゲーオタクなのは、十分知ってるけど」
「でも、だからって!」
「居間の本棚に18禁ゲームのパッケージ並べるの止めてよ! 恥ずかしいんだからね!」
「馬鹿野郎!」
「あれは親父のだよ!」
……え?Σ(゜▽゜;)
「……(゜Д゜)」
「……あ」
と、言うわけで、今週の翡翠の人生相談所はいかがでしたでしょうか?
どんな悩みも一撃粉砕。家族関係もろとも木っ端微塵にぶっつぶします。
なにかご相談が、もれなくお便りください。
それではまた来週お会いしましょう。
しーゆー、ねくすとうぃーく!
11月11日
了
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