


このレポートは翡翠が中学時代に体験し行動したことを私が聞き、個人的見識をもって、書き記したものであります。 つまるところ翡翠というのは、世にも珍しい奇人である、というのが私の見解です。 世の中には偉人と呼ばれる素晴らしい人が、多く存在します。例えばエジソンしかり、ライト兄弟しかり、青色発光ダイオードの中村修二教授しかり。彼らの何が凄いかと言うと、物理的不可能、あるいは困難と言われていた事を、もちまえのアグレシブな行動力と才能によって、実現したことです。 中学時代の翡翠は、何かを成し遂げたくてたまらない、よくいる夢見がちな少女でした。しかしどんな夢を見ようと、どんな願いを持とうと、所詮はただの中坊です。出来ることに限界はあり、それを超えることは容易ではありませんでした。 物理的不可能を可能にすれば、ノーベル賞が取れますが、非力で矮小な自分には物理の壁は突破できません。 ならば―― 「私は精神的不可能を可能にする人間になりましょう」 などという事を翡翠は考えたのです。 精神的不可能というのは、行為だけならば簡単に出来るけれど、どうしても心のブレーキにより、できないことです。まっさきに翡翠が思いついたのが「殺人」です。当時の彼女は、どこぞの志貴くんに匹敵するくらい血に飢えていたり、殺人衝動に駆られておりました。ここから鬱屈とした少女のドロドロした話しに突入するかと思いきや、やはりそれはそれ、翡翠なのですからそう簡単にそんなことにはなりません。殺人も悪くなかったのですが、ギャグとしてイマイチ三流かとも思いましたし、なにより物理的な影響が大きすぎます。 精神的不可能を可能にするということは、物理的には影響を与えてはならない――これが最低限のルールでした。 というわけで、翡翠は「殺人」を諦め、「素っ裸になって公衆便所で用を足そう」と考えたのです。 「殺人」と「全裸排泄」を同列に捕らえるなとか言われそうですが、翡翠の頭の中では、似たようなものでした。 そもそも考えていただきたい。 あなたは果たして、公衆便所で全裸になって用を足すことができるのか? もちろん密室ですし、そこで何をしても誰にも分かりませんから、出来ると言う人は何人かいるかもしれません。しかし出来ると言う人はいても、実際にやる人はほぼ絶無だと断言していえます。 例えば罰ゲームだったら、服を脱ぐ人はいるでしょう。そうでなくともなんらかのしなければならない必要性にかられれば、その位出来る人はいます。 しかし。 何の理由も目的もなく、無意味で無価値に一切の前触れなく、公衆便所に入った瞬間、ふと思いついたように、 「よし、今日は試しに全裸で糞するか」 なんて考えて実行に移すキテレツな人間は、「よし、あの子殺してみよう」って言うのと思って実行するのと、同じくらいの割合でいないでしょう。 それが精神的不可能に挑戦するということです。 誰に自慢するわけでもなく、奇行するために奇行する変わり種、それが翡翠という少女でした。 それからの翡翠は、色々と精神的不可能に挑戦することになります。 例えば「ノーパンで学校に行く」などという行動が上げられます。 漫画なんかでは良くありますが、現実問題として、本当にノーパンで過ごすなんて普通はありえません。もちろん理由があってはなりません。理由がないから奇行は価値を持つのです。 ちなみに、その当時の翡翠はスカート通学ですので、当然ブルマははいています。悪ガキ男子にスカートを捲られたところで、何の問題もありません。外見的には全く変わっていませんので、ご安心下さい。 分かりますでしょうか。 これはもはや犯罪的です。法律を犯している訳ではありませんので、犯罪ではありませんが、誰が見ても聞いても間違いなく犯罪的。しかもそれが一切露見せず、完全犯罪のように闇から闇に葬られるとこから、彼女は「完全犯罪的少女」と自称しておりました。 ところがそんな彼女も成長してくると、世界が見えてきます。そして色々と運命的な出会いをするのです。 「俺は大便は全裸でなくばできん」という変人や、「私はパンツははかない主義なの」という変態や、「ワシ乳の肉が多いからブラつけとるぞ」という変質者や、「うーん」とか唸りながら、道ばたで素っ裸でになり、大便に及んでいる変種など、本来なら精神的不可能なはずのことをナチュラルに、生活の一部として行っている人達に出会ってしまったのです。 その時の翡翠の衝撃たるや、想像を絶する物でありました。 彼らは桁外れに本物でした。正真正銘の奇人だったのです。万引き犯がルパン三世に出会うような、あるいはオヤジ狩り少年が切り裂きジャックと接触したときのような、圧倒的な力の差を見せつけられた気分だったと翡翠は言います。 その中で彼女は、自分の奇行の正体に気づいてしまうのです。 何故中学時代の翡翠は、「トイレで全裸」「学校にノーパン」などという事をしたのか。 それに明確な回答を得てしまったのです。 それは実にシンプルでした。 要するに。 翡翠は、非行に走る少年たちと同じように、反社会的な事をして、格好いいつもりで喜んでいた―― だけのガキだったです。 個性的でであることを喜んでいただけの馬鹿だったのです。 当時の事を振り返って、翡翠はこう語ります。 「私も若かったですからねぇ。反抗期ってヤツですよ。あるいは天の邪鬼ですか。こうしろって言われたら、違うことがしたくなんですよ。理由なんかありませんし、意味もありません。ノーベル賞に匹敵する高尚さを誇っていたはずの精神的不可能実験が、ただのガキの反抗心の表れだったって知った時はマジでショックでしたけどね」 などと平気な顔で語っていますが、今では相当恥ずかしいようです。 思春期。 嬉し恥ずかし思春期。 だからってこんな奇行に走る中学生を、奇人と呼ばずしてどんなヤツを奇人と呼べというのか。そんなんでお茶を濁して、言い訳しようなんざ思わないで欲しいですな、とか思ったり思わなかったりします。 |


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| 捜査記録がネット流出 京都府警巡査のPCから 京都府警は29日、ひったくり事件の被害者ら11人分の個人情報を含む捜査関係記録がインターネットに流出したと発表した。 警察庁は「警察の捜査記録がネットに流出するのは全国で初めてではないか」としている。 府警によると、流出したのは交番に勤務する下鴨署地域課の巡査が、個人用パソコンに保存していた指名手配書や捜査報告書、鑑定嘱託書など計19枚の記録。いずれも2002年ごろ作成、事件の被害者ら20人の氏名や住所などが含まれていた。9人は実在せず、巡査が書類作成の練習用に打ち込んだという。 巡査は「Winny」などファイル共有ソフトを使ったことがあるとみられ、パソコンを自宅でインターネット接続した際ウイルスに感染、ハードディスクにあった記録が流出した可能性があるという。 巡査は意図的に流出させたことは否定。府警は巡査から事情を聴き、流出経緯などを詳しく調べている。(共同通信) |