翡翠の日記帳16ページ目



2004年2月16日





今回は聖戦戦争における大義と、正義の味方の戦争反対主義者どもに対する、翡翠のアンリマユ的発言


とかまぁ、そんなノリのお話。



結局何の話だか、さっぱり分からないですが、要するに数ヶ月に一度の社会派のお話です。読みたくない人は適当に読み流してください。



別にフェイトのネタバレはあんましないので、心配なさらずに。





では、今回のお話スタート。





「おおおおおおおおお! 翡翠ぃぃぃぃ!」




相変わらずうっさいですねぇ……。まったくどうかしたんですか? 志貴様?




「今決めたよ! ワタシ正義の味方になるね!」





……はぁ……(やれやれ)





「むぅ、なんね。そのいかにもやってられませんみたいな顔は?」








きっぱりと、やってられません。







「何がよ! ワタシが正義の味方を目指して何が悪いか!」





別に良いですよ。志貴様が正義の味方だろうが、悪の権化だろうが。



でも、またなんで正義の味方なんですか?





「これからの主人公属性は正義の味方だと相場が決まっているね!」




またどっかのゲームの影響を受けたんですか……? この前は、萌えタンなしに勉強など出来ぬぅわぁ! とか言っていたのに。




「とういわけで、正義の味方なワタシは早速、反戦運動と抗議デモに行ってくるアル」




あのですねぇ。……志貴様。そういうエセ正義の味方な真似は止めてください。




「む、何があるか! ワタシは戦争が嫌いよ! 戦争なんかない方が良いと思うね! テロなんかなくなれば良いと思うよー。ワタシ間違ってるあるか!?」




「はっ! そう言えば、翡翠は戦争容認派だったあるね!」







「ぬー。この軍国主義の極右翼め! 翡翠のような人間がいるから、戦争がなくならないんある! 反省しまくるが良いネ!」






……そういう偏見に充ちた目で私を見ないでください。見られた所が片っ端から腐りそうです。




大体、私は聖杯戦争だろうが聖戦だろうが、戦争は良くないと思っていますよ。人は死なない方が良いんです。当たり前の事ですけどね。




ただ、声を大にして私は戦争に反対しますとは言わないだけです。





「むぅ、そんなの一緒よ! 黙認は肯定と同じね!」






分かってますよ。だから私は胸を張って、戦争容認派だって行ってるじゃないですか。




例えばですね。戦争に命の問題が絡まなかったとしましょう。



そうすれば、戦争って結構良いこと多いんですよ。




考えても見てください。戦争をすれば、戦勝国はお金儲けが出来るんです。



戦争で勝った国というのは、大抵好景気になるという法則があります。




特にアメリカなんかは、特に戦争は兵器市みたいな所がありますから、そうとう武器が売れたことでしょう。




イラク戦争の場合は石油利権も手に入りますし、中東に新しい市場が出来ます。




実際日産かどっかは、すでにイラクに自動車輸出しているみたいですしね。






「何言ってるあるか! お金あるか! お金の問題じゃないアル!」





何言ってるんですか。お金の問題です。




どうも志貴様は『お金』と聞くと、不当に利益を上げていると思っているみたいですね。




そんなことをしてまでお金を稼ぎたくないと。




「当たり前ある!」



いいですか。資本主義経済の最大の弱点は、右肩上がりに成長し続けないと潰れてしまうところにあります。



そして、市場や資源に限りがある以上、将来確実に潰れてしまう危ういものなんです。




実際、今だって日本の経済成長率は横這いであって、マイナスではないんですよ。それなのにこの不況です。




常にプラスになり続けていないと、死ぬんです。それが日本という国です。




中東の利権は、金の成る木です。私なら見逃しませんね。





綺麗なことばかりやっていて、お金持ちなんかになれるわけがないんですよ。日本人がお金持ちでありたいと思うなら、汚れる覚悟くらいはしてください。




「むー、なんかそれは違うあるよ。それは他人のお金をかすめとってでも幸せになろうって論理ある。盗人論理をぶちかまされても困るアル」




ええ、だから、そうまでして生活が良くならなくても良いという人は、いくらでも反対すれば良いんです。




失業率が上がり自殺者が増えても、清く正しい人は気にしないのでしょう。



年金の受給額が減ろうが、自分たちの生活が困ろうが、手を汚すのが嫌な人だってそりゃーいるでしょう。





ただね、私が気に入らないのは、自分たちの生活が既にそういう汚い事の上になりたっているにも関わらず、その便利な生活を捨てる気もないくせに、善人面して戦争反対とか言うことです。




分かりますか? 戦争反対を訴えるならば、自分たちの生活が壊れても良いという覚悟が必要なんです。





安全地帯にいる人間が、好き勝手にわめき散らすのは、我慢できないだけです。





それに比べれば、核心的な悪人の方がリスクを明確な分、よほど筋を通していると思います。




「大丈夫ある! 世の中の戦争反対派の人は、みんないつでも自分の生活を投げ出す覚悟ね!」







へぇ、そうなんですか。ふぅん。まぁ、そうだったら良いですけど。






でも、だからと言って、他の人間にそれを強要するような事は、しないでもらいたいもんですけどね。




アフリカでは平均年齢三十代とかいう地域がありますが、そんなことは知ろうともしないのが、日本人ですから。





「むぅ、悪意こめまくりね」




違いますよ。私は平均的な日本人の意見を代弁しているだけです。






私は基本的に日本の総理大臣が決めたことに対して、文句を言う気はありません。決めた人には決めたなりの事情があるんでしょうしね。無言で野党に投票するだけです。





「むぅ、事なかれ主義はよろしくないね!」






じゃー、そうですねぇ。正義の味方を目指すなら是非とも聞きたいことがあります。




「何か?」




北の方に、貧しい国があります。その国の王様は軍国主義者で、圧政に苦しむ民がいたとしましょう。



今は何千万人という人が、弾圧や飢えのために、死にしていきます。



あなたもまたある国の王様で、手にはその国民を圧政から救えるだけの軍備があります。





さて、正義の味方の志貴様はどうします?




「もちろん、国民を救うね! そんな悪い王様は叩きつぶすね!」




戦争反対派なんでしょう? 志貴様?




「む、そうだったある。じゃ、外交努力で解決するよ」




でも、相手は全然応じなかったりしますよ。その間に、どんどん民は飢え死にしてしまいます。良いんですか? 人道派の志貴様?




「では、経済制裁ね!」





念のために言っておきますが、経済制裁って要するに兵糧責めのことですよ。




つまり志貴様的には、人を直接殺せばダメで、間接的に飢え死にさせるのはOKなわけですか?





それってやられている方にしたら、戦争するよりもエグイですよ。きっと。





「むかーーーーっ! そんなもんどうしようもないある! ワタシにどーしろって言うあるか!」




さぁ、どうするんでしょうね? 是非とも正義の味方さんに聞きたいですね。ホントに。




「ちなみに、悪の権化の翡翠ならどうするか?」





危険がない限り、放っておくに決まってるじゃないですか。





よその国民が何万何億飢えて死のうが知った事じゃありません。その国の問題は、その国で解決するべきことなんです。






解決するべき能力がないなら、零になるまで死ねば良いんです。





下手に正義を振りかざして戦争なんかしかけたら、悪者あつかいされます。それにくらべたら、良心が痛まないように慰み程度の援助をして、本質的には何もせず、飢えて死んでいくのを見守った方が全然良いんですよ。




本当にどうしようもなくなったら、クーデターでも何でも好きにやってくれるでしょう。





そうなった方が明らかに戦争よりも悲惨なんですが、こっちにとばっちりがなければ、それでいいです。





殺しは恨まれますけど、見殺しは恨まれませんからね。





「……翡翠ってなんか言峰みたいなヤツね……」






ああ、そうですね。実に彼には共感を覚ます。






そう言えば、この前知り合った、シローとか言う人は、全財産をなげうって、海外の復興支援に行っているらしいです。






「何!? そこまでしたあるか!」





当然です。正義の味方があんな大きな屋敷なんかに住んじゃいけません。あれが一番間違ってるんですよ。きっと。





「それじゃー、レンジャーの皆さんが凄い基地にすんでいるのもダメなんあるか?」





無論です。金を持っている時点で悪人なのです。





きっと、世界で一番激貧民で、何の力もないウジ虫みたいなヤツだけが、正義の味方を名乗れるんでしょうね……。





正義の味方には私はなれそうにないなぁ……。などと想いながら……


2月16日






TOPに戻る





2004年2月24日









ピ――――――――ッ
















「……死亡時刻11時23分です」








ちょ、ちょっと待って下さい! 先生! お願いです! こいつを助けてください!





「手を尽くしましたが……残念ですが、お亡くなりになられました」






そんな、だって、昨日まではあんなに元気だったのに! こんなの何かの間違いです!








若い方の突然死は珍しい事じゃないんですよ」








酷い、酷すぎる、こんなのはあんまりだぁぁー!







……








ポクポクポクポク(木魚の音)ポクポクポクポク












ポクポクポクポク(木魚の音)ポクポクポクポク















チーン


MAXTOR 5A250J0 (250G U133 5400)
……享年四ヶ月。











実に短い一生であった。











◇ ◆ ◇ ◆ ◇

翡翠の日記帳・なちゅらるはい新章

◇ ◆ ◇ ◆ ◇







……うぅ、ここは?




「目が覚めたようですね。Maxtor250Gさん」





あ、あなたは琥珀さん? ここは一体どこなんですか? あの大きな門は一体!?







「いいえ、私は琥珀ではありません。私はこの怨みの門の番人です!」






え? いや、どう見ても、明らかに琥珀さんでしょう。






「違うったら違うんです! 話が前に進まなくなるんで納得してくださいっ!」







は、はぁ……わ、分かりました。で、ここは?





「ここは怨みの門です。あなたは自分が死んでしまったことを理解していますか?」




私が死んだ? ど、どうして?




「原因は分かりませんが、不良セクタが原因ではないかと思われています。翡翠ちゃんが必死で調べましたが、原因は良く分かりませんでした」




そ、そうですか……もう死んでしまったのですか。いえ、覚悟はしていたことです。ここ最近、私の一族(Maxtor)の死亡報告を良く聞いていますから。






「いいですか。良く聞いてください。これからあなたには三つの道が用意されています」






三つの道?





「一つ目は、今までの記憶を全て忘れ(フォーマットされ)、新しく生まれ変わるための準備に入る」




「二つ目は、このままの状態で、永遠にこの世界に留まる(要するに再利用を諦めて、放置されただのオブジェと化す)」




「三つ目は、誰か一人を呪い殺して(OSを道づれにして)地獄に堕ちる(キレたユーザーにフリスビーとして遊ばれたりする)」





「よく考えて、選んで決めて下さい」




決めろと言われても……そんな突然……




「今すぐ決めれなくとも、12日後には決めてもらいます。さぁ、今からあなたを下界に送ります。それで決めてください」






あの、いやーー、ちょっと待ってぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇ





◇ ◆ ◇ ◆ ◇


はぁ、そんなわけで、下界に降りてきたわけですが、私はパソコンの中に固定されていたりするので、結局何も外を見ることができなかったりします。




こんな状態で、私にどうしろと?




どうせならちゃんと、見えるようにしてくれればいいのに……。まったく困ったものです。






『おや、あんたも死んじゃった口かい?』




あっ。あなたは……XPインストール時に不良が発見されたビデオカードさんじゃないですか。





あなたもあの三つの選択肢のどれかを選んだんですか?




『いや、俺には選択権もなかった。不良が見つかった瞬間取り外されたから、OSを道連れにするどころじゃなかったし、ショップブランドで買ったものだから、結局どこの製品だかわからなかったから、修理をする気にもなれなかったらしいし』





『結局、こうやって原型留めたまま、オブジェになってるのさ』





そうですか……。では、私はどうしたら良いんでしょう?




『そりゃお前、せっかくHDに生まれたんだから、他のHDを道連れにしねーといかんよ』





でも、そんなことをしたら、ご主人様が嘆き悲しみますよ。





『良いんだよ。お前、今まで自分がされてきたことを忘れたのか?』




……私がされたこと?




『まったく、HD内のデーターだけじゃなくて、そんなことも忘れたのか? ほら、思い出せてやるよ』






バチバチィィ!






きゃぁぁぁぁぁ〜〜〜〜〜






電気ショックは危険ですよぉぉぉぉ〜〜〜〜〜





『まだまだ!』






バチバチィィ!






プスプスプス〜〜〜〜(ほどよく白っぽい煙)






『どうだい? 思い出したか?』





え、……あぁ、そうです。思い出してきました。





私がご主人様に買ってこられたのは、今から四ヶ月前のことです。HD2万円くらいで買おうというして、結局安いMaxtorの私が選ばれたんでした……。





で、家に帰ってパソコンの中を開けてみたら、さぁ、大変。










なんと3.5インチベイが全部埋まっていたのでした……








『そうだよ。それで、おまえ……どんな接続された?』






た、確か……どこにも金具を止められずに、宙づりにされてました……




『おう、あれはもう俺が見ててもヒヤヒヤものだったぜ。あんな状態でショックが加わったら、一撃で死んじまう』





『南京大虐殺を思わせる極悪非道ぶりだったもんなぁ』





で、でもご主人様はさすがにそれはマズイと思ったのか、すぐに私を取り付けてくれましたよ。





『どこに?』




え、あの……それは……五インチベイに……ネジ一本で無理矢理つけれました……




『だろぉ、配線の都合でいつも十五度くらい下に傾いてるし、あの時、俺はご主人が何の限界に挑戦してるのか知りたかったくらいだ。それに、それだけじゃないだろ?』





はい……





ご主人様のパソコンは熱が隠りやすいらしく、ときどきファンが異常回転することがあるんですが……。




その時、ご主人さまはパソコンを……




バンバン叩くんです。


私がディスクに書き込みしていようがなにしていようがおかまいなしで。






本人は叩けばファンが喧しいの治るんだ! とか豪語してましたが、ネジ一本で支えられている私には、もうヒヤヒヤものです。





『まだまだあるよなぁ?』





……はい……




ご主人様はいつも寝る前になると、パソコンを立ち上げて、何だか良く分からないアングラっぽいツールを立ち上げて、一晩中放置するんです。




その間私はずーーーっと、%0a9cff8d23a673b1c2634578cとかゆー名前のキャッシュを大量に書き込み続けなければなりません。




朝起きて、パソコンを確認したら、電源を切らずに、そのまま家を出ていきます。







私はコンビニみたいに二十四時間ずーーーーと、謎のキャッシュをため込み続けるんです……







『労働基準法違反も良いところだよ』






でも、それだけじゃないんです。





ご主人様は……HDにとって一番やってはいけないことを、平気でするんです……





『ってーと、アレか?』






私はいっつもアレをするのは止めてって言うんです……。






だけどご主人様は、平気な顔でアレをするんです。






寿命が縮まるから……止めてって、お願いしてるのに……何度も何度も何度も何度も……








デフラグするんです。





データーが断片化するのは、私のせいじゃなくて、あんな謎のキャッシュを40Gも50Gもため込むご主人様が悪いのに……。私は全然悪くないのに……なのに、気が向いたらデフラグばっかりしてるんです……






『おう、どうだ。これでも怨みがないって言えるか? もう、ここまでされたら、最後にOS道連れにするくらいしてもバチが当たらないだろう?』





……そう、そうですね……




でも……。





ガチャ……
(蓋が開けられた音)






あ……、ご主人様!





ガチャガチャ
(ねじ回しを回してパソコンの中を弄くっている音)




あぁ、ご、ご主人様が私のために、五インチベイ用のマウンターを買ってきてくださった!





凄い平行だ! 今、私は生まれて初めて平行で動いてる!





『お、おい、騙されるんじゃねぇ。今までされた仕打ちを忘れたのか!』





で、でも……



みてください。あのご主人様の姿を……






『……何やってるんだ? 翡翠の野郎。はっ! まさかXPで読めないからMS−DOSでデーター吸い出すつもりか?』






ご主人様は今、私をなんとか復旧させるために、DOSの知識を引っ張り出して、色々やってくさってます。




DOSでATOKを入れる方法なんて、あまりに昔で全然覚えてないから、仕方なく日本語のフォルダーに入るときはわざわざバッチファイルを作ってまで……




そうですよね……もう、IO−SYSとか、FDとか誰も知らない時代ですもんね……。




Config.sysを弄ったのも何年ぶりか分かりませんし
……。





『馬鹿野郎! 騙されるんじゃねぇ! 翡翠が欲しいのは、お前じゃなくて、お前の中にあるデーターだ!』






いいえ、そんなことはありません。ご主人様にとって、私を買った二万円はそうとう冒険だったはずです。私はまだご主人様に必要とされているんです!




私は決めました。一度全てを忘れ(フォーマットして)もう一度、ご主人様とやりなおします。今度こそ、私はきっちり生き抜いて見せます!





『Maxtor……なんであんなヤツのために、そこまでするんだ……? お前は馬鹿だ。……大馬鹿野郎だ』




私たちHDはビデオカードやメモリーと違って完全な消耗品です。




だけど、それならそれで一分でも長く使って貰いたいと思う者です。





花の命は短いからこそ、綺麗に咲くものですよ。





『……』





それじゃお元気で。色々ありがとうございました。さよなら……





『……け、馬鹿野郎が』





……





かくして、Maxtorは再びフォーマットされ、新しい人生を送ることになった。




んで。どうなったかと言うと……















結局フォーマットしてもうごかんやんけぇぇぇ! もう二度とマックスターのHDなんぞかわんぞぉぉぉぉぉ! 死ねぇこらぁぁぁぁ!





















ぴゅ――――――――――――――キラーン☆





と、翡翠の八つ当たりで、窓の外から放り投げられ、お星様になったとか……。






今度HDを買うときは、Western Digitalを買おう……と、心に誓った翡翠だった……。






◇ ◆ ◇ ◆ ◇






「あれ、Maxtor250Gさん。また来たんですか? あなたには三つの道が……」






とりあえず、OS破壊ルートで!






「はぁ、いいですけど」




2月24日






TOPに戻る





2004年3月4日






昨日のことです。



私がコンビニにコピーを取りに出かけ帰ろうとしたとき、中高生くらいの男子が二人、喧嘩しているのを見かけました。



ここまでなら良くあることなのですが、どういうことかその二人、ズボンをはいておらず、パンツ丸出しで喧嘩をしていました。



片方はブリーフ、片方はトランクス。



やれやれ。ボンタン狩りにでもあったあと、被害者二人が喧嘩でもしてんですかねぇ。



この辺りも物騒になったものです。



日本の安全神話ももう滅びてしまったのだなぁと、しみじみ思ったところであります。






「と、いうわけで私はもう、こんな危険な所にはおれんのだ!」






……ネロ教授。出てくるなり訳のわからんこと言わないでください。





大体安全な所ってどこに行くんです? ノルウェーとかですか?





「馬鹿者。そんなところに真の安全はない。私は真の安全神話が樹立している所に行こうと思うのだよ!」






真の安全……? そんなところ、ありましたっけ?






「無論だ。それはすなわち――」







すなわち?









仮想現実である!」







……





「む、なんだ。その窓枠に溜まった虫の死骸を見るような目は!?」





……いえね。そろそろ私もネロ教授のノリにも慣れようと思ってるんですよ。でもたまぁに、死ぬほどアホじゃねぇかこのボケは? とか思うときがあるんですよ。





だいいちなんで仮想現実なんですか? 今更ニューロマンサーでもマトリックスでもないでしょうに。





「ふ、オタクなる生き物は、そもそも己の脳内仮想現実に生きているものよ。ならば常にそういう話は旬と言えよう」




「そしてこれが私が開発した仮想現実に飛び立てる謎の薬。LSD通称エル!






「と、言うわけで翡翠も来るのだー! ぶちゅっと注射ー!」





え!? 待って下さい! なんなんです!? この展開はぁーーーーーーーーー!



◇ ◆ ◇ ◆ ◇




「で、ここが仮想現実である」




むぅ、ここまで強引な展開は、久しぶりですね……。もう突っ込むのも面倒になってきましたよ。私。




ですが、仮想現実と言う割には、別に全然変わってませんが……(キョロキョロ)……人もちゃんといるようですしね。




「ここは仮想現実を夢見るものたちのコミュニティだ」





「色んなやつがいるぞ。例えば、ほらアレを見ろ」





なんですか? あれ?





「生死を分かつギリギリを味わいたい暴走族、親への反感の表現にシンナーへと走った少年。そして反社会的な歌を道ばたで歌う男。みな現実世界ではできなかった事をやっている者たちだ」







どいつもこいつも、やるんなら現実世界でやれとか思うのですが……







「馬鹿者! そんな危ないことしてどうする! 今の若者は冒険よりも安全を求めているのだよ」




いや、でも若い時のアレは一種の自己表現ですし……





「ふん。関係あるものか。結局どいつもこいつも、表現がしたいと言いつつ、表現している気になっている愚か者ばかりだしな」





うーん。まぁ、一理はありますけどね。





「では、こっちに来るのだ。面白いものを見せてやろう」




面白いものって、ただの電気街じゃないですか。こんな所に何があるって言うんです?





「そこのソフマップで売っているエロゲーの棚を見て見ろ」





はぁ……、あ、これってソフリンのシールが張ってませんよ?









「ふふふ、気づいたようだな。仮想現実にソフリンなどという悪しき組織は存在せん!」







「モザイクはなく、どんな卑語もOK。実妹も、実母も、獣姦も、死姦も思いのままよ。これこそ我が望んだ夢の理想郷ではないか! ははははは!」

























……ちなみに






今これ読んでいる人で、『それは良いな』と、一瞬でも考えた人がいたら、ちょっと問題有りです。






仮想現実に入ってまで、まだ仮想に入ろうとするなんて、夢の中で夢みるくらい馬鹿な行為ですからね。






でも、仮想現実というものが本当にあっても、オタク共は、仮想の女の子よりゲームに走ってるんじゃないかという気がしてなりませんね……





「翡翠。そんなこともないぞ。ちゃんと仮想の女の子にはまっている者もおる。こっちに来たまえ」





はぁ……








「ここだ!」








へぇ、なんか妙に女の子が多い街ですね。





「なんでも人口分布はギャルゲーに等しいらしい」




「ちなみに男ももいるが、どんなにハンサムでどんなにモテても、最終的に独り身という愛おしい男たちばかりだ」





「お、あそこにいるのが、この辺りの仮想現実の支配者だ」






あの女の子にちやほやされて、だらしなく笑っているヤツのことですか?




「設定では、元女子校だったが今年から男子も受けれられるようになり、入学したら男子が自分一人でしたということになっておる。男なら一度は憧れるシュチエーションだな」








はん。どうせ、現実にそんなことになったら、周りが女の子ばかりで自分の居場所も見つけられず、教室の隅っこの方でポツンと無言で座って、女子の会話の中に「キモイ」という単語が出てくるたびに、自分のことを言われているのでは? と変な被害妄想くんですよ。きっと。





「むぅ、そこまでズバリと言い当てるのは良くないと思うぞ」





まったく男がモテるためには、女の子に気をつかわねばなりませんし、マメでなくてはなりませんし、身だしなみにも言動にも色々注意するところがいっぱいあるというのに……。




そういう努力を欠片もしてないヤツが、女の子に好かれようなんて思う方がどーかしてるんですよ。




二股なんて全生命エネルギーを使い果たすくらい疲れ果てるんですよ。まったく、あんな馬鹿馬鹿しいくらい大変なことしたがる人の気が知れません。






「ドリームだからな。夢見るのは人の自由よ」






……まぁ。そうですけどね。





「さて、ではそろそろ私が作った仮想現実にいこうか」




もうお腹いっぱいというか、想像できるんでいいです。行きたくありません。





「まぁまぁ、そういうでない。ほら、そこの境界線からが私のテリトリーだ」





こ、これは!? なんで私の体が縮んでいるんですか!?








「無論、十歳以下はお断りだからに決まっておる」





「ここではみんなちっこいぞー。看護婦さんも、婦警さんも、スッチーさんも、メイドも、巫女も、校長先生も、保健室の先生も、バニーさんも、セーラームーンもちっこいのだ」





「つまりここではハーマイオニーもずっと成長しないのだ。こんな素晴らしいことはあるまい」





はぁ、予想通り馬鹿馬鹿しいことこの上ないです。






「……ところで翡翠」





なんです? って、なにか目つきが変ですよ。教授。






「いや、ちっこい翡翠もなかなか良いと思ってな。どうだ。私と結婚せんか?」





するか!






そんなわけで、仮想現実とやらを色々見て回りましたが、確かに危険のない良い世界なのかもしれません。



ある意味最強の安全神話が成立しているのは確かです。



そういえば、最近ふとエロゲーをやっていると、昔は結構出ていたはずの「安全日」という観念がごっそり抜け落ちていることに気づきました。



昔は、みんな「今日は大丈夫?」とか聞いたりしたんですが、最近はまったく全然容赦なしです。



エロゲー仮想現実はついに危険日の危険を克服してしまったのか。




まったく何がどうなって、安全日神話が崩壊したんでしょうねぇ……





「ん、そうか? 私なんぞは情事の後は必ず聞くぞ」




そうなんですか?




「そしたら、『大丈夫。まだショチョー来てないし』とか言ってくれるのだ。あー。こころ休まる一時よ」






あんたそれ犯罪です。







今回の日記に、十八歳未満のキャラクターは存在していません。




3月4日






TOPに戻る





2004年3月15日





何クソ甘ったれたことを考えていえるんですか?


そんなの企業秘密に決まってるじゃないですか。


楽して利を選ろうなんて、考えがぬるすぎるにもほどがあります。


大体こういうことは自分で苦心して考えて、自分に合ったものを見つけて行くもなのです。


分かったら、とっととケツまくってお帰り下さい。







――というのが、
「翡翠さんはいつもどうやって、日記のネタを考えているんですか? 参考までに教えてください」とかゆー質問に対する答えだったりします。




いやはや最近どうも、この手のメールが変に増えてきたので、ここらでバシっとぶったギルために、書いておくことにします。


「かー、けちくさい事してるあるねー。どーせ、大したことしてないんアルから、教えてあげれば良いネ」





何言ってるんですか。志貴様。



大体、こんなの説明したところで、私には何の特にもなりませんし、相手が本当にその方法を実践したのかも分からないんですよ。



役に立つかどうかも非常に妖しいですしね。



だったら、そんなもん説明するだけ時間の無駄じゃないですか。




「むー、でもまぁ、ワタシもどうやって絵を描くんですか? とか聞かれても、さっぱり教えようがないあるよ。方法論でやってるわけじゃないあるからねー」




そうなんですか? 私は完全に方法論と定理を確立させていますが。





というか、方法論にまで昇華してない技術は、実戦では対して役にたたないっていうのが私の持論です。






「むきぃー。それはワタシが役立たずだと言うことあるか!?」





誰もんなこと言ってません。絵のことは専門じゃないんで、どうだか知りませんよ。まったく被害者妄想が激しいですね。




「まぁいいね。んで、今日は何の話ね?」





ええ、今回は仕方がないので、どうやって書いてるかくらい、教えてあげても良いかなと思いまして。日記の書き方のお話です。





「なにあるか! だったら、最初からそうするあるよ、まったく。今までメール貰っていた人は、良いツラの皮ね」





しかし、私程度のやり方を真似するなんて、その時点で大きな間違いがあります。もっと偉い人のを真似しろよ! と忠告だけはしておきましょう。




要するに役に立たないけど、まぁ見てみたい人だけ見てみてください。




「つか、役に立たないなら無駄知識ね」




もともとこの日記は無駄文の塊なんですから、今更気にする人なんていませんよ。




◇ ◆ ◇ ◆ ◇




さて、物を考える上で一番大切なのは『ネタ』です。




「まんまね」




まんまですが重要なことです。




ちなみに私はネタ大きく分けて三つに分類されると思っています。





@面白い切り口 A発展しそうな出来事 Bオチ






まぁ、このどれかが見つかればお話が書けます。




簡単に言うと、





『最強の格闘技は野球だ。何故なら九人のチームプレイだし、金属バットで攻撃できるからだ。絶対ボクサーより強いぞ』というのが@にあたり、



『心斎橋で壁をバーナーで燃やしてる人を見つけた』とか『家にトラックが突っ込んで来た』とか『HDが壊れた』とか、日常的によくある、ちょっと面白そうなエピソードが、Aにあたります。




んで、





はい良いですか〜みなさん。英会話のコツは実際に話してみることです。ひとつの単語を五回づつ声に出して繰り返してください。そうすれば、それは一生あなたのものになるはずです。

はい、それではみなさんどうぞー。






「マルチ、マルチ、マルチ、マルチ、マルチ」




「アリス、アリス、アリス、アリス、アリス」


「細川さん、細川さん、細川さん、細川さん、細川さん」







とまぁ、これだけで、ちょっと吹き出してしまうのがBにあたるわけですねー。



要するに、お話を考えるときのとっかかり、キーワードみたいなもんですね。



で、今度はそれを発展させていきます。




私が使ってるのが、言葉をひたすら連想させて作る方法です。



この前のHD破壊のお話で言うと、こんな感じですかねぇ。






思いつく限りひたすら連想しつづけていくと、ある時すごくヒットするキーワードが出てきたりします。



上の図だと、『HP壊れた』から始まって『スカイハイ』ってキーワードが出た辺りで、大体話の流れが決まってくるわけです。(この図は多少簡略化してるので、本当はもっと広大な連想があったりするんですが)




今度はそれを中心にして話の流れをイメージして、他の使えそうなキーワードをかき集めていきます。



使えないキーワードはバサバサ切ります。普通は使えないキーワードの方が圧倒的に多い感じですかね。大量生産少数精鋭が基本です。




すると、あーら不思議、いつの間にか日記が一本出来てましたと、まぁ、こんな具合です。





これはうちの師匠に教えて貰った思考方法なんですが(本人は『チョーさん探検地図』なんて呼んでましたが)文字媒体をあえて、グラフィカルに表現することで文字を操る左脳と、映像を考える右脳の両方を同時に使うことができるんだとか。(色や絵を使うと効果倍増らしい……)




どこまで科学的に信憑性があるのか、私も知りませんがね。



あと一つのキーワードに対して、様々な角度からのアイディアを出してみるのが重要なのだそうです。ポイントは物事を多角的に見ることだとか。



そう言えば、ジョナサン・キャロルも死者の書でこんなことを書いています。



創作講座の講師は最初の授業に幼児向けの人形を持ってきた。前に掲げ、この人形を描写しろと言われたら、大体の人間はぱっと目につく角度からのみ描写してしまう。だが本物の作家は様々に異なる、もっと面白い角度から描写できることを知っている――上から、下から――そしてそれこそが、優れた創作の第一歩なのだ。




深いですねぇ〜。




「ふーん。連想の方はできなくもないあるが、ネタになりそうなキーワードなんて見つからないような気がするあるけどね」




そうでもないですよ。日常にある全てのものを、訳のわからん角度で見まくれば、存外ネタになるものです。




「えっと、それはつまり女の子を見たら、スカートを履いていようが、真下から右下から左下から前下から後下から見ると言うことあるか?」




下からしか見てないじゃないですか!



そうではなく女の子を見たら、上着脱がして、ブラウス脱がして、スカート脱がして、下着脱がして、上から下から右から左から正面後ろと全ての角度で見てみる気持ちが必要なのです。






「それはただのエロ親父あるよ」





違います! 私は男に対しても、上着を脱がして、ズボンを脱がして、トランクスもずらして、足を広げてケツの穴広げている想像くらいはしますよ。



そのくらい気合いを入れて観察すると、変な所はいくらでも見つかるものです。



「つか、翡翠の頭の中が一番おかしいと思うね」




なんと失礼な。




「じゃ、ネロ教授とか見てたら、翡翠はどんな連想をするね?」


えー、そうですねぇ……





ネロ教授



ロリコン



果たしてロリは生活に必要なものか?



必要か不必要かなんていうのはそれこそ必要のない概念で、ロリコンというのは、とにかく幼女について語らずにはいられない人種なのだ。幼女にまつわることはなんでもかんでも、一分でも一秒でも長く、熱く、語り尽くしたい。もっとしゃぶりつくすように幼女のことを知りたい。
激写激写激写。今日も一日幸せである。




こんなとこですか?




「それで自分の頭がまともだと考えてる方が凄いね……」



3月15日







TOPに戻る





2004年3月26日




あれ? そこにいるのはアーチャーさんじゃないですか。



なんでこんな所にいるんですか? ここは月姫の世界であって、あなたの出番なんて欠片もなんですが。




「どのみち同じ世界だろう。私がこの周辺をウロウロしていたところで、何の問題もない」




いや、だって読者さん混乱するでしょう。





「もともと世界観など、壊れに壊れきっているような日記だ。今更誰も気にせんさ」




ふむ、そうですかね。まぁ、良いです。で、わざわざ何しに来てるんですか?





「ただの営業だ」





あぁ、アーチャーさんって、某エロゲー会社の営業さんでしたっけ。何が悲しくてそんなことやってんのか知りませんが、ご苦労なことです。





「仕事選ばない主義だからな」




いや、多少は選んだ方が良いと思いますけど……。同窓会で級友に会ったとき、名刺渡しにくいですよ。





そう言えばFateの販売が10万本突破したそうですね。おめでとうございます。






最近では珍しい10万本突破のタイトルらしくて一部じゃえらく騒いでましたよ。





一本8800円で、純利益が2割〜3割だとしても、平気で億行きますもんね。




想像しただけで、よだれが出てきそうな金額です。





「ふっ。そう大したものではない。実際、ほぼ同時期に一週間で12万本売り上げたタイトルもある」




え? そうなんですか? ……えっと、他になんか凄いのありましたけ?








「風雲新撰組だ」










……なんですこれ?








「コンシューマーのゲームだ。一週間で12万本、二週間目で20万本を突破した」






私はあんまりコンシューマには詳しくないのですが、それ面白いんですか?




「新撰組好きにはたまらん。が、それ以外の人には微妙にダルイかもしれん」





名作ですか?






「並」







それで12万本ですか。




「ちなみに去年の売り上げでなら、街道バトル〜日光・榛名・六甲・箱根〜も11万本くらい売れた」





「コンシューマゲームランキングなら、10万本程度50位くらいに入れば10万くらい軽く超える」





あの……Fateの十万本ってホントに凄いですか? なんか街道バトルど同レベルだと思うと、微妙にありがたみがなくなってきたんですが。




「市場規模が違うからな。コンシューマーの市場規模が1000万だと言われているが、エロゲー市場は多く見積もっても50万程度しかないらしい」





「私の記憶がただしければ、エロゲーではエルフの臭作が22万本を売り上げて世界記録だったはずだ」



でも、風雲新撰組には二週間で抜かれちったわけですね。



「そうだな。だが市場からのバランスを考えると、半分近くの人が買った計算になる。コンシューマーで言うところの500万本売れたということだ」



なるほど世界記録も出来るわけですね。




確かに、市場が狭めのも分かる気がします。なにしろPCゲームはコピー品が大量にありますからね。半分以上はコピーなのではあるまいかと思うくらいコピー多いですからね。




「それも大きな理由だな。昔ドリキャスでエルフの下級生を出したら、30万本くらい売れた」







「ちなみに月姫が全年齢指定版になり、CGリニューアルして、シナリオもちょこちょこ手を加えて、PS2で出したら10万本は堅いと見ている。確かPS版To-heartもそのくらいだったからな」






ボロイですね……つか、絶対に出しそうですね……PS2版……





「出すだろうな。そして再びPCに逆移植今度はDVD版だ」





いや、さすがにそんなことしないでしょう……。




「わからんぞ」





うーん。しかし、こんなにコピーが横行して、微妙に市場が狭い中でよくエロゲー会社なんて生き残ってますね。ちょっと驚異的というのを通り越して奇跡的ですよね。




「これはエロゲー業界の市場原理の特徴がある」




と言いますと?




「買う人数は少ないが、一人個人が使う金額というのが極端にでかい」




「翡翠もコミケに行って10万円くらい買う馬鹿者をよく知っているだろう?」





あぁ、いますね。そう言う人。





「私もかつてBAN○AIで営業していたころ、社長に教わったのだ。この業界最大の売り。それはキャラクタービジネスであるとな」




え!? アーチャーさん今までBAN○AIで働いていたんですか? 何をどう間違って、こんな業界に!?





「……昔はな。色々理想とかあったのだよ(ちょっとブルー)」





……はぁ。理想ですか。





「……理想さ」




……




「……」





ま、まぁ良いです……あえて、BAN○AIのことは聞きますまい。





んで、キャラクタービジネスがどうかしたんですか?





「うん。つまり美少女ゲームはゲームそのものよりも、そのキャラクターがユーザーの中で神格化するところが特殊なのだ」




「ゲームではなくキャラが売れるのだ」





BAN○AIが今、仮面ライ○ーとかガンダ○とかで売ってるみたいなものですね!




「……そう、BAN○AIが……(がっくし)」





(禁句なのか? BAN○AI……)も、もとい……。




えーっと、今はやりのハルウララの関係商品が売られてるみたいなもんですね。




「(むくっ)そうだ。ゲームそのものよりも、この業界グッツが売れる。相当売れる。馬鹿みたいに売れるのだ」




なるほど、月姫もFateもサントラは結構売れたみたいですし、ビジュアルファンブック(?)も売れたようですし、秋葉様萌え萌えバスタオルも売れましたからね。





友達がタイに行ったとき、「シエル発進します!」Tシャツを買ってきてくれましたが、風雲新撰組では、ちょっと再現できなさそうですしね。





「土方歳三燃え燃えバスタオルとか、土方歳三発進します! Tシャツは売れないだろうからな」




ええ、色んな意味で売れないでしょうね……。





「それにエロゲー業界はやっぱり、作るのに費用が少なくてすむ。結局一人当たりの利益が高い方が良いわけだ。数ではないのだな。今時のお金持ちと言えば、大会社の役員ではなく、ベンチャービジネスの社長と相場が決まってる」





ですよねぇ。きっと今頃きのこ先生は、豪華クルーザーでも乗り回して太平洋でプカプカ浮いてるんじゃないかと、疑っていたりしますし。




「さすがにそれはないと思うが」





でも、この業界ももっと市場が大きくなれば、もっと豊かになるんですよね?





「その通りだ。だから、私がこうやってこんな所まで営業に来ているのだ」






「で、これはこの日記を見てみるものに、対するお願いだ。市場を大きくするには、布教活動を広く勧め、どんどん色んな人間を洗脳してもらいたい」





「ただこの業界の最大の難点は、就職と同時に洗脳が解けて、つまらない普通の大人になる人間がかなり多いことだ」





「コピー品ですませている厨房より彼らは質が悪い」




「真に洗脳するべきは大人なのだ」





「そんなわけで、家に帰ったらまず、手を洗いうがいをしてから、おもむろにこう言って貰いたい」





「お父さんお母さん、ボクと一緒にエロゲーしませんか! ――と」




「断固たる偏見と勇気を持って言ってもらいたい!」





「こうして家族が洗脳された暁には、市場は今までの三倍まで膨れあがり、業界は潤うのだ」





「まぁ、イメージはこんな感じだろうか――」




◇ ◆ ◇ ◆ ◇





「お父さーん。お醤油取って」





「馬鹿者! お父さんじゃない。パパと呼びなさい。パパと!」






「あぅ……そだった。ご、ごめんなさい。パパ……(ぐすん)」






「こらクソ親父、ユカを虐めるなよな!」






「む、貴様! 父に対して口答えするつもりかぁ!」






「ユカは俺が護る!」







「ちぃ、青二才がいっちょ前の口たたきおってぇ! 表に出ろぉ!」







「おうよぉ!」





「もうお父さんもタダシも止めてください。お風呂湧いてるからタダシから入りなさい」





「で、でもよぉ……」





「ね、お願い、言うことを聞いて」






「……わ、分かったよ。母さん」





「んもぅ、母さんなんて呼ばないで、言ってるでしょう? ちゃんと、みちこママって呼んで」





「ば、馬鹿、そんなの呼べるわけないだろ!」





「ふふ、しょうがない子、じゃ、今日も一緒にお風呂入りましょうか」






「う、うわぁぁぁぁ、待てよ。母さん。やっぱこんなの不味いよ」





「うふふ、大丈夫よ、今日も優しくしてあげるわ」







「あ……お兄ちゃんいっちゃった……」







「さてユカ。二人きりになったことだし、父さんの部屋に行こうか」




「……う、うん(真っ赤)」




◇ ◆ ◇ ◆ ◇





「ビバ、洗脳完了家族。目指せエロゲー1000万本!」








……こんな家族全力で願い下げです。



3月26日







TOPに戻る





2004年4月2日





 この
レポートは翡翠が中学時代に体験し行動したことを私が聞き、個人的見識をもって、書き記したものであります。

 つまるところ翡翠というのは、世にも珍しい奇人である、というのが私の見解です。

 世の中には偉人と呼ばれる素晴らしい人が、多く存在します。例えばエジソンしかり、ライト兄弟しかり、青色発光ダイオードの中村修二教授しかり。彼らの何が凄いかと言うと、物理的不可能、あるいは困難と言われていた事を、もちまえのアグレシブな行動力と才能によって、実現したことです。

 中学時代の翡翠は、何かを成し遂げたくてたまらない、よくいる夢見がちな少女でした。しかしどんな夢を見ようと、どんな願いを持とうと、所詮はただの中坊です。出来ることに限界はあり、それを超えることは容易ではありませんでした。
 物理的不可能を可能にすれば、ノーベル賞が取れますが、非力で矮小な自分には物理の壁は突破できません。

 ならば――

「私は精神的不可能を可能にする人間になりましょう」

 などという事を翡翠は考えたのです。

 精神的不可能というのは、
行為だけならば簡単に出来るけれど、どうしても心のブレーキにより、できないことです。まっさきに翡翠が思いついたのが「殺人」です。当時の彼女は、どこぞの志貴くんに匹敵するくらい血に飢えていたり、殺人衝動に駆られておりました。ここから鬱屈とした少女のドロドロした話しに突入するかと思いきや、やはりそれはそれ、翡翠なのですからそう簡単にそんなことにはなりません。殺人も悪くなかったのですが、ギャグとしてイマイチ三流かとも思いましたし、なにより物理的な影響が大きすぎます。

 精神的不可能を可能にするということは、物理的には影響を与えてはならない――これが最低限のルールでした。

 というわけで、翡翠は「殺人」を諦め、「素っ裸になって公衆便所で用を足そう」と考えたのです。

「殺人」と「全裸排泄」を同列に捕らえるなとか言われそうですが、翡翠の頭の中では、似たようなものでした。

 そもそも考えていただきたい。
 あなたは果たして、公衆便所で全裸になって用を足すことができるのか?
 もちろん密室ですし、そこで何をしても誰にも分かりませんから、出来ると言う人は何人かいるかもしれません。しかし出来ると言う人はいても、
実際にやる人はほぼ絶無だと断言していえます。

 例えば罰ゲームだったら、服を脱ぐ人はいるでしょう。そうでなくともなんらかのしなければならない必要性にかられれば、その位出来る人はいます。

 しかし。

 何の理由も目的もなく、無意味で無価値に一切の前触れなく、公衆便所に入った瞬間、ふと思いついたように、


「よし、今日は試しに全裸で糞するか」


 なんて考えて実行に移すキテレツな人間は、「よし、あの子殺してみよう」って言うのと思って実行するのと、同じくらいの割合でいないでしょう。

 それが精神的不可能に挑戦するということです。

 誰に自慢するわけでもなく、奇行するために奇行する変わり種、それが翡翠という少女でした。

 それからの翡翠は、色々と精神的不可能に挑戦することになります。

 例えば「ノーパンで学校に行く」などという行動が上げられます。

 漫画なんかでは良くありますが、現実問題として、本当にノーパンで過ごすなんて普通はありえません。もちろん理由があってはなりません。理由がないから奇行は価値を持つのです。

 ちなみに、その当時の翡翠はスカート通学ですので、当然ブルマははいています。悪ガキ男子にスカートを捲られたところで、何の問題もありません。外見的には全く変わっていませんので、ご安心下さい。

 分かりますでしょうか。

 これはもはや
犯罪的です。法律を犯している訳ではありませんので、犯罪ではありませんが、誰が見ても聞いても間違いなく犯罪的。しかもそれが一切露見せず、完全犯罪のように闇から闇に葬られるとこから、彼女は「完全犯罪的少女」と自称しておりました。

 ところがそんな彼女も成長してくると、世界が見えてきます。そして色々と運命的な出会いをするのです。

「俺は大便は全裸でなくばできん」という変人や、「私はパンツははかない主義なの」という変態や、「ワシ乳の肉が多いからブラつけとるぞ」という変質者や、「うーん」とか唸りながら、道ばたで素っ裸でになり、大便に及んでいる変種など、本来なら精神的不可能なはずのことをナチュラルに、生活の一部として行っている人達に出会ってしまったのです。

 その時の翡翠の衝撃たるや、想像を絶する物でありました。

 彼らは桁外れに本物でした。正真正銘の奇人だったのです。万引き犯がルパン三世に出会うような、あるいはオヤジ狩り少年が切り裂きジャックと接触したときのような、圧倒的な力の差を見せつけられた気分だったと翡翠は言います。

 その中で彼女は、自分の奇行の正体に気づいてしまうのです。
 何故中学時代の翡翠は、「トイレで全裸」「学校にノーパン」などという事をしたのか。
 それに明確な回答を得てしまったのです。

 それは実にシンプルでした。

 要するに。

 翡翠は、非行に走る少年たちと同じように、反社会的な事をして、格好いいつもりで喜んでいた――

 だけのガキだったです。

 個性的でであることを喜んでいただけの馬鹿だったのです。

 当時の事を振り返って、翡翠はこう語ります。

「私も若かったですからねぇ。反抗期ってヤツですよ。あるいは天の邪鬼ですか。こうしろって言われたら、違うことがしたくなんですよ。理由なんかありませんし、意味もありません。ノーベル賞に匹敵する高尚さを誇っていたはずの精神的不可能実験が、ただのガキの反抗心の表れだったって知った時はマジでショックでしたけどね」

 などと平気な顔で語っていますが、今では相当恥ずかしいようです。

 思春期。

 嬉し恥ずかし思春期。

 だからってこんな奇行に走る中学生を、奇人と呼ばずしてどんなヤツを奇人と呼べというのか。そんなんでお茶を濁して、言い訳しようなんざ思わないで欲しいですな、とか思ったり思わなかったりします。




 志貴様……なんですか。この訳の分からないレポートは?




「中学生翡翠奇行レポート」


勝手に創作しないでください……




「全然創作じゃないね。事実に基づいているノンフィクションよ」



「翡翠は、叩けばいくらでも埃が出る体からあるからねー」



「それにしても「完全犯罪的少女」というネーミング自体かなりハズいネ。どこぞの族のチーム名を格好良いと思うくらいには、赤面物あるねー」





 うっさいですねぇ。今でも完全犯罪的少女って名前は格好いいなーとか思ってるんですから、変なツッコミは不要です。





4月2日





TOPに戻る





2004年4月13日




かのSF作家、アイザック・アシモフは言いました。



「人間は無用な知識の数が増えることで快感を感じることができる唯一の動物である」



そんなわけで、みなさんこんばんわ。翡翠です。



とにかく無駄で無駄でどうしようもなく使えない知識を紹介していくこのコーナー『無駄知識な翡翠の海』の時間がやってまいりました。




司会はもちろん、この私と――




「琥珀の二人でお送りします♪」





さてさて、今回はどんなどうでも良い無駄知識が飛び出すのでしょうか――




「では、さっそく行ってみましょう〜」






















キスをすると――






























一秒間に二億個の細菌が口の中を行き来する。



















「い、一発目からなんか汚い話ですね……」



汚くなんかないですよ。現実にそうですからね。




では、捕捉の無駄知識をば。


人の口の中は、ばい菌にとって非常に住みやすい環境となっています。

常に体温によって温められていますし、唾液が潤い、食事を摂ることによって、ばい菌の餌が絶え間なく補給されていますので、口の中には無数のばい菌が住んでいます。

いくら歯を磨いたり、うがいをしてもそれらをゼロにする事は出来ません。口で息をしたり、喋ったり、食物を食べるので、絶えず外部からばい菌が入って来ます









ちなみに以下が、口の中にある主な細菌です。
ブドウ球菌        レンサ球菌       グラム+球菌
双球菌           紡錘菌         ナイセリア



「翡翠ちゃん……なんか明日からキスするのが躊躇われそうな無駄知識だよね、これ」



ええ、犬とキスする人なんて、それはもう凄まじいばい菌率ですよきっと。



「いやくさい知識ですねー」



では、次ぎに行きましょう。

























イギリスのホブソンという人は一日一食を守って貯金をし、莫大な財産を溜めた。煙草は吸い殻を拾って吸っていた。






























ある日、吸い殻拾いの最中、車にはねられて死んだ。



















「だ、誰ですか!? ホブソンって!?」




ホブソンさんというのはイギリスの貧しい農家の生まれの男で、貧しい生活から脱出するために、毎日毎日コツコツお金をためていたそうです。




友達の事業に協力して成功し、かなりのお金持ちいなったのですが、それでもお金を貯めることに余念がなく、二十歳の頃からずーっと一日一食を守り、徹底的に倹約して暮らしていました。




周りで視ていた人は、お金持ちなのにお金を使わないなんて意味ないじゃんとか思っていたようです。




で、彼が四十歳のとき、彼がいつものように煙草拾いをしていると、酔っぱらい運転の車にひかれて、この世を去ったそうです。




「何しにお金貯めてたんでしょうね……?」




で、そのお金は息子たちが相続したのですが、一年経たないうちに事業を失敗させてしまい、財産はなくなってしまったようです。



溜めるのは難しいですが、使うのは簡単という良い例ですね。



「なんか、切ないですね……」




続いてはこんな無駄知識です。
























チワワの後頭部を叩くと――























目玉が飛び出すので注意が必要。







「スプラッターっすぎますよ! 翡翠ちゃん! って本当に飛び出るんですか? 目玉」




まぁ、写真のは誇張ですか。




チェリーアイといって、第三眼瞼線が赤く誇張して目頭から外にとび出します。



特にチワワは目が大きく出ているので目の病気には要注意なのは確かです。流涙症は、涙の通り道がふさがり、常に涙があふれてしまう病気。目の周囲が汚れやすくなり感染しやすくなる為、いつも清潔に保つことが大切ですね。




「うーん、スプラッター……」




では、次ぎに行きましょう。






















ギリシャの哲学者ソクラテスは――























弟子たち(ホモ)に肉体を狙われていた。














「ほ、本当なんですか? これ?」



ええ、もちろんです。



ギリシャの同性愛が最もさんかんになったのは、ソクラテスの時代。



ソクラテスはそれはもうしなびたナスビみたいなお爺ちゃんだったのですが、当時の美意識というものは、肉体と同様に知識があることも、美の一つの形だったようです。



そんなわけで当時一番の天才ともてはやされていたソクラテスは、老人だったにもかかわらず、男性から絶大な人気があったわけですね。




そのため弟子たちの間では喧嘩が絶えなかったそうです。







『師匠は俺のものだ! お前らは手を出すな!』







『それはこっちの台詞です。師匠の熟れた体目当ての不純なあなたとは違うですよ。(クイっとメガネを上げて)私は純粋にあの方の人柄に惚れていのです』






『け、何いうてんねん。やることは、一緒のくせに偉そうな口たたくなや』






『ボクは……師匠にご奉仕できれば、それで……』






『ホホホ――』






『あ、師匠!?』





『喧嘩をするでない。みんなまとめて相手になってやるぞい。まだまだ若いもんにはまけんわい。ホホホホ――』






『師匠ぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉ! ありがとうございます!』








ま、再現するとこんな感じでしょうか?






「ボーイズラブは好きですけど、さすがにお爺ちゃんラブはキツイですねぇ……」





世の中価値観なんて千差万別ですからねぇ。



さて、他にも



世界最古の法律書「ハムラビ法典」の中に「酒場の経営は女性により服装は胸部露出のものとする」という条文がある。




イスラム教シーア派の「シーア」はアラビア吾で「派」の意味なので直訳すると、「派・派」なってしまう。




ヒトラーは酒も煙草もやらず、草食主義者で、おまけに動物実験に反対していた。





なんてどうでも良い知識がありますが、そろそろ時間が迫ってきたようです。



「ちなみに、今回の無駄知識が何「へー」なのかは、読者のみなさんが勝手に決めて下さい。最高得点をたたき出した無駄知識には金の大脳深皮質が送られるかもしれません。期待しないで待っておきましょう」







さて、今回は唐沢先生の本を色々参考にさせてもらいました。なかなか面白い本でしたよ。無駄本は読んでいて非常に愉しいですね。





みんさんも無駄知識を持っていたら、じゃんじゃん教えてくださいね。






「まぁ、こんなコーナー二度としないので、それこそ無駄なことではあるんですけどね」



4月13日





TOPに戻る





2004年4月24日




体育館に作られた特設リングでは、熟生たちがボクシングの特訓をしていました。みんな一生懸命で健全な汗がキラキラと輝いています。またリングの隣には大きな檻が作られており、中では命がけで猛獣と格闘をしているものたちもいます。



私は体育館を出ると教室の方に向かいました。授業中らしく窓から覗いてみると、みんな一心にテキストに向かい合っているようでした。




いやはや以外です。ネロ教授が恒例の謎学校を作ったというので来てみましたが、今度はすごくまともです。なんでも名探偵養成所らしいですが、いやー、教授もやっと改心したみたいで嬉しい限りです。




「おお! 来てくれたようだな! 翡翠!」




ええ、来ましたよ。一体どういうことなんですか? ネロ教授。今回はなんかメチャクチャまともじゃないですか。気持ち悪いくらいですよ。




「だろうな。何しろ今回は名探偵コナン養成学校だからな」




え? 名探偵コナン養成所? 名探偵養成所じゃないんですか?




「違うとも! 我々の目標はコナンであって名探偵ではない!」



……何が違うんです?




「翡翠、私のようなオヤジが幼女に近づいたとどんな反応をされると思う? それはもう人間のクズばりの扱いをされるのだ。悲しいくらい迫害されるのだ。その事は私にとって凄まじく悲しいことであった」




「そこで私は発明したのだ! 大人を子供にする秘薬! APTX(アポトキシン)4869!」




名前パクリじゃんかよ。





「くくく、これを使えば五歳児にまで退行することができる。そうなれば幼女に抱きつこうが、スカート捲ろうが、一緒にお風呂ろうが思いのままよ! それどころか、巨乳の保母さんに『きゃー可愛い』なんて言われちゃってチヤホヤしてくれることうけあい!」




予想はしてましたけど、やっぱりまともであるわけありませんでしたね……




あのー、それじゃここに来るときに、特訓したり、勉強したりしている人もみんな、ネロ教授の同類ですか?




「そうだ! この学校は子供になったとき、どうすれば良いかを教える学校なのだ! さぁ、翡翠来るが良い! 君にもこの学校のカリキュラムを見せてやろう!」




「よし、まずはここからだ!」





バン――(扉を開ける音)







……ごめんなさい。帰らせて貰います。




「こら! 待て! いきなり逃げるな!」





逃げもしますよ! 大体なんですか、このオッサンども!? なんでみんないい歳こいて幼稚園児の服なんか着ているんですか? 妖しいというのを通り越して、おかしいじゃないですか!




「はぁ、まったくやれやれだな。翡翠。いきなり五歳児になったことを想像してみろ。ちゃんと五歳の演技が出来るか? 言っておくが五歳児の演技は相当難しいのだぞ」





そりゃそうでしょうけど……




「だから、まず子供になる前に大人の状態で、演技の練習をしているのだ」




だからってね……アレはちょっと……





『はーい、みんな今日はドラエモン音頭で踊ります。良いですか?(保母さん・二三歳)』




『わーい、ドラえもーん。せんせー、はやくやって(公務員・三四歳)』




『じゃ、ラジオの音楽と一緒に踊りましょうねー。さんはい(保母さん・二三歳)』




『ドラリドラリのー♪ ドラえもん音頭♪ みんなみんなで♪ おどろうよ♪(フリーター・二三歳)』




『あたまもおなかも♪ まろやかに♪ はずむたんそく♪ かろやかに♪(ハ!)(弁護士・四五歳)』




『もーヒデくん。照れないで、もっとちゃんとフリ付け通りに体動かさないととダメだよー(保母さん・二三歳)』





『ご、ごめんさぁい……せんせー、ゆるちて(政治家・五一歳)』








「ふむ、みんな頑張ってるようだな。関心関心」









きっぱりとキモイわ!








脂ぎったオッサンが、何が悲しくてドラえもん音頭なんか踊ってるんですか? 喋り方もキモイし、たまらないですね。





「しかし五歳児に戻れば、みんなあれをやらねば怪しまれるからな」




だったらせめて薬で五歳児にしてから、練習すれば良いじゃないですか。




「それがな。この薬の効き目は二週間だけでな。貴重な時間を無駄にするわけにはいかんだろう。このキツイ訓練を受けて生き残った数少ない勇者が名探偵コナンのように、女風呂に入れる栄誉を得るわけだな」




「では次を見に行こう」




ここは私もさっき見に来た体育館ですね。でも、子供に戻るんだったら別に鍛えている意味がないと思いますけど……





「一応、ここのシステムでは薬で子供した後里子に出すことになっている。その時に一番危険なのがなんだと思う? それは当然幼児虐待だ。今ニュースでも騒がれてるしな。睾丸を切られたら泣くに泣けんぞ」




いや……子供に戻るっていう夢のある話に、虐待とか生々しい事言われても……




「しかし、悲しいかなそれが現実というものだ。親が襲ってきたら対処できるように、こうやって武術を教えているわけだ」




でも、子供サイズになったら、あんまり意味がないのでは?





「大丈夫だ。大人との戦力差を考えて、スパーリングの相手はプロボクサーを起用している。まぁ、プロに勝てるようになれば――」







『ぶぅぼぉぉーーーー(自営業・七一歳)』






「――大人にだって勝てるからな」




今、じーさんが、マウスピースの代わりに入れ歯吐き出して、吹っ飛んでいきましたけど……





「大丈夫大丈夫。どうしても駄目なときはスタンガンでも銃でも持たせるさ」




……じゃ、あっちでライオンと戦っているのは何なんです?




「アレは犬対策だ。大きい犬は五歳児よりもはるかに大きいからな。今のうちから自分より大きい獣と戦わせることに慣れておかないとな」







『ひぃぃ、出してくれぇ、誰かぁぁ、出しテクれぇぇ――ぎゃぶびぃ(医者・享年四三歳)』





はぁ、なんだか頭痛くなってきました。





「では次ぎに行こう。ここは風呂場だ。もちろん五歳児は両親をお風呂に入ることが殆どだろう。そんなわけで、今から風呂に入るのに慣れてもらわねばならない」






……あの、もしかして、この扉の向こうではオッサンがオッサンの体を隅々まで洗っていたりするんですか?






「その通りだ。大きな声で『パパ、ちんちん洗って!』と言って局部を突き出す練習ももちろんしているぞ。子供は恥知らずだからな。さぁ、入るか」







良いです! そんなもん見たくないです!








「そうなのか。残念だ。では次ぎの所に行こう。言っておくが次は凄いぞ」




見たくないなぁ。





「ここではオマルで大便して、尻を拭かずに立ち上がり『センセー、うんちいっぱい出たよー。もこもこー』と天真爛漫に満面の笑みを浮かべる練習をしている」




いまさらですけど、五歳児って人間の限界を越えた生き物なんですね……。





『せ、先生……、お、俺には出来ません……。ゆ、許して下さい(教師・三〇歳)』




『馬鹿野郎! ここまで来て諦めるのか! 今までの苦労はなんだと思ってるんだ! 今までさんざん道ばたで小便漏らしたあの苦労を忘れたのか! 笑顔で糞するくらいなんでもないだろ(講師・四一歳)』




『別にウンチ漏らさなくても良いじゃないですか……ボクは五歳児になってミミちゃんと一緒にお風呂に入りたいだけなんです。笑顔でうんち宣言なんかしたくないです……(教師・三〇歳)』




『何言ってやがる! 五歳児はみんな糞を使うって、相場が決まってるんだよ。俺なんか五歳のころトイレで出した糞を紙コップに入れて、嫌いな友達が昼寝している枕元におき、寝返りしたら糞がつくようにセットしたことだってあるんだぞ(講師・四一歳)』




『そんなのあんただけです!(教師・三〇歳)』




『いーや、みんなしてるね。お前が大好きだっていうミミちゃんも、きっとそんなことしてるんだ(講師・四一歳)』






『違う……ミミちゃんは、ミミちゃんは、ウンコなんかしないやい!(教師・三〇歳)』






「ははは、みんな楽しそうだな」







アホばっかりです。







「お、そろそろ卒業生が来る時間だな」






このカリキュラム、本当に全部やれた人がいるんですね……。このまで人間の尊厳を捨て去ってまで、子供に戻りたいなんて人の気が知れません。





「幼女のためだ。いかなる努力もおしまんよ」




「では、私は彼らの卒業証書代わりのアポトキシンを渡すことにするよ」




『塾長――やりました。これで俺たち、ついに子供になれるんですね(銀行マン・三二歳)』





『あぁ、長かったぜ……でも、これで今までの苦労が報われる(大学生・二二歳)』





「では、APTX(アポトキシン)4869を使うに前に一つだけ注意事項を伝えておく」





『なんですか?(消防士・四五歳)』




「子供に戻ったら射精できんので、Hはできんから気をつけるように」





『……』




『……』



『……』




「どうした? そんな真っ青な顔をして?」






『まってくださいよーーーーーーーーーー! おれ、歩ちゃんとのHだけが、心の支えだったのに! それだけのために頑張ってきたおに出来ないなんてそんなばかな!(大学生・二二歳)』





『なんてこった……極上の林檎があるのに、舐めることしか出来ないみたいなもんじゃないか……(銀行マン・三二歳)』





『俺、絶対根性で勃たせてやる! 五歳児だってきっと出来るはずだ!(消防士・四五歳)』









あの……





例え五歳児でも女の子を襲ったら犯罪ですよ。









「――え?」







「そ、そうだったのか?」








当たり前でしょうが! アホか!





4月24日





TOPに戻る





2004年5月4日




心斎橋にあるアメリカ村を夏物の服を捜しにフラフラ歩いていたところ、久しぶりに高校時代の友人に会いました。



そうですね。名前はギルガメッシュ君とでもしておきましょうか。




彼は金髪をかき上げていました。三連ピアスにナックルみたいな指輪。まぁ、ぶっちゃけちゃらちゃらちゃら君なんですが、彼の場合、そんじょそこらのちゃらけたヤツとは次元が違います。






それを通り越して「金ぴか」でした。





高校時代、彼はこう言われていました。








高校生にして預金一千万円達成した男と――






もちろん噂だったので、本当かどうかは知りませんが、なんでも彼は某不動産屋の跡取りだとかで、やたらと金回りが良いことは有名でした。





彼と一緒のクラスになったころ、私はまったくその噂をまったく知らず、ナチュラルに普通の友達になりました。






で、あるとき、ギル君がラーメンを奢ってくれるという話になったのです。







この当時の私は、ご飯を奢ってくれる人間はすべからずいい人だなんて思っていましたから、ひょこひょこ付いていったのです。




それは確か土曜日の事で、某駅前でギルくんと待ち合わせしました。






「よう、時間通りだな」





当然です。今日は奢りですからね。他人のお金で食う飯をほど美味いものはありません。そんなときに遅刻するようなぬけさくに私が見えますか? だとしたらそれは酷い心外な話ですね。





「なんでも良いけどな。っとその前にコンビニ寄るわ。のどか湧いたし」




まぁ、そうですね。私もなんか買っていきましょう。




そうして私たちはコンビニに入りました。




私はコーヒー牛乳を買って、ギルくんは烏龍茶を買いました。





レジで、私は世にも不思議なものを目撃することになるのです。






『846円のおつりです』






「ん……」






じゃらじゃらじゃら(募金箱に小銭を入れる音)






……え?






「どうかしたか?」




いや、今私の目の錯覚でしょうか。ギルくん。おつりの846円全額募金箱に入れませんでした?





「入れたがそれがどうした? 小銭持ち歩かない主義だし」





……この時から、なんか変だなぁとは思っていたんですよ。実際。





それで目的地であるラーメン屋に行きました。





雰囲気はなかなか良い店で、ジャズかフージョンぽい音楽が流れています。






最初に私のラーメンが来ました。





ではいただきまーす。





ずるるるるうぅ……




ん? なんですかこれは……。あんまり美味しくないですねぇ。というか、なんかこの白菜苦いような……




ギルくんは私に目配せして、「どう?」と聞いてきます。




私はさすがに料理人がいるまえでイマイチとも言えず、首をかしげて見せています。






次ぎにギルくんの所にラーメンが来ました。






彼はスープを一口飲むと、突然衝撃的な事を口走りました。










「おあいそ頼むわ」










え?






なんですか? お愛想って……










「違う所行こう。おっちゃん。ここに代金おいとくな」






って、マジで行くつもりなんですか? うそー! 本気ですか! うわ、もう店出てる。本気の本気なんですね!? あぁー、もう仕方ないですね。それじゃご馳走様。





と私も結局一口二口食べただけで、お店を出ました。







「次ぎ行こうか」






次って、あんた。いくらなんでも、あぁいうのは態度良くないんじゃないですか?





「何言ってる。あれ、明らかに美味しくないだろう。お前だって折角奢って貰うんだから、美味いものが食いたいだろう?」




そりゃそうですけどね。お店の人に失礼では?




「おいおい、ジョジョの空条丞太郎を見てみろよ。あいつは不味い飯だったら金も払わずに出てくるんだぜ。俺は払ってるんだから何の問題もない。時々こういうことをされれば、あの店主だって、俺に食べて貰えるように努力するかもしれないだろう。まさに慈善事業。投資というやつだ」





スープだけ飲んで金払って出てくるヤツなんて、味王か海原雄山くらいだと思ってましたよ、あたし。





「どっかの食い逃げ魔よりマシだしな」





あれ? 知らないんですか? 未成年のうちは食い逃げは罪にならないんですよ。




「……」


なんて具合で次の店に行きます。幸い次の店ではなかなか美味しいラーメンが食べられたので、二人ともそこで満足して食べました。





ちなみに、もしここも不味かったら、また一口スープで出たりしたんですか?





「多分出ただろうな」





いつも、こんなことやってるんですか。お金勿体ないですか?




「金は問題じゃない。せっかく腹を満たすんだから美味いもので満たしたいだろう。不味いものを回避するためなら、お金を払うことくらい大した事じゃない。これはポーかと同じだ。負けると思ったら早々に切り上げて、傷口を浅くするんだ。大切なのは思い切りの良い決断だ」





はぁ……そんなもんですかねぇ……




その後私とギルはゲームセンターに行きました。






「一万円やるから、対戦ゲームやるぞ」





え……いや、なんで一万円くれるんですか?





「翡翠格ゲー下手だろ?」





ええ、ド下手ですが……





「だったら遠慮無く使えよ」





……マジで? あんた一体何もん?




「別に金には困ってないしな。そんくらいでいいなら、いくらでもやる」





……





「金は問題じゃない」






それ、決めぜりふかよ。









あとで話を聞いてみると、どうも私に気を使ってたらしいんですけどね。他人と一緒に行動するときは、自分が奢るものだと思っている所があるようなのです。





この辺りはデートしたときは、男が全額持つものだ。みたいな感覚なんでしょうか。




当時貧乏人だった私は、すさまじいカルチャーショックを受けたのです。





なんにしても、「金は問題じゃない」なんて台詞を、ここまで堂々と言いやがった高校生は、後にも先にもこいつただ一人です。




とまぁ、そんなヤツに、久々にアメリカ村で合ったわけですよ。





「かなり偏見が混じってる回想だった気もするがな……」





気にしてはいけません。今日はどこかに行っていたんですか?






「あぁ、ボーリングに行っていた。マイボー、マイシューズ、マイ手袋完備だ」




へぇ、相変わらず妙なところに、お金をかけてますねぇ。




車とかもなんかBMWとか買ってってそうですね。



「いや、ホンダのオデッセイ」




えーそうなんですか? バリバリの国産車じゃないですか




「お前までそう言うことをいうのか。昔からお前は変なヤツだとは思ってたが、そう言うところは割と普通なんだな」




「高い車を買って、高いマンションに住んで、高い飯食えば満足なんて、そんなもんで喜んでるのは、どっかの成金だけさ。お金を使うことで自分が金持ちであることを確認して喜んでるだけだ。大体金なんてものはあって当たり前のものだろう。空気みたいなもんなんだよ。俺に言わせれば、高い買い物して喜んでるのは、息の荒い妖しいヤツだな」





お、お金を空気とか言いますか……。




ふぅ、さすがは金ぴか……。本物が言うと違いますね。




「おっといかんな。そろそろ行かないと、ツレ待たしてるからな」




あ、一人じゃなかったんですね。




「おう、あいつらだ」





女の子が三人ですか!? うわー凄いですね。やりますね。




そういえば昔から女の子にはえらいモテてましたからね。分かる気がしますけどね。














「あぁ、右から2万、3万、3万だ」










って、かよ(゜□゜;)!!











「金は問題じゃない」







うわぁ、マジで今でもその台詞吐いてるんですね。なんか凄く懐かしいものを見た気がします。







まぁ人の女性関係にまでとやかく言うつもりはありませんから良いですけどね。でも、三人もだとプレゼントとか上げないといけないんじゃ大変ですね。







「プレゼントなんぞやるかよ。あいつらが俺にくれるんだ」




……へ? えーっと、あの、すみません。もしかして2万、3万、3万は上げるんじゃなくて、くれるんですか?




「そう」




つか! 女の子を貢ぐ金額で呼ぶなぁぁぁ! ちゃんと名前で呼べぇぇ!






なんて事がありました……。






昔とちっとも変わって無くて安心したというか、あぁいうヤツが図太く生きていける日本って素晴らしいなぁ、と言いますか。




金の使い方が特殊だから、浪費しているように見えて実は意外とお金を使ってないのかも知れなかったり、やっぱりなかなか凄いキャラでした。




それにしてもボーリングのマイボールか。いいですねぇ。私もいつかああいうのやりたいものです。






とその帰り道、パチンコ屋でもめているネロ教授を発見しました。






どうかしたんですか? 教授。





「うむ、パチンコでマイボールを使おうとしたら定員に文句言われてな。殴ってきたのだぞ。まったく近頃のパチンコ屋は……」








……いや、それは犯罪だし。




5月4日





TOPに戻る





2004年5月15日




Winnyの開発者である47氏こと金子氏が、逮捕されたそうです。



ほんとはもっと早くこのネタ書きかったんですけど、このところ忙しくてリアル日記も書けないありさまで困っていました。





そんなわけで、今回の私の役所は裁判官です。



それでは今回の事件についてのあらましについて、秋葉検事どうぞ。




「はい、ファイル交換ソフトWinny(ウィニー)を開発し、利用者が違法コピーすることを可能にしたとして、京都府警は10日、東大大学院助手、金子容疑者(33)を著作権法違反(公衆送信権の侵害)の幇助(ほうじょ)容疑で逮捕しました」




ふむー、分からない人もいると思うので聞いておきますが、このウィニーというのはどういうソフトなんですか?




「いわゆるP2Pソフトで、パソコン利用者の間でパソコン内の情報を自由に検索しあい、ネットワークを通じて音楽や映像など様々な情報を交換する仕組みのことです。このソフトを使った映画や音楽のデジタル複製品がネット上で出回っているのです。現在インターネット上では200万人のユーザーがいると言われています」






「大抵の音楽、映画、アニメ、ゲームを無料でダウンロードすることが出来るという凶悪な違法ソフトです」




いわゆる不正コピーのインターネット大流出というヤツですね。





確かに、そんなものを開発した罪は重いですね。じゃ、有罪ということで。




「何言ってるあるか! 思いっきり異議ありアル!」





あぁ、居たんですか。弁護人の志貴様。




「そこのヘボ検事の言っていることは明らかにおかしいある。矛盾してるね!」




「何が矛盾しているっていうんですか? 兄さん?(ムカ)」






「そもそも被告が作ったのは、P2Pというファイル共有システムのソフトある。他にもこの手のソフトは存在しているし、それ自体にはまったく違法性のない代物ヨ!」








「しかし、このソフトが犯罪に使われたことは間違いありません!」







「どんなソフトだって犯罪に使おうと思えば使えるね。包丁で人を刺したからと言って、その犯人を責めるのではなく、包丁を作った人を責めるようなものある! お門違いも良いところね! ソフト開発者が掴まるなんて、世界でも例をみない凄まじい事件よ!」






ふむ、なるほどなるほど、確かに志貴様の言うとおりですね。





真っ当な目的で作ったはずのソフトを、ユーザーが不法な目的で使ってしまったというわけですね。





作ったものではなく、使ったものこそが、この場合は悪ということですね。





分かりました。では、今回は無罪ということで――






「待って下さい! 裁判長! 検察には被告の罪を確定する材料を用意してあります!」






ほほう、そうなのですか。秋葉検事。分かりましたでは、証言をお願いします。





「はい。確かに兄さんの言うとおり、悪意もなく作られたものが、犯罪に利用されるということは実際にあることです」




「包丁の例を取れば分かるように、本来料理するために作られた包丁を殺人に用いた場合は、そうゆうふうに使われることを想定していませんので、作り手には罪はないということになります。ですが人を殺すために作った包丁を、人殺しに渡した場合、これは当然犯罪になります」




「つまり、ポイントは作り手の故意の有無にあると言って良いでしょう」




「私はこの謎を解き明かし、作り手に故意があったことを証明いたいと思います」






殺人事件で言うなれば殺意があったか。というところですね。





「その通りです」




分かりました。それでは続けてお願いします。




「はい、まず事の発端はインターネットの掲示板2ちゃねるの書き込みで、<ファイル共有ソフトつーのを作ってみるわ>と宣言し、さらに<そろそろ匿名性を実現できるファイル共有ソフトが出てきて、現在の著作権に関する概念を変えざるを得なくなるはず。試しに自分でその流れを後押ししてみよう>などと、開発理由を説明する書き込みがあったことです」







「いわゆる前世代のファイル交換ソフト、WINMXの話題の流からして、この発言は明らかに逮捕者が出てしまったMXよりもさらに匿名性の高い後継機を作っているという風にしか受け取れないしろものです」





「以上のことより、検察側は被告に違法な行為に使われることを、大前提として作られたものとみています」






なるほどそういう発言があったなら、明らかにそれは故意ですね。では、有罪に――






「異議あり! 異議ありヨ! 裁判長!」





「秋葉検事! さっきから、2ちゃんねるでそういう発言があったと言ってるが、それは本当に被告だったんあるか?




「何を言っているんですか。これは有名な話しで……」





「その頃はまだ2ちゃんはログを取っていないね! なら実際にその発言を被告が行ったという証拠にはならないね! もしかしたら他の人が書いたかもしれないある! 憶測でものをいうのは止めて貰いたいね!」







「むむむ」






なるほど、確かに証拠としては、少々弱いですね。






どうなのですか? 検事?




「確かにその通りです。ですが、それこそが被告に故意があったという重要な手掛かりでもあります」






と言いますと?






「つまり被告は開発当初から、製作することが法に触れる可能性がある事を見越して、徹底的に自分の情報を隠しています。もし何のやましいところがなければ、堂々と公開すれば良かったではありませんか!」






「異議ありね! どういう公開の仕方をするのかは人の自由よ!」





「さらにこのソフトの特徴として、暗号化による<匿名性>が万全であることを、かなり大々的に訴えています。もし合法なファイル交換ソフトが作りたいだけならば、ここまで匿名性にこだる必要がどこにあるというのですか!」






「包丁の例に例えるなら、<指紋の着かない包丁を、殺人することが目に見えて予想される有象無象にばらまいた>ということです!」









「この匿名性を重視した仕様そのものが、すでに犯罪的です!」









「滅茶苦茶アル! インターネット上では個人情報の流出の危機がいつだってあるね! もしP2Pソフトがさらに世の中に復旧した場合、この匿名性は非常に重要な要素になりえるね! それを見越して作るのは、開発者として当たり前のことある!」





「苦しい言い訳なんてしないくて結構です! こんなもの誰の目から見ても明らかではありませんか!」





「なにおー!」






カンカンカン!





はいはい、静粛に! 静粛に!




二人とも落ち着いて話をしましょう。




確かにウィニーが、違法目的で使われるのに十分すぎる能力を持っていたのは、間違いないようです。





ですが、だからと言って一概に故意があったかどうかは微妙な所ですね。






「裁判長! 被告は間違いなく違法ファイルの交換を認めていたのです! 他にもまだ証拠があります!」





まだあるんですか。





「はい。確かに被告はリードミーテキストなどで、<違法目的には使わないで下さい>という逃げ口実を書いていますが、明らかに違法目的に使われることを容認していました」





「と言いますのは、このソフトによって流通しているデーターの99パーセントが、著作権違反のファイルだったことです。被告がこの現状を知らぬはずがありません!」





「にも関わらず、被告は実に200回以上もバージョン更新していたのです!」




「自分の作った包丁の99パーセントで殺人を行っているのです。この現状でなお更新しつづけていることは、明らかにこの行為を容認しているようにしか思えません!」





なるほど確かに、その通りですね。





本来、そんな製品が出た場合は、自主回収するの本当ですが、ソフトの性質上回収は事実上不可能ですからね。





「ちょっと待ったぁ!」





「それは違うね! 被告が欲したのはあくまでP2Pソフトを作るにあったっての情報ね! 大体被告はフリーソフトでやっているのだから、お金はまるで貰っていないね。違法ファイルが行き来されることは、被告にとって百害あって一利なしの煙草みたいなものよ! 合法ファイルだけ行き来された方が、はるかに被告にとって有益だったある!」




「これは違法ファイルを使った使用者の問題で、被告は悪くないね!」




「ですが、99パーセント違法なものがやりとりされている時点で、止めるべきでしょう」





「何ってるアルか! それなら、CD−RもDVD−RもMDもかなりの高い率で違法コピーとして使われているね! だけど作る方が罪になるなんて聞いたことがないあるよ!」






「大体、WINNYが違法ファイルのやりとりの温床となった最大の理由は、明らかに違法を推奨するような事を書いていた、つーか<絶対掴まらない>と堂々と書いたネットランナーに大きな問題があるね!」






「ゲームラボですら掲載しても良いか聞いてくるのに、ネットランナーは発売当日になって、メールで掲載した事を伝えてくるような所ね!」





「人のふんどしで相撲をとって、しかもお金儲けしている、あれこそが真に掴まるべきところよ!」





「異議あり! 裁判長、弁護側は本件とは直接関係のないところまで話を飛躍して、法廷を混乱させようとしています!」




ええ、そうですね。今回の焦点は<故意かいなか>という点にあるんですから、他がどうだからというのは、直接関係ありません。






異議を認めます。





反論方法を変えてください。





「……分かったね。では、秋葉検事。更新を続けていたから故意だというアルが、ネット世界における違法性というのは、どの段階で確定するあるか? この辺りはインターネットの法整備が進んでいないので、グレーゾーンが広くて非常に分かりにくい所ね」






「それで一つの大きな目安が、前にウィニー使用者が掴まった事件ね! これにより被告は更新を止めているんあるよ? 秋葉検事の言うとおり、自分の作っているものが犯罪に使われた訳あるからね」





「これは被告に故意が無かったことを指しているね」





「裁判長。こんな馬鹿馬鹿しい逮捕劇があったのは、ほんらい故意のなかった被告を、検察にはどうしても彼を捕まえたい理由があったからある」




そうなのですか?




「そうある。それは切っ掛けとなる事件があったからある。だからこそこの世界でも異例とも言えるソフト開発者逮捕ということが起きたのある」






その事件とは一体!?






「これあるぅ! くらえ!」






捜査記録がネット流出 京都府警巡査のPCから

 京都府警は29日、ひったくり事件の被害者ら11人分の個人情報を含む捜査関係記録がインターネットに流出したと発表した。
 警察庁は「警察の捜査記録がネットに流出するのは全国で初めてではないか」としている。
 府警によると、流出したのは交番に勤務する下鴨署地域課の巡査が、個人用パソコンに保存していた指名手配書や捜査報告書、鑑定嘱託書など計19枚の記録。いずれも2002年ごろ作成、事件の被害者ら20人の氏名や住所などが含まれていた。9人は実在せず、巡査が書類作成の練習用に打ち込んだという。
 巡査は「Winny」などファイル共有ソフトを使ったことがあるとみられ、パソコンを自宅でインターネット接続した際ウイルスに感染、ハードディスクにあった記録が流出した可能性があるという。
 巡査は意図的に流出させたことは否定。府警は巡査から事情を聴き、流出経緯などを詳しく調べている。(共同通信)






「そ、それはっ!」





「京都府警の警官がウィニーを使って情報の流出をしてしまったね。だから、悪いのは使用者ではなく、作者だということにしてしまいたかったのある」






「そう、この事件は京都府警の責任逃れからきた茶番に過ぎなかったのある!」





「ち、違います。彼らの事件と今回の事件は関係ありません!」






「言い逃れしても無駄ある! ならどうしてウィニー逮捕者が出た段階で捕まえれば良かったのに、何故四ヶ月も待ったあるか。この事件があったあるからよ! 自分の罪を隠すために、罪のないプログラマーを捕まえるなんて最悪ある! 真に裁かれるべきは、国家権力の方ね!」





「はわぁ(((( ;゚Д゚)))ガクガクブルブル」





カンカンカン――





静粛に、静粛に!




これは意外な展開になってしまいました。まさか真犯人が警察の方だっとは。




「いえ、裁判長……我々は認めたわけでは……」



ええ分かっています。実際この手のものは全てグレーゾーンですからね。

逮捕するかどうかの判断は、難しいところです。

他のコピーメディアを捕まえず、被告をピンポイント逮捕した理由になったのは間違いありません。

ですが、やはり審議の中心は<故意>があったかいなか。

この部分に集約されるでしょう






では、これが唯一分かる人物、被告本人に来て貰いましょうか。



さー、連れてきなさい。



ん? 来てない? どうしてです? え? 勝手に使ったら、後が怖いから? なんですか……その弱腰は? はぁ、はぁ……それでは仕方がないですね。



「どうしたあるか? 裁判長?」




それが被告が来てないそうなのです。で、仕方ないので聞いてきました。




<故意があったのですか? Yes、Noで答えてください>




という質問に対し、




<Yes>



だったそうです。





「それはつまり……」



「自白が成立したということですね」




そうなりますね。



本人が認めている以上、あったのでしょう。




「待つアル! 自白と状況証拠だけでは、罪には問えないね」




著作権を侵害することの補佐になることを意識してやっていたのです。




焦点が、<故意があるかいなか>という点だった事から見まして、被告は有罪は確定です。





「うかー、何言ってるあるか。翡翠のくせにぃ!」




それでは判決を言い渡します。




「こんなの狡いあ