翡翠の日記帳17ページ目



2004年5月26日





それは志貴様と二人で喫茶店でお茶していたときのこと。


このお店の店員さんは、どういうわけかエセメイド服みたいなコスチュームを着ている、不可思議なお店なのです。最近こういうの増えてきましたね。ほんとにこういうのは誰の趣味なのかしらん?





ゴン!






「おお! 今のを見たあるか? 翡翠!」



見ましたよ。店員さん。思いっきり自動ドアのガラスに頭をぶつけていましたよね。



「それだけじゃなく、転んだときにさり気なくミニスカートからノゾク、下着〜いやぁ、堪能させてもらったある」





……まったく、ただのヘンタイですね。ムッツリスケベの方が悪いという話を良く聞きますが、開き直った下品なスケベの方がよっぽど最悪ですね。





「む、何を言ってるあるか。男の子がリビドーに支配されなくて、どうするか? 愛欲と暴力こそが世界を動かしているあるよ





なにげに真実なのは認めますけどね。それはともかく、あの店員さん。妙に失敗しまくりますね。さっきも他の客のテーブルで砂糖の壺落としてましたし。






「どじっ子よ。いわゆる萌えー」





いや、萌えとか言われてもね。どじっ子なんぞ好きじゃないですし。





「えー、それどういう事よ。どじっ子が好きじゃないなんて、翡翠はメイドの風上にも風下にもおけないアル」







昔献血に行ったときにですね。どじっ子看護婦さんという輩に出会ったことがあるんです。






「ほう、それでお約束の針を入れるのを失敗したとか言うヤツね」






志貴様……。献血の注射針って見たことありますか?






これですよ。

一番上のが普通針で、献血用が一番下です。







「太(゜□゜;)!?」





あの太いのを腕に三回くらい刺された後、不思議そうな顔で針を見て、




『すみません〜、針の方が不良品だったみたいですぅ〜』







とか超高音のアニメ声で言われときの、私の気持ちが分かりますか?





ドジッ子なんて言ってますが、要するに鈍くさいだけですからね。私はきびきび動く出来る人の方が好きです。





「えー、どじっ子良いアルよ」





ダメですって。もうドジっ子なんてろくなものじゃありません。




ドジっ子の中でも特に大阪のどじっ子は最悪と言えるでしょう。




これは私がこの前の土曜日に松屋に行ったときに体験したことです。




まぁ、あえて場所は限定しませんが、大阪のミナミのあたりだと思ってください。




夜も結構遅い時間ですかね。晩ご飯を食い損ねたのですが、まぁ普通の店は閉まっているので、松屋に足を運んだわけです。




その時間帯は割と空いていて、店内には数人くらいしか客はいませんでした。




私はカルビ定食680円の食券買って、女性店員さんに頼みました。




「ふむ、その定員がどじっ子だったあるか?」




そうです。




「それでどうなったあるか?」





ご飯とみそ汁とサラダは、二十秒くらいで出てきたんです。ところがですね。肝心のカルビがなかなか出てこないんですよ。




仕方ないから私、みそ汁とサラダをご飯で先に食べましたけどね。





そして待たされること――二十分





ははは。





「二十分あるか? なんかファーストフードの飯の待たされ時間じゃないあるね。一流料亭行っても、そんなに待たされないアルよ」







つかピザと同じであんまり待たせたら、ただにしろとか叫びたくなったくらいです。






それでいつの間にか、店内にはですね。私とその女性店員と、奥で料理しているらしい店長らしき中年オヤジだけになったわけなのです。





私の目はどんどん険悪になっていってですねぇ。おい『おやおや、まだですかねぇ?』見たいな顔で店員を見つめたりするわけですよ。とりあえず五分おきに実際に催促しましたしね。





「……翡翠は翡翠で大概イヤな客ね」




んなことないですよ。みそ汁と、サラダは五分で食べちゃいましたから、カルビ用に残している食べかけのご飯の前でボーッとしていないといけないんですよ。





不機嫌にもなりますよ。





「でも、最後には来たんあるよね?」





ええ、まぁ来ましたよ。三つくらい。





「三つ?」





それが女性店員さん『カルビ速くお願いします』というのを、間違って『カルビ定食お願いします』って言ってたものだから、店長追加の話だと思って、三つも作っていたらしいのです。







そしたら、店長客の前で大激怒ですよ。女の子しかりつけて、厨房から出て行ったわけです。






「店長も大人げないあるよ……」





そうなんですけどね。怒っている内容を聞いていると、どうもよく同じ様な失敗しているようなのですよ。





それよりその後、その女の子と二人きりにされてしまった私の身にもなってください。






客は私以外にいないし、女の子は完璧に泣いてますし、それでも鼻を啜って目を擦りながら、仕事するんですよ。パックになんかソース入れたりですね。テーブルの上の水差しの水を入れ替えたりですね。





「かー、頑張り屋の健気屋さんじゃないあるかー。素晴らしいよ。どじっ子の鏡ね! どこがいけないあるか? ここでグッと来なくて大阪人を名乗るなんてどうかしてるあるね!」





何言ってるんですか。私全然悪くないのに、なんか私が泣かせたみたいで、もう気まずいのなんのって。





女の子の涙に勝てるものねーなと本気で思いました。





あの時、白々しく有線で流れてきたキューティーハニーの歌は一生忘れられませんね。




それでまぁカルビがやってきて、待たせたお詫びにみそ汁三杯くらいお代わりさせてくれましたけど、実にいたたまれない空気でした。




それでですね。二人きりなわけですし、罪悪感も湧いてきましたし、優しい言葉でもかけてあげようかなと、私も思ったわけですよ。




そのドジっ子がなんかブツブツ言ってることに気づいたのは、そんなときでした。
























『……アホンダラ……アホンダラ……アホンダラ……アホンダラ……アホンダラ』

















「……(゜Д゜)」















……(・_・













どう思いますよ? 志貴様?






「……壮絶あるね」






まぁ、なんというか、これの事件以来。大阪のドジっ子に対して凄い偏見を持っている私です。







つか、もう二度と松屋にはいきませんね。私。






「せめて、店長のばかばかばか……とか言ってくれたら可愛いあるけどね」






所詮大阪のドジッ子は『アホンダラ』ですから。





「どうでも良いが、一例だけをとって全てを判断するの止めた方が良いアルよ……」







問題ありません。私は一を見て十知る人ですから。




5月26日





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2004年6月5日





毎日同じ事の繰り返し。この世の中は腐ってる――




なんて思っていた今日この頃――、学校の校庭で真っ黒なノートパソコンを拾いました。




液晶の裏には、「Death Note Personal Computer」と書いてありました。





「ククク、解説するネ。それはデスノートパソコンと言って、そのパソコンに名前を書いた人間を殺してしまえるという非常に便利なパソコンなのあるよ!」






……つか、志貴様。あんた何やってるんですか?





「ん、死神のアルバイトあるよ。最近どうも退屈だあるからねー」





はぁ、まったく相変わらず訳分からない事をやってますねぇ……。





「とにかく、このノートパソコンを使えば思う存分、人が殺せるね。これはもう翡翠のものね! さぁ、自由に使うある!」




そうですか? じゃ、とりあえず、打ち込んでみましょうか。



志貴さ……




「こらぁぁぁっ! いきなりワタシの名前を打ち込もうとするなある!」



いや、だってこういうときは、死んだ方が良い人間で実験するのが吉でしょう? それじゃ志貴様が一番じゃないですか。



「とにかく、ワタシの名前は駄目ある! こういう力を手に入れたら他にやることがいくらでもあるあるよ! 翡翠は何がしたいね?」







とりあえず、お金持ちになりたいです。







「なんかメチャクチャ直裁的な意見あるね……」




「ほら、嫌いな人を殺したいとか、せっかくこんな力を手に入れたんだから、とりあえずブッシュとビン・ラディンと金正日を殺したいとか、世の中を良くしたいとか、新世紀の神になりたいとか、こう、崇高な使命感に燃えるみたいなものはないあるか?」




そんなもんないです。



世の中どうなろうが知ったことじゃありません。私は私の幸せ以外には欠片も興味はないですね。




こうして――





デスノートパソコンを手に入れた翡翠の、お金持ち大作戦が開始されるのである。




うーん。それにしてもこのノートパソコン、今時Windows3.1を使ってるなんて、私を舐めているとしか思えませんね。重量も7キロくらいありますし。持ち運び不可ですし、隠し場所に困りますね……。




「ちなみに、デスノートパソコンに触れたものは、ワタシの姿が見えるようになるから気をつけるね」



まぁ、その時は志貴様から殺すので問題ありません。



では、さっそく始めるとしましょうか。





「でも、お金持ち計画なんてどうするあるか? 二、三人殺して見せて、お金持ちに殺されるのが嫌なら、お金を用意しろとか言うのは簡単あるが、それは単なる恐喝と同じで、すぐに警察に掴まってしまうあるよ」





ええ、そうですね。誘拐事件と同じでお金の引き渡し時が危険ですし、とても安全に出来るとは思っていません。





「意外と人殺しで安全にお金を儲けるのは、難しいあるよ。このデスノートパソコンはどこぞのノートと違って、死の前の行動は操れないあるからね。まぁ、事故死とか病死とかはOKあるけど」







ふふ、私を誰だと思っているのですか。全国共通模試一位になる夢を見たことがある、翡翠さんですよ。すでに計画は、完璧に出来上がっています。






こんなこともあろうかと、すでに琥珀姉さんには、二億円近い生命保険に入って貰っていますからね。もちろん、受取人は私。





「ま、まさか――」







琥珀 11時45分 事故死







『た、大変よ! 翡翠――琥珀が旅行先で階段で転けて死んだそうよ!』





あぁ、そうですか。秋葉様。わざわざ教えてくれてありがとうございます。





ジャスト11時45分、デスノートパソコンに狂いなし。






「ひ、酷いある! いきなり金のために家族殺すようなヤツは初めてみたある! 人間じゃないアルよ!」





要するに、より合法的にお金儲けをすれば良いのです。簡単ですね。さぁ、続いて行きましょう。





「どうするつもりね?」





秋葉様。ちょっと一緒に出かけましょう。何、ちょっと三菱自動車のトラックが多くいるところですから。





秋葉 過失致死





「こ、今度は秋葉がトラックタイヤの脱輪に巻き込まれて、死んじゃったある……」






これでたんまりと、賠償金を貰えますからね。いや、結構楽勝ですねー。







この調子で、とりあえず親戚はまとめて殺しまくってみますか。公害での病死とかはなかなか良いかもしれないですね。他にはお金持ちの息子と身内を喧嘩させて、金持ちのパンチが入った瞬間殺すとか。もうお金ざくざくですね。





デスノートパソコンの犯罪は事故死病死設定しておけば、立証不可能ですからね。私が多少妖しかろうが、問題ナシングです。




「まったく人間のクズみたいなヤツあるね……」




「確かに、既にかなりのお金が集まったあるが、身内を一人残らず殺してしまったアルよ。これからどうするね?」





ふ、私に秘策があると言ったでしょう。さぁ、証券会社に行きますよ!




「今度は株あるか!?」




その通りです。今までのものはデモンストレーションに過ぎません。株式の世界こそが、デスノートパソコンのお金儲けができる真の舞台なのです!




さて、では株を始める前に『空売り』というものを、無知な志貴様のために解説しておきましょうか。




空売りというのは、実際には株式を保有していない投資家が、別の投資家や証券金融会社などから株式を借りてきて市場で売却することをいいます。



株式を借りる契約には期限が付いていますので、空売りをした投資家は、一定期間内に市場で同じ株式を買い戻して返却しなければなりません。






まぁ、要するに、先売り、後買いですね。売った段階よりも買った段階の方が株式が安くなっていれば、その分が儲けになるわけです。






そんなわけで私は今、数社の株を空売りしました。





「まさか――」







翡翠が買った会社の社長〜重役一同 腹上死





「うわぁ、社長どもが死んだら、株がガタ落ちある。しかも微妙にスキャンダル風味ね!」





大もうけです。





まぁ、空売りには限度がありますが、要するに私は他の人に比べて、株式の予測できる情報を一つ多く持っているわけですからね。当然普通にやっても、かなり有利に戦うことができます。




小さめの会社の株を買って、商売敵になりそうな企業を、世界的に片っ端から潰して世界第一の会社になるまで、大きさせるなんてマネもできますからね。



違法な手段を使ってはいけないのです。合法的な手段で、お金儲けをしないとね。ははは! 笑いが止まりませんね!






あとは、このお金を元手に企業を設立し、対抗する会社を片っ端からぶっつぶしていけば、一生安泰ですね。いや、素晴らしい。デスノートパソコン!






「さすがは全国共通模試第一位の夢を見た翡翠ね。応用力があるネ」





「しかし、良く聞くある。死神のワタシがこんなことを言うのもなんあるが、人を殺しても幸せになんかなれないある」




よーし、今日はパーッと遊びに行きましょう。あ、そうです。一回駅のど真ん中で札束をばらまいて、みんなが地面に這い蹲って拾うの見てみたかったんですよ〜♪






そ〜れ〜(バラバラとお札をばらまく)




「とにかく、死神に魅入られたものは大抵不幸であるからして」




ほーら、見てください。志貴様。人がアリのようだ。はははは!




「いや、翡翠……。人殺したんだから、少しは不幸そうな顔をするアル」




無理です。私は今、最高にハッピーですから。




「はぁ、翡翠……お前はもう立派な死神ある。ワタシの教えることはもう何もないね」



そうですか? じゃ、志貴様は用済みですね。






「ん? 携帯電話なんか取り出して、何してるあるか?」






デスノートパソコンは現在RANに繋いで、五分に一度メールを読み込むように設定しているんです。






ですから、こうやってメールを送ると――








「あー、何してるあるか!」



















志貴様 笑い死に











志貴様、あと10秒です。さよなら。私のギャグで死んでください。








「や、止めるあるぅぅぅ!」











タイタニックが大パニック(ボソ)











「あはははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははは――つまんないあるー。あははは、こんなつまらんギャグで死にたくないあるよぉ――はははははは――グホォ(舌噛んだ)」






これで邪魔者は全て片づきました。さて、私は遊びに出かけるとしましょうか。





かくしてお金持ち大作戦は成功し、翡翠は末永く幸せに暮らしましたとさ。





めでたしめでたし。





6月5日





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2004年6月13日





毎度どーも。翡翠です。


――それはある日の志貴様との打ち合わせの一幕である。




翡翠>大変です! 大変ですよ! 志貴様(゜□゜;)!!
翡翠>あぁ、なんてことでしょう。どうしたら良いんでしょうか!
志貴様>どうしたあるか?
翡翠>夏コミ落ちてしまいました(っдT)
志貴様>なんじゃそりゃ――――――ヽ(`д´)ノ――――!
翡翠>なんじゃそりゃとか言われても、落ちちゃったものは、落ちちゃいましたよ。
翡翠>個人的にかなり、ショックですよ。今回はFateだったのにぃー。つか二回も連続で落ちるとは思いませんでした。
志貴様>えーマジで? 君嘘付いてないあるよね?
翡翠>いや、さすがに嘘なんか付きませんって(;´Д`) 大体、こんなので嘘ついたところで、カタログ出たら一発でバレルんですから。
志貴様>翡翠は、こういうことで嘘を付くイメージがあるからネ
翡翠>そこまで信用ないんかい、私は……。嘘じゃないですって、今度証拠に落選通知を見せてあげますから。
志貴様>しかしこれは由々しき事態ネ(´д`) どーするよ?
翡翠>ですねぇ。前回も出してないですし、今回は何か出したいんですが……。なんかもうやる気が、しなしなとなくなっちゃいましたよ。
翡翠>まぁ、コピ本くらいなら、出せる気力があるかんですが、どないです? それとも今回もう止めときます? 個人的には何か作りたいのですが。
志貴様>そうね。何かやりたい感じね
翡翠>じゃ、コピ本でも作りますか(´д`)? 委託で。
志貴様>ちなみに、もし何も出さないとして、君夏コミ行く?
翡翠>条件が良ければ。
志貴様>条件?
翡翠>あぁ、人数が揃って車でGOなら行っても良いかなぁって意味。新幹線だとちと辛いですねぇ。
志貴様>新幹線の方が楽あるよ?
翡翠>荷物の都合でしょう。荷物が多かったら、新幹線の方がシンドイ(〜Tд T)〜
志貴様>それは翡翠が車の運転しないからある(/`д´)/┴─┴
志貴様>運転するワタシはたいがいシンドイんあるよ(`□´)ノ ふざけるなアル!
翡翠>えー、だから私も運転するって言ってるじゃないですか。
志貴様>翡翠にハンドル預けるくらいなら、十五年前のカーナビをたよりに自分で運転した方がマシよ!
翡翠>な、なんて酷いことを!? (〜Tд T)〜
翡翠>十五年前のカーナビなんて、アクアラインを通過中は光の点が海の中にあるってーのに!
志貴様>そんなもん知らんアル
翡翠>んじゃ、志貴様はどうするんですか? 夏コミ。
志貴様>個人的には行きたい気分ね(´▽`) 夏だし、冬行ってないあるからね。翡翠は行きたくないあるか?
翡翠>うーん。個人的には行きたい方ですかね。
志貴様>じゃ、基本的には行くという方針で。
翡翠>OKです。っていうか、話がそれてますよ。同人誌どうするんですか?
志貴様>そうね。委託でやるならオフセは採算が合わなくなる可能性があるね、コピ本くらいは作っても良いアルね
翡翠>じゃ、作るという方針で。コピ本ですから十四〜十五ページくらいですか。割り振りどうします? 比率は私3:志貴様7くらいで行きましょうか。
翡翠>まぁ、私はまたエッセイでも書きますか。あ、志貴様漫画書きます?
翡翠>エロ漫画ですよ。エロ漫画。Fateでエロー。とりあえず、セイバーか凛あたりで。
志貴様>ちゃんとしたエロ漫画を書くならちゃんとページ数が欲しいね
翡翠>うーん。漫画は無理ですか。漫画の分はイラストが入ることになるのかな。バランスはどうゆーのが良いのかわかんないけど。
翡翠>まとまりのことを考えたら、全ページイラストとか? つか10枚くらいだったら、全ページイラスト入りの方が良いような気がしてきましたが……。イラストなしページなんて、一ページあるかないかくらいじゃないですか?
志貴様>ワタシもそう思うね(っдT)でも、ちょっとしんどいかなぁ
翡翠>確かに結局10枚ですからね。そして私はやることなくなるし。
志貴様>全くよ、ひどい話アル(`□´)
翡翠>ホントに酷い話ですよ〜(っдT) 実際どーしませう?
志貴様>そうネ。デジラバのRoughSketch13みたいな感じにするのはどうね?
翡翠>デジラバ? あぁ、なかじまゆかさんのサークルですね。(パラパラ……確認中)悪くないかもしれませんね。短いページ数の割には、結構ボリュームでますしね。
翡翠>今まであまり真剣に見たことがなかったですが、デジラバ、なかなか良いですね。
志貴様>デジラバ、エロくて良いサークルあるよ(´ー`)ノ ワタシはサークルデフォ買いしてるある
翡翠>購入リストに入れておいても良いですね(´▽`)
志貴様>だから前、虎の穴でオススメって言ったのにー(`д´)
翡翠>す、すんません(っдT) 私の目が節穴でした〜。
志貴様>もっと修行するある(`□´)ノ
翡翠>精進します(/д\;) それじゃ、デジラバみたいな一ページ絵と文章を合体させたエロを書くとして、どんなシュチエーションにしましょう?
志貴様>今回はやけにエロにこだわるあるね……
翡翠>そりゃ、そうですよ。私はこう見えてもエロ大好きですよ。
翡翠>エロの大原則は、シチュエーションにありですよ!
翡翠>多人数強姦プレイ、ヒロイン体操服、体育館倉庫、ちょっと縛り、男みんな童貞を強く望みます! スク水可!(濡れてるとなお良い)
志貴様>ワタシは別に童貞じゃなくても良いけど(´д`)
翡翠>かーーーーーー(`□´)ノ どーてーは良いんですよー! 醜い童貞男が美少女を陵辱するときのインモラルな感じが当社比400%!!
翡翠>つか、童貞チ○ポって、単語自体がなんかエロくないですか?
志貴様>ワタシはあんま好きじゃないなぁ(´д`)
翡翠>え――――――――――(゜□゜;)――――――――――――!!
翡翠>シュチエーションは大切ですよ! ヒロインの状態と、陵辱者の状態と、場所とかはインモラルにするに越したことはないべさ(方言)! 場所は体育館倉庫か、男子トイレか、或いは体育の時間で無人の教室ですよ! その場合は隣は授業しているから、声が出せないとか! とにかく体操服体操服体操服体操服ですよー! きゃーうきゃ〜〜〜〜(≧▽≦)ノ
志貴様>エロトークになるとテンション上がってくるアルねぇ(´д`)
翡翠>ノリノリっす( ̄▽ ̄)ノヒャッホー
志貴様>大体、ワタシ体操服に萌えない人なんあるが……
翡翠>なにーΣ(゜▽゜;)ー! なにふざけたこと言ってるですか(`□´)ノ 馬鹿野郎ですか! アホですか! あなたみたいな人は人間のくずです! ブルマ・スク水・制服は女子高生三種の神器ではありませんか(〜`д´)〜 じゃー、どんなコスチュームが萌えるつーんですか?
志貴様>エッチな下着とか
翡翠>うわぁ(゜□゜;)!! マニアックな人がいるよッ!
志貴様>しかし冷静に考えてみると、こんなわけのわからんコピー本欲しがる人っているあるか?
翡翠>あ(;´Д`)我に返りましたね。まー、常連さんなら欲しがるでしょう。
志貴様>何か微妙に労力に釣り合わん気がふつふつとしてきてるんあるが……
翡翠>実験的作品っていうことで、良いんじゃないですか? この方式はとりあえず初挑戦なので、実験的な意味を込めて作るくらいの気持ちで良いじゃないでしょうか。成功したら冬に再度乗せても良いし、失敗ても痛くないので。
志貴様>うーん
翡翠>そんじゃ、いっそ。小説本でも作りますか。
志貴様>コピ本で?
翡翠>オフセットで( ̄ー ̄)ニヤソ
志貴様>え、作るんあるか?(゜д゜)
翡翠>小説本にするんだったら、君の仕事量激減だし、作れそうな気はしますが。
志貴様>小説本かー、ワタシが小説同人誌嫌いなせいか、微妙に乗り気になりづらいあるなー
翡翠>ま、たしかに私もそんなもん読むなら、市販小説買いますけどね……。
翡翠>でも、一回くらいは作ってみたかったんだけどね。
翡翠>ただ……100部でも、6万ちょっとくらいはいるんですよねぇ(/д\;)
志貴様>はーい( ̄▽ ̄)ノ先生、実験以前に値段が高すぎだと思いまーす!
翡翠>えー(´д`)ー冒険しましょうよー。つくりたーい。
志貴様>小説本はとにかく売れねーというのがワタシの認識あるが、偏見か?
翡翠>いや、真実だと思いますよ。
志貴様>だったら駄目あるよ(`□´)ノ
翡翠>わーん(〜Tд T)〜ソゲナ
志貴様>とにかく、作業量の均等化を進めたいところネ
翡翠>(・ω・)ノ逆転ホームラン! 良いアイディア思い浮かびましたよ!
志貴様>今度はなにあるか?
翡翠>いっそ、Fateでミニエロゲーでも作りましょうか。回想シーンオンリーのエロエロゲーム。シナリオ・プログラム私で、原画・CGは志貴様で。
志貴様>まだ、エロにこだわってたんあるか?
翡翠>ええ、今日の私は見知らぬオジサンに、カラオケでも行かないかい? って誘われたらついて行ってしまうほどです。
志貴様>あんま訳分からんこと言ってたら、助走を付けて殴るあるよ……
翡翠>思いつきのわりには良いアイディアだと思いますよ。確実に表紙買いしかあり得ないから、売れるのはそこそこ売れるはず――。パロディのエロだからほぼ確実にニーズがあるし。同人誌を作るよりも私が全開で働けるから、圧倒的にボリュームが出せるし。委託だから失敗してもそんなに痛くないし。原価はあまりかからないのも魅力ですね。値段はボリュームに合わせて変更する。問題は完成するかどうかですが、売ったときリスクが低く、危険性が落ちるというだけなら、今の状況に相応しい気もしなくもないですよー。
志貴様>けど、同人ゲームだとある程度の期待度あるよー。
翡翠>あー、まぁそれは確かに。
志貴様>あんまりショボイもん出したくないあるよー
翡翠>うーん。確かにクオリティとボリュームの問題はありますねぇ。
翡翠>志貴様の基準では企画段階でどの程度のボリューム&クオリティーの同人ゲームなら、納得できる?
志貴様>うーん。このくらいアルね(バサァ……と計画書を見せる)
翡翠>……(;´Д`)えーっと、これって、夏コミまでに完成します?
志貴様>絶対無理
翡翠>じゃ、全然駄目駄目ですねぇ。この案も没ですね(っдT)
志貴様>せめてCG塗る人がいればなんとかなるあるけどね
翡翠>結局の所、いつもこの人員の壁につまずいてる気がしますねぇ。
志貴様>イヤくせー感じあるね
翡翠>まったくヤな感じです(っдT) 私も少しは書きたいです。
志貴様>私も漫画描きたかったある(つдT)
翡翠>うーん……
翡翠>どーしましょーか。
翡翠>うん? 志貴様?
翡翠>おーい、志貴様起きてます?
志貴様>す、すご……ゼルエルに立ち向かうロム格好良すぎある(゜д゜)
翡翠>なに? スパロボ?
志貴様>スパロボ。今回はキャラの絡みがメチャ上手くて楽しいあるよ〜(´▽`)
翡翠>いや、なにとんですか。あんたは。
志貴様>あ、そうある(・ω・)ノ コピ本止めて折り本作らないあるか?
翡翠>折り本ですか。……ふむ。なるほど、意外と良いかもしれませんね。コピ本は折るのが面倒ですからね。
志貴様>そうそう。折り本なら、印刷も綺麗あるし、手間も省けるね
翡翠>ページ数は8と16ですか。なるほど、値段も手頃ですしね。
翡翠>一応その路線で行きますか。くりえい社に一度折り本ができないかどうか尋ねてみますが、ちょっと妖しいです。ちなみに、久弥とか折戸も、この手の折り込み本を出してますが、何故かみんな緑陽社という印刷所を使っていたりします。
志貴様>良く聞く名前あるね
翡翠>えーっと、ちょっと調べてみます。
志貴様>どうあるか?
翡翠>今、パラパラHP見てますが、痒いところに手が届く良い印刷所だと思いますよ。一日で本を作ってくれる一日本というものまでありますし。ちなみにFTP入稿があるから、これを利用すれば良いかなぁと思われます。
志貴様>なにあるか、FTPって?(´д`)
翡翠>要するにインターネット上で入稿できるということです。普通はあんまりやってません。あ、しかもここデーター出力代が無料ですよ(゜□゜;)!! いや、驚きました。ここかなり良い印刷所ですよ(´▽`)
志貴様>データ出力代??(´д`)??
翡翠>……んなこともしらんのですか。あんたは。
志貴様>やったこと無いから知らんのは当たり前よ(`□´)
翡翠>安くなると思っていてくれれば良いです……。それじゃ、今回はセイバーえろえろん話の折り本で行きましょうか。
志貴様>4〜5ページくらいなら犯るだけ漫画描いても良いけど?
翡翠>中途半端にするより統一した方が良くないですか? 全編ラフスケ13方式を推奨します。
志貴様>全編アレで通すのは辛くないあるか?(;´Д`)
翡翠>折り本で作ったら相当短いですよ。商品的に見ると、エロ漫画一本にするか、ラフスケ13一本にするくらいが丁度良いと思われます。
志貴様>コピー本だったらそんなノリでも良かったけど、折り本にするならもちっと色々やりたいあるよー(・ω・)ノ
翡翠>大きいデパート(枚数の多い本)は、色んな要素があって良いですが、個人経営の小売店(枚数の少ない本)は、特色を出して一本勝負した方が、商業戦略的には優位かと思います。
志貴様>いや、そんな大した違いがあると思えないあるよ(´д`)
翡翠>ナンバーワンより、オンリーワンですよ!
志貴様>あーだこーだ
翡翠>こーだそーだ。
   ……
   ……
翡翠>ふぅ、頑固物ですねぇ。仕方ありません。志貴様は折れそうにないですし。私が折れましょうか。
志貴様>そうそう。エロとか初体験あるから、あんま絞りすぎないほうが良いと思うアルよ。一本化は転けたときが痛いね
翡翠>まぁ、確かにそれも一理アリですね。じゃ、志貴様の方式でやりましょうか
志貴様>OKね。今回はエロ漫画とコラムで良いアルね
翡翠>そうですねぇ。ふわぁ(;´Д`)ー眠い。そろそろ寝ましょうか。あー、まだ風呂に入ってないんですよねぇ。もう、お湯がぬるくなってるじゃないですか。
志貴様>ワタシももう眠いある……
翡翠>あ、そうです。この一連の打ち合わせの会話。日記のネタにしても良いですか? なんというか、文章化してみると馬鹿馬鹿しい感じが、非常に馬鹿っぽいので
志貴様>別に良いあるよ。変に書かれるのもいつもの事あるからね(´д`)
翡翠>心外な、変なことなんて書きませんよ! 私は真実の人ですから、基本的に嘘なんて書きません! あれは誇張です。誇張。
志貴様>しかし、誇張って突き詰めれば嘘のような気もするが……
翡翠>誇張は嘘じゃありません(`□´)ノ 基準を少し変えて物事を見たときの真実の一つなのです。見る角度視点によって、一つの出来事でも色々な側面をもつものなのです。印象コントロールを意識的にやると情報操作というのかもしれませんがね。マスメディアではみんなやってることです。情報操作は悪ではないのですヽ(`д´)ノハハハ
志貴様>誇張って表現を使う時点で真実じゃないって言ってるのとおんなじある。悪かどうかは知らんあるが
志貴様>それに、嘘と誇張の線引きなんてそれこそまちまちなんだから、君の弁護は説得力に欠けるよー
翡翠>絵師が似顔絵を描くときのコツは、特徴的な部分を誇張して書くことにあります! 文章においてもそれは同じ! ある時は縮め、ある時は大きくしていくのです! 誇張とは文章技法なのです! 世の中には真実より説得力のある言葉や事実というのもが、往々に存在しているのです! あるものをありのままに書くということは、大抵の場合において、分かりづらいものです。ですから、分かりやすくするために情報の取捨選択をする必要が、絶対的にあるのです。そういう意味合いにおいて、マスメディアは決して真実を語れない性質を抱えているのですが、これは一種のパラドックスですね。結局の情報というのは、他人というフィルターを一度通してしまった時点で、見せ方がある程度変質しているのは仕方がないことです。根も葉もない嘘なら、私も撤回しますが、根も葉もある話で、文句を言われるのは非常に心外です!
志貴様>どうでも良いアル。じゃ、ワタシは寝るね(・ω・)ノ
翡翠>うわ(゜□゜;)!! さらっと流されたよ!
□□□ 志貴様 はオナクナリになられました□□□
翡翠>ふん、これだから人の話を聞かない人は嫌いなんですよー(〜Tд T)〜
□□□ 翡翠 はオナクナリになられました□□□





で、……なんあるか? これ?



私と志貴様の四日にわたる大激論を、10分の1スケールに縮小したものです。




なんか色々誇張が混じってる感じがするよー。つか、私、んなこと言ってないあるよ。想像で書くの良くないね




えー、でも、大体真実っぽいでしょう?




大体、なんあるか? 「翡翠>うん? 志貴様? 翡翠>おーい、志貴様起きてます?」 って。ワタシがねぼすけみたいある。あんなの実際にはなかったらあるよ






だから、演出ですよ。演出。ほら、アレ加えただけで、なんかそれっぽくなるでしょう?






むー。演出過剰過ぎるある……





そうですかねぇ。




まぁ、そんなわけで、今回は百円か二百円の折り本出します。委託予定ですが、どこにするかはまだ決めてません。今のところ、いつもの委託先に頼むか、Fateブースの人でやらせてくれる人がいたら頼もーかなぁーって考えてます。

それと、小数部しか刷りませんので、多分、速攻なくなると思います。

部数制限をかけるつもりはないですが、一人で十部くらい買いに来る人毎回いますけど、今回は勘弁してくださいね。

まぁ、早く来ないとなくなる可能性が大です。常連の方は取り置きしときますんで。

委託先については、そのうち告知します。それでは夏コミをお楽しみに。






6月13日






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2004年6月21日






どうですか? 姉さん儲かってますか?



「ぼちぼちです」



大阪人っぽいやりとりをしてしまいましたね。



ホントにこんな会話している人は、大阪にもいませんけどね。ところでどうしたんですか? 急にお金の話なんかして」





いえね。何か楽して大もうけできることはないかなぁーと。





「あれ? 先々週なんかやってまんでした?」





あぁ、DNPで儲けたお金は、もう全部使い切ってしまいました。





「あらら、そうなんですか。やっぱり将来の展望とか長期的な計画を建てながら、やらないと駄目ですよ。こういうのは。お金儲けとかはですね。やはり先人の知恵に頼るのが一番良いんですよ」





孔子は語るとか、SONY社長は語るとかそういうのですか?





「いえいえ、もっと身近な例で。ほら、そういえばうちの近所で、一番お金儲けをしている所って、どこだかわかります?」






さぁ。あんまり興味もありませんでしたが。どこなんですか?





「N診療所ですよ」





それって、信号渡ったところにある、あのN診療所ですか? え? 今回はマジ話ですか?





「マジ話です」






……えーっと、良いんですかね。マジ話なんかして。っていうかうちの住所突き止められますよ。こういうコトしてると。






「ははは、大丈夫ですよー。大阪も広いですからねー」






「ちなみに、N診療所って結構大きいでしょう?」






そうですね。個人診療所の割にはその区域の一区画を占有してますし、家の裏には何故か畑まであるという、不思議なほど大きな診療所ですよね。っていうか診療所ってもう少しこじんまりした感じがありますけど、あそこは普通の病院より全然大きいですからね。





「アレはですね。大もうけしている証拠なんですよ」





「良いですか。お金儲けのコツは以下の三つになります」






@固定客を捕まえる。
A可能な限り経営の無駄を排除する。
B安くて良いものを提供する。






ふむ、なんか凄くまともですね。つまり今回はN診療所の経営方針を参考にして、自らの商売を展開させていく参考にするというお話なわけですね。





「じゃ、まずレッスン1固定客を捕まえる。というところから行ってみましょうか」





そうですね。お願います。





「このN診療所は、固定客を捕まえるために、この業界でもかなり特殊な方法を使っています」





ほう、どんな工夫をしたんですか?





「それは公害患者を集めたことです」






……公害患者?






「いわゆる、公企業の活動によって地域住民のこうむる人為的災害のことですね」





え? 公害なんて、この辺りでありましたっけ? 初耳なんですが。






「ふふふ、公害患者と認められるためには、公害認定というのもが必要なんですが、これは一昔前までは、非常にぬるい規定だったんですね。そこでN診療所はホームレスの人や、身体障害者を集めて、公害認定してしまったわけです」






え……? それじゃ、本当は公害じゃないんですか?





「まぁ、殆ど違うと思いますよ。でも公害認定されてしまえばこっちのものです。そうすることで患者に月に五万円の援助金が、降りるんですよ。仮にホームレスの人がいたとしても、その人達にとっては、月五万円もあればかなり普通に生きていけますからね」






「そして、公害患者は月に何回か診察しにくることを義務付けられるわけですね。それによって、N診療所は収益を得ているわけです」






「またこの固定客を捕まえ続けるために、公害認定証明書は診療所側が押さえています。このために他の病院にはいけないと、こういう仕組みです。また逆らったりしたら、公害認定を解かれるので、従うしかないんですね」






……それ完璧に詐欺でしょう?









「違いますよ! お客様を捕まえておくためのテクニックです!」







証明書を病院側が押さえてるとか、いう時点で……違法くさい……







「何言ってるんですか。患者もうはうは、診療所もうはうは。誰も傷つく人がいないんですから、こんな目出度いことはありません」





税金がもったいなくないですか。





「何言ってるんですか。世の中色んな所で無駄な税金は使われているものですよー。今更何を言っているんですか」





うーん。





「まぁ、N診療所は公害認定患者を百人ばかり捕縛しているそうなので、その甲斐あって繁盛しているというわけですねー」





「じゃ、レッスン2に行きましょう。次は可能な限り経営の無駄を排除する――です」





まぁ、これはどこの会社でもやってますからね。リストラの嵐が吹き荒れたのも、人件費削減であり、経営の無駄を排除した結果ですからね。





「N診療所は、ここでも業界の常識を打ち破る凄まじい戦略を展開しました!」





と言いますと?





「N診療所では、入院設備があるのですが――」







「土日には医者も看護婦も全員完全OFFにしたのです!」







……え、えーっと、それって、入院患者がいるにも関わらず、病院内に医者も看護婦もいないってことですか?





「その通りです! まさに掟破りの経営方針ですね」





掟破りすぎて、法律まで破ってますよ!





あー、よくよく思い出してみれば、休日にN診療所の前を通りかかったら、入院患者らしき人が、窓から近所の人に用事を頼んでいるのを見たことがありますよ。





なんで、あんなことしてるのかと思ってたら、診療所に誰もいなかったせいなんですね……。







「でも、凄い斬新だと思いません? 医者の硬い頭で、こんなことが考えられたなんて信じられませんね」






いや、考えついても普通実行しませんって……。大体、入院患者ほったらかしにて、何かあったらどうするつもりなんですかね。





「そう言えば、医院の中に医者も看護婦もいないきにですね。朝起きたら、入院患者さんが泡吹いて死んでいたっていう壮絶なエピソードがありますよ」









致命的に駄目じゃないですか!









「はぁ、なんでも元々がそのN病院系列の眼科から来た患者さんで、入院したらしいんですね。それで翌朝、全然起きてこないので同じ入院患者の人が不思議に思って見に行った所、ベットから落ちて泡吹いて死んでいるのを見つけたらしいです」







「それで患者さんは、自宅ひっこんでいた先生を呼びに言って、一応蘇生措置を施したけど、まぁ、全然駄目でそのままご臨終という、まぁ、そんな感じです」





それ医療事故どころの騒ぎじゃないですよ。大体なんで眼科から入院した患者が、次の日泡吹いて死ぬんですか! 変じゃないですか!






「大丈夫です。その辺りはお医者様ですからね。家族のいる患者なんか受け持ちませんし、死亡診断書をちょちょっと書いて、火葬して無縁仏として埋葬しちゃえば、物的証拠なんて何もありませんからね。ははは。N診療所も伊達に三十年以上、この業界でやっているわけじゃありません。この辺りの経営戦術は完璧ですね♪」





楽しそうに言われても……。







つか完全実話なのが嫌臭いですね……本格的に。






「まぁ、他にも経費削減のために、年金に加入してると三十年くらい看護婦を騙してて、実は入ってなかったんです。ヘテ。っていうウルトラCを決めたこともあったらしいですけどね」






「この無駄を徹底的に削り落としていく姿勢は、経営者として見習わなければならないところです」






贅肉どころか、内臓まで切り落としてる感じですよね……それって……。







「じゃ、次ぎにレッスン3! 安くて良いものを――に行きましょう」






なんていうか。どうせろくなことじゃないような気がしてきました……。






「大切なのはお客様との関係です。N診療所はよくお薬を持って色々とお宅を回っていたのです」





むぅ、なんかまともなことをやっているように聞こえますが、ここでのポイントはなんですか?





「ええ、老人医療が無料の時期があったという所にあります。つまりですね。医者がお金儲けをするためには、薬と検査が一番効率が良いのはもう知っていると思います」





ええ、そうらしいですね。







「ですので、N診療所は、今まで一度でも病院に入ったことのある老人の家を回って、薬を配っていたんですね。貰う方はお金がただですし、医院はお金儲けが出来る」





「このころは、もう薬が十束くらいまとめて、どどーんと渡していたようです」





……。





「やっぱり大胆に動いていながら、こういう細かいケアを忘れない所が、診療所を大きくするコツなんですねぇー」




「きっと老人医療にも一割取るようになって一番嫌がったのは、この診療所でしょうね」





毎回風邪引くたびに疑問に思ってたんですよ。比較的近所に病院があるんだから、あそこに行った方が私も楽だって。



それなのに、どうしてうちの母親があの病院に私を連れて行かなかったのか、今わかりました……。





っていうか、最悪ですね……。今までよくこんなクソみたいな診療所が残っていたものです。





「何を言っているんですかー。こういう病院も世の中には必要なんですよ。世の中には普通の病院に入院できないような人もいるんです。そういう人達のためにはこういう病院は必要なんですよ。まったく法律を順守してれば、自分がいい人だなんて思ってるんですか? 翡翠ちゃんらしくないですねー そんな型通りで世の中出来ているわけないじゃないですか」






「法律を破ってでこそ出来る人助けもあるんです!」





いや、人助けっていうか、基本的に私利私欲でしょう?





「私利私欲じゃない仕事なんて、あったらお目にかかってみたいものです」






まぁ正論ですけどね……。




まぁ、そういうことにしておきましょうか。




実は私もこの話を聞いていたときは、新聞社にでも密告しに行こうかとかなり本気で思いましたが、こういう社会悪的な人々も必要かも知れませんね。





「そうですよ。彼らは既にリスクを冒して、運営しているんです。野次馬ごときが、その正邪を判断するのは大きな間違いです






「お金儲けをするためにはリスクが必要ということです。博打でも銀行強盗でも同じです」









「つまり日記を書くときも、時にはこういうハイリスクなマジ話を混ぜてみるのも、一興だっていうところですかねー」







いや、っていうか、もしこれうちの近所の人が見たら、どこの診療所かはっきりしますし、ぶっちゃけ営業妨害甚だしいですし、文句言われたらどうしようってハラハラドキドキですよ。









「大丈夫ですって! どーせ、こんなページ見ませんから!」









「それにこんな話、ネット上でよくある戯言として処理されますから、問題ナシングです!」









しかし、リスク高い割にはお金儲けできないんですよねぇ……意味ないですよねぇ……。






「心が豊かになれば、それで良いじゃないですか」









今回の趣旨はお金儲けをしたいって話しだったんですけどねぇ……







6月21日





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2004年6月27日






さて、今回は現代人に不足がちな女子高生分を補給するお話しです。





女子高生分が不足しているなーと思う人は是非とも読んでください。





なにはともあれ日記スターです。







◇ ◆ ◇ ◆ ◇






どうも翡翠です。いま暇ですかお二人さん?





「えー? なんですか? これ?」






「ナンパ?」






いえいえ、違います。ちょっとお話を聞かせて欲しいだけですよ。どうですか? そこらへんのベンチにでも行ってお話ししませんか? 大丈夫ですよ。確かに一見妖しく見えますが、いまの世の中はハイリスク・ハイリターンの時代です。刺激と興奮と陶酔と恍惚を求めて、若き魂を燃焼させてみるのもまた、一興かと思いますが。






「変なナンパ(笑)」






「どうする?」






まぁまぁ、こっちに来てください。ほら、あなたはこっち、あなたはこっちの席です。実はですね、最近女子高生分が不足しているので、女子高生分を回収しなければならないと思いまして、声をかけたんです






「女子高生分?」






水分とか鉄分の一種で、ミネラルの仲間だとされています。人間が生きていく上で必要不可欠な養分ですね。人間年をとるにつれて、女子高生分が不足してくるんですね。これが老化の原因だと考えられています。親父のみなさんが、女子高生を欲しているのは主にこの養分補給のためだと考えられます。











「変だ。凄い変な人だー(爆笑)」










あぁ、音声録音しますけど、良いですか? 大丈夫です。悪用はしません。善用はしますけど。




ちなみにこちらに悪意がなかったら、それって悪用になりませんよね? 聞くまでもないことでしたね。十字軍も正義のために殺しまくりましたが、これも一種の善行ですからね。神様は許してくれます。アーメン。まぁ、そんなわけで少しお話ししましょう。






「いいですよ(笑)」






お二人ってどいうお友達なんですか? 同級生?






「違います。私がN高の一年で、この子がS高の二年生」






「私の方が年上のに、ため口叩かれてるけどねー」






へぇ、学校も年が違う友達ですか。珍しいですね。そういうのどこで知り合ったんですか?






「私たちは塾ですね。そこでグループみたいなのがあって、みんなで遊びにいかない? みたいな話になって、その時に知り合いました」






「みんなでライブ見に行ったんです」






あぁ、心斎橋の辺りライブ多いですからね。二人で良く来るんですか?






「たまに。家がちょっと遠いけど、この子の家がここから歩いて五分くらいの所にあるんですよ。それでライブあるときは泊めて貰って、そのまま学校ルート」






「お陰で私の家はみんなの溜まり場と貸してます。体よく使われてます。しくしく」






そりゃ大変ですね。男の子と知り合っても家に連れ込めない?






「いや、それは割と簡単かも。結構男友達も出入りしてます。ロマンチック度はゼロになるけど。女友達を追い返しても、電話がかかってきて「今から行くからー」とか。全然二人きりになれない。めそめそ」








中継地点の家ってそういうのが多いですね。両親とか何も言わないんですか?








「うちは割と放任だから言わないですね。っていうか、うちの母親が私の友達と仲良くなって、直電話とかしてますよ。コトピー(うちの母親のニックネーム)、今からクラブいかねー? とか」








それは凄いかも。今時珍しいですよね。そういう母親って。






「この子のお母さん若いしね」






いくつなんですか?






「三十台。けど精神年齢は間違いなくまだ二十代。この前、私の制服着て、私もまだまだいけるわね。ニヤリとかやってました






すごい。じゃ、お父さんとかは?






「あー、あの人は駄目ですね。全然駄目。なんていうか話が合わない。感覚も合わない。お母さんは尊敬すらしているんだけど、お父さんはなぁー」






娘の制服を着て、鏡の前で、俺もまだまだ捨てたもんじゃないな、ニヤリとかやってません?










「やらないです(笑)」









「あははははははははは」









「嫌いじゃないんですよ。時々ウザイのが困るだけで。でも邪険に扱うのも可哀相だから、いたわってあげようと、えっとこういうのなんて言うんでしたっけ?」







ボランティア精神? 博愛主義?








「あ! それですそれ!」






あんたのお父さんは犬か。






「犬の方が可愛げがあるかも……」






ひでー。






「でも、私はあんまり好きくないかも。お父さんは。お母さんもあんまり」






うるさい?






「うるさい方だと思います」









普通そうでしょうね。いい歳こいた父親が、娘とヨン様トークとかしてたら引きますよ。








「翡翠さんはヨン様トークできるんですか?」






出来ますよ。私を誰だと思っているんですか? 仮にも翡翠さんですよ。ぺ・ヨンジュンだろうが、ダニエル・ラドクリフだろうが、何でもござれです。そもそも韓国映画というのはですね、あのストレートなラブストリーが――(中略)――で、吐き気がするほどのゲロ甘話をやらせたら、韓国映画は世界屈指ですね。






「濃ゆい……。滅茶苦茶濃ゆい(笑)」








やっぱり成長って残酷ですよね。特にハリポタのエマ・ワトソン(ハマイオイニー役)は――(中略)――で全七部二年ごとで作ったら、十四年かかる計算。まるでチャーリーシーンがアルプスの少女ハイジの――(後略)








……








……







……








……って、いけません。映画談議になってしまいました。








「いや、面白かったですよ。これが噂に名高い漫談とか言うやつなんですね」






私が漫談しても仕方がないんです。あなた方が私に全ての秘密をさらけ出してくれないと!








「なんかそういう言い方は、インビですよー」









じゃ、次はエロトーク








「えー。マジで(笑)」






大マジです(真面目に)。で、ウリはやりますか?






「ストレートですねー」






速球派ですから。






「やりません」






「私も」






ちっ






「今の<ちっ>てなんですか?」






ギャグです。






「ギャグ臭くなかったよねー。マジっぽかった」






ふぅ、やれやれですね。本気でやる気だったら、お金なんか使いません! このまま口説き落として、そのまま3Pにもつれ込ませますわー。






「……」







「……」







……ごめん。嘘です。流してください。





でも、そういう子周りにいます? いや、回して欲しいとかじゃなく知的好奇心と後学のために知りたいんですが。






「私はあんまりそういうのは詳しくないですね。やってそうだなぁって子はいますけど。クラスに一人か二人くらい?」






「うちもそんなに多くはないと思う。最近はエンコーもなんか流行らなくなったみたいで」






流行とかですか? エンコーって。






「流行ですね。みんながやってるから、私もしなきゃ的な」






そうなんですか。個人的には、援助交際推進派なんですよ。世の中の女子高生分不足で喘いでいるオヤジのために、女子高生には頑張って欲しいですがね。






「推進してるんですか? 珍しい。でもやっぱり悪いことですよね」






節度をわきまえれば良いと思いますけどね。まぁ、エンコーの節度ってなんよ? って話ではありますけどね。



そもそも価値観というものは、社会全体が作る物ですけど、低年齢層の人間の場合は、仲間内で社会とは違う価値観が形成されることが多々あります。みんながやってるから罪悪感とかが失われてしまう。麻薬グループみたいなもんですかね。





やっぱりね。中学生とか高校生とかの最大の問題というのは、地力で環境を作ることが出来ないという所にあるんだと思うんですよ。自分で自分を作れないから、他人の意見というか、誰かによって作られた環境にはまってしまって、それが自分の形、あるいは意見だと思い込んでしまう。こうなると個性が完全に失われてしまうわけですね。



そう言うことは悪い事じゃないし、別に構わないですよ。当たり前のことですからね。ただ、お前ら影響受けるのもほどほどにして、もっとクリエイティブになれよ。とか私なんかは思う時はありますけどね。






「うーん。それはあるかも。でも自分らしさって難しいですよ」






「うんうん」






そうですか? 一切の偏見と制限なく広範囲から情報を取得し、その全てを裏切る形で、他人の目を一切気にせず、天上天下唯我独尊、我あるが故に世界ありみたいなノリで、肩で風切って歩けば、人間としてのオリジナリティは結構出ると思いますよ。






「翡翠さんはかなり特殊な部類に入ると思います」






そんなことありませんね……。私なんてまだまだオリジナリティが足りなくて困っているんですよ。






「中高生の環境の話の例えが麻薬とかの時点で、結構オリジナル?」






あぁ前に色々知り合いに取材したもんで。ちなみに、私は酒も煙草も薬もギャンブルにも手を出さない人ですよ。ビックリ真面目人間ですねー。本当はもっと不良になりたかったんですけどね。






「嘘くさいですって」






私の友達だとかだと、女の子の胸を料理漫画風に表現しますよ。



むっちりとして大きくコクがありまろやかで、口の中に入れたときのとろけるような舌触り、噛み締めると奥から肉汁がぶわっと湧いて出てくる。なんてジューシーなんだ。凄い、凄いよー。洋一君! みたいな? こういう人間としてどうよと思われる、不可思議なオリジナリティが欲しいですね。






「……類友だ(ボソ)」






で、二人とも普段から頻繁にえっちしてますか?









「うわ、不意打ちだ!」







桶狭間とか好きなんです。






「えー、私はあんまりしませんかね」






「私も、頻繁には」






二人とも、彼氏いないの?






「一応いますよ。けど、今更そんなに盛ってないっていうか」






「私はラブラブ。でも、男の人は充分盛ってますけどね。飲めとか(笑)






「あぁ、言うねー。飲め






言われたら飲む?






「飲まないですって」






「わたしはノーコメ」






もしかしてえっち嫌い?






「うーん。どうだろー。でもあんまりやるとシンドイしね。そればっかりになるのもなんだかなと。ロマンチックな感じじゃなくなりますからね。なんていうか、私を感動させてくれて、ハートが震えて、もうたまらない。あなたが欲しい! って感じじゃないと。生理現象的にやられるのはあんまし好きくない」






「だね。ゼンギなしとかも勘弁してほしい。性欲処理は風俗でも行ってくださいと思う」






男の人がそういう所に行ってもOKなんですか?






「浮気されるよりマシ。私はもう割り切ってますよ。うちの彼氏は風俗大好きだから」






「私はそういうのはいやー。あたしが好きなら我慢しろと言いたい。ザ・メキシカンっていう映画でも出てたんですけど、えっちは人間の本能だから、どんなえっちをするかでその人間の本性がわかるんだって。やさしいえっちをするやつは心も優しいの。そしてうちの彼氏はえっちがやさしい!」






へぇー。なんか勉強になる話ですね。






でも、彼氏いる割には友達同士で遊びに来てるんですね。






「今日は二人でコンパニオンのアルバイトの面接なんです。ほら、私ら可愛いし。って自分で言うし。あはは。あ、ちなみにえっちー奴じゃないですよ。真面目なコンパニオンですよ」






今時は選挙にでもコンパニオン使いますからね。っていうか、コンパニオンって年齢制限があったような。高校生OKなんですか?






「もち誤魔化します(笑) まぁ、建前と本音は色々違うらしいですよ。でも、結構彼氏置いて友達で遊ぶことは多いですよ。回数だけで行ったら友達と遊ぶ方が多いくらい」






あ、そうなんですか? 女の友情なんて脆いものだと思ってましたけど。






「やっぱ、愛と友情は違いますよ。どういう経緯で付き合ったかにも寄りますけど、趣味ってやっぱり女の子友達の方が合うじゃないですか。そういう意味では友達と一緒に遊ぶ方が楽しいかも。彼氏は彼氏で良いですけどねー。越前君と手塚部長の良さを話してもわかってくれませんからねー






あれ? そっちの人?






「私は違うけど」






「あー、ちょっとだけ。友達にはめられた。今はほどほどに。漫画は今でもほどほどに好きですけど」






なるほど。あ、そうだこれだけは聞きたいことがあったんですよ。






私は外に出ると必ず若い女の子同士の話の盗み聞きをしているんですけどね。あぁ、別に変な意味じゃないですよ。ただの職業病で、女の子を観察せずにはいられないだけです。






「それは十分変な意味だと思いますよ」






まぁ、それでですね。話を聞いてるとこういう事を言う人が多いんですよ。









<なんか面白いことないかなー>








って。こいつらそんなに人生がつまらないのかなーって。






「あー、私も中学の頃かかってましたね。学校に行って、家に帰って、飯食って寝る。寄り道するのも怠いし、友達と遊ぶのも面倒だし、家でごろごろしてました。いっつもお母さんに、ごろごろしてないでーとか言われてました」






つまんないもん?






「やることなくて退屈なんですよー。なんか燃え尽きた感じ? 勉強とかも一生懸命やる気が起きないし」






ふーん。目標がないからですかね?






「多分、そうだと思う。何をしても面白くない」






今は違う?






「違いますね。恋してますから。ビバ。ラブですよ。愛は人を変えるんです」








うわ、真面目な顔で言われたよ。ぎゃふん。








「はは、勝った」








「私は一応、将来翻訳家になりたいんですね。それで来年とか中国に留学とかしてますから。やること多いせいか、あんまり面白くないとかは思わないですね」






恋と夢ですか。確かにつまんなくなさそうですね。結局少女よ大志を抱けってところんでしょうかね。






話してても、お二人は面白そうな人生歩んでいるっぽいので、大丈夫でしょう。今日は楽しかったですよ。女子高生分はたっぷり補給できましたし。






「何か吸われちゃったよー(泣)」






「こっちも面白かったですよー。人類の変種に会ったって話の種にします」









それは光栄ですね。こちらも、二人のことはばっちり日記に書きますから〜。それではさよならー。






とまぁ、そんなことを話しました。結構楽しい時間でした。






時々はこういう馬鹿トークに鼻を咲かせるも良いものです。











それにしても……












最近の女子高生は胸が大きいナ











今回の話はその一言を語るためにあると言えるでしょう。うーん。お見せできないのが残念です。揺れますね。ぷるぷる。






6月27日





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2004年7月6日






ちゃんちゃらちゃららら、ちゃんちゃんちゃん――






翡翠と琥珀の三分間クッキングの時間です。







今日は一体どんなビックリお料理が飛び出すんでしょうか。それでは、今日のリクエストにいってみましょう。姉さんよろしく。







「はい、岐阜県にお住まいの、<我夢見がち故に遅刻しがち>さんからのお便りです」







<翡翠さん琥珀さんこんにちわ。私は中学三年生になるのですが、気が弱くいつもみんなからは大人しい大人しいって言われています。本当は言いたいことがいっぱいあるのに、どうしても勇気が出ないで言うことができず、悔しい思いばかりしていました。翡翠さんみたいな毒舌になってみんなを見返したいのです。どうすれば良いか是非とも教えてください>







まったく失礼な方ですね。この聖人君子として名高い翡翠さんを捕まえて毒舌だなんて。







「翡翠ちゃんは十分毒吐きだと思うけど……」







戯れ言はどうでも良いんですが、大体毒舌なんてなろうと思ってなれるものじゃないでしょうに。







「何言ってるんですか。それをちゃんと教えるのが私達のお仕事です」







それはそうなんですけどね。







「というわけで、今回は毒舌の作り方です」







「まず準備するのは、ボウルを出してください。翡翠ちゃん」







はーい。これで良いですか?







「そして各種薬草」







はいはい。







「さらにマムシ、タランチュラ、などの毒虫」







これですね。







「これを全部潰して、たっぷり汁をボールの中に混ぜます」







「こうして、三つのボウルに毒汁、薬汁、焼けた砂を入れます」







はい。準備完了です。







「次ぎに、毒のボウルに舌を突き入れます。今回は人間の舌の変わりに牛の舌[タン]を使いましょう」





はい。これですねー







「ちなみに本番は自分の舌を使って下さいね。また毒汁はかなりの猛毒ですので、つけたまま放っておくと、舌が腐り落ちてしまいます。それで薬草のボウルに舌を付け毒を中和するんです」







こうですね。シャプシャプ――









「そして最後に綺麗な水で洗います。これを44日間休まず続けるんです」








「完成すると、こんな風に舌の表面に『毒』という文字が浮かび上がってきますので、それを目安にしてください」










イメージ的にはこんな感じですか?














「そうですね。そしてこっちにあるのが完成品です」





「どうですか? 見事なまでの毒舌でしょう?」









しかし、姉さん。なんかこれ滅茶苦茶胡散臭いんですけど……。こんなことで本当に毒舌になれるんですか?







「なれますよ! 民明書房刊にもちゃんと書いてます。毒舌は古来中国で暗殺者が好んで使ったと言われています。武器を持っていないと敵を油断させたところで、舌でグサリ――。かすり傷一つ付けただけでも舌からしみ出した毒によって、死に至らしめることが出来るのです」









ちなみに、毒舌家とキスすると死ぬんですか?







「もちろん死にます。ペットボトル回し飲みでも、大量虐殺が可能。唾を吐いただけでも、かなりの殺傷能力があるのですよ。まさに人間細菌兵器ですねー。いやはやすごいものです」







「ただ舌を噛んだらそのまま死んじゃうので、早口言葉などはしない方が良いですよー」







さて、我夢見がち故に遅刻しがちさんお役にたてたでしょうか? 是非とも毒舌になってみんなを見返してあげてくださいね。でもまぁ、ぶっちゃけ、毒舌になんかならない方が良いんですよねー。毒なんか吐いても言うほど実りがないですからね。







では時間がやってまいりましたので、今回はこの辺りで。翡翠と琥珀の三分間クッキングのコーナーでした! 








「来週をお楽しみに!」






ちゃんちゃらちゃららら、ちゃんちゃんちゃん――











次回は『二枚舌――舌を二枚に下ろす方法』をお送ります。お楽しみに!





7月6日





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2004年7月11日






このところパソコンの調子がおかしかったので、もしかしたらウィルスが入っているのかも、と思って念のためにトレンドマイクロ社のオンラインスキャンをやりました。





すると、見事に「WORM_ANTINNY.A」というウィルスが引っかかりましたが、ウィルス情報のページを見ていると、破壊活動はないし、ダメージは低でした。






はー、なんだ。大したことないじゃないですか。これならさっさと駆除してしまいましょう。ということで、駆除の方法をHPで見ていると、





突如、










きゃ――――――――――――――――――――――――――――――――――!









という悲鳴がスピーカーから大音量で響き、さらにパソコンのディスプレイの画面が赤々とした血しぶきで染まりました。






私は驚きのあまり速攻でパソコンの電源を落としてしまいました。






あぁ、これは明らかにウイルスの活動です。話には聞いてましたが、こんな風にディスプレイに異変が表示されるようなウィルスに今までかかったことがなかったので、私は少なからず動揺していました。胸もドキドキです。







とりあえず、パソコンを再起動させてみます。すると、こんなメッセージが出てきました。






===== ===== ===== ===== ===== ===== ===== ===== ===== ===== ====
次のファイルが存在しないかまたは壊れているため、Windows を起動できません。
<windows root>\system32\hal.dll
上記のファイルをインストールし直してください。
===== ===== ===== ===== ===== ===== ===== ===== ===== ===== ====






(゜Д゜)






どの辺りがダメージ低だったのでしょうか? 思いっきりパソコンが起動しないじゃないですか!






あぁ、これは困りました。本気で弱ったことになりました。






これから何をしようにも、起動しなければ対策もなにもありません。






パソコンの再インストールは少々面倒でやりたくありませんので、被害に遭わなかったノートパソコンをたちあげて、インターネットで現状からの復旧を模索しました。






うーん。どうやら、これはhal.dllがないというよりも、むしろboot.iniが破壊された可能性が強いようです。






boot.iniというのは、簡単に言うと起動するとき何をどういう順番で読み込みに行くかを書いてある設定ファイルだと思って下さい。






それでXPの原盤CD-ROMを持ってきて、回復コンソールを立ち上げて、復旧作業を開始しました。






が。






動きませんねぇ。参りましたね。これは。hal.dllを直接入れても駄目ですし――






はぁ、やれやれです。これは再インストールしかないようですね。






まぁ、こんなこともあろうかと、システムプログラムの入っているCドライブは、アプリケーションデーターとゲームしか入れてませんし、被害は最小限に抑えられたので良しとしますか。






大量のデーターが入っているD,Eドライブが破壊されていたらと思うと、ぞっとするところですけどね。






さて、そろそろ、再インストールも終わったようです。






どうやら、まとも動いているようで……うん? なんでしょうこれは……?






エクスプローラーでDドライブを見ていると、zipファイルのサイズが全て113Kになっていました。






いえ、zipファイルだけじゃなくて、jpgやtxtまで?






まさか、そんな馬鹿な――






私が震える手で、テキストファイルを開けてみると、そこは「ぬるぽ」になっていました。






zip.lzh.rar.jpg.txt.doc.mp3.wmaの拡張子のファイルが全部、書き換えられていたのです。








つまり









全滅。










ど――









どこが危険度低ですかぁぁぁっ!










これは酷い。酷すぎる。HDのデーターの半分近く破壊されました。特に圧縮ファイルを壊されたのがかなり痛い。







そりゃこんな状態じゃ、パソコンも起動しないはずです。






あぁ、なんてことでしょう。






コミックも、音楽も、ゲームもまとめて破壊されてしましたぁ。






約200Gがただの「ぬるぽ」に……






ありえないですよ。こんなことは。






私は一応復旧方法はないかと、インターネットでこのウィルスに関する情報を集めて回りました。






そして数十分後、ある結論を私は得ました。






もしやこれは噂に名高いキンタマウィルスとか言うやつなのでは? 亜種のぬるぽわーむ?








そうえば、京都府警の警官の一人が、パソコンに調書を入れていた所、それがインターネットに流出してしまったという事件がありましたが、今回私を襲ったウィルスもその亜種なのでしょうか。






だとすると、データー破壊事件よりも、さらに深刻なことになってしまいます。







このウィルスは、ディスクトップに置いてあったデーターをまとめて圧縮して、インターネットに流してしまうんです。






……






それはいけんとですよ。いけんですたいよー。






私はディスクトップにリアル日記のバックアップを置いてたんですよ。






あぁ、怖い想像です。なんて恐ろしい想像なんでしょう。それは私の本音という本音が書きまくられている凄い赤裸々な日記なのです。ギャグなんて一切ありません。






私は日記をそれはもう細かい描写まで徹底的に書く人なのです。






ちなみにこんな感じで書いてます。
(オチなしのサンプルなので、読まなくても良いけどね)



2004/7/4

 俺は図書館から帰ると、荷物を置いて再び玄関から出て行こうとした。丁度そのとき、二階からオヤジ様が降りてきた。
「どこにいくんや?」
「ちょっとそこまで――」
 と言って俺は足早に玄関から外に出た。パンを買いに行く。とでも言ったら、また何か言われそうな気がしたからだ。時間は五時三〇分。昼ご飯にするにしては遅すぎる時間だ。
 それにしても相変わらずこの時間帯におけるオヤジ様との会話がない。世間話すら出来ないのは、いかにお互いが理解し合ってないのかという所だろう。話なんてあってないようなものだ。
 口を開けばつまらないオヤジギャグを言うか、変な曲を歌うか、文句を言いうだけで、ユーモアのセンスが根本的にない。
「今更言っても仕方がないか」
 俺は今里商店街にまで自転車を走らせた。
 今日は久しぶりにパンが食べたかったのだ。それにこのところ昼飯に贅沢し過ぎているかなと思っていたところなので、なるたけ節約しないといけない。
「あれ?」
 商店街のいつもの場所にパン屋がなかった。場所を勘違いしたのかと思って、少しうろついてみたが、やはり見あたらない。記憶を頼りにここだと思える場所に行ってみると、そこには『入居者募集中』という札が貼られていた。
「まいったな、まさか潰れたのか?」
 俺はシャッターの前で呆然としてしまった。確かに商店街は比較的移り変わりが激しく、昔合った本屋もなくなっているし、玩具屋も消えた。だけど、ここのパン屋は味も良いし、なくなるとは思ってなかっただけに、少なからず衝撃を受けた。
「これも時代なのかね」
 俺は自転車のサドルに体重を預けて腕を組んだ。溜息を一つついて、仕方なく帰ろうしたとき、ふと背後にパン屋があるのを見つけた。
「新しいパン屋か。なるほどつまりこことの競争に負けて潰れてしまったわけだな。まぁ、隣り合う場所に同じ店が出来たら、単純に客は半分になるからな」
 丁度良いのでここで何か買っていこう。味の方はわからないが、手作りパン屋みたいだから、それほど酷いものが出るとも思えないし。
「いらっしゃいませー」
 店内に入ると、高校生くらいの女の子が声を上げた。元気にでもなく静かでもなく、ビジネスライクな口調だった。要するに頭にすり込まれた反射的行為なのだ。
 店内はあまり広くない。俺はパンの置いてある三段の棚を眺めて不思議なことに気づいた。
 この菓子パン、向かいにあったパン屋のと同じじゃないか?
 形と良い大きさと良いまったく同じに見える。
「うーん。こういうパンってオリジナルなんだと思っていたけど、実は確立されてるのかな?」
 ハムロールとかウィンナーパンみたいなものなのだろうか。
「それにしては前に見たようなパンが殆どをしめているような気が」
 俺は店内を見まわしていると、特価コーナーで5個200円のセット販売品を見つけた。
 ……。これもなんか前に見たことがあるぞ。もしかして……これは同じ店か? そうやってみると、品揃えが前の店と殆ど変わっていない。同じだと言っても良い。そうか……。店を前に変えたんだな。
 それにしても変なことをするものだ。何故こんなことをしなければならなかったのだろう。同じ引っ越しするなら、もっと遠くに引っ越ししないと意味がないじゃないか。
 すると俺の内なる声が言った。
(引っ越しの目的というのは、家に不満があるとき、地域に不満があるとき、そして諸所の事情だ。単純にもっと広い家に引っ越したいだけというのなら、近くても何の問題もない。いや、むしろせっかくパン屋としてやっていき、それなりに常連客を掴んでいるのだ。それなら、真ん前に引っ越すというのは、それほど的はずれなことではないよ)
「ふむ、なるほどそうかもしれないな」内なる声に説得される俺。
 さてそれじゃ、何を買おうかね。
 もう一巡見て回って、結局砂糖菓子のパンと、チーズパンを160円で買った。これなら200円でサンドイッチを五箇買った方が良かっただろうか? いやいや、ここは腹に収まる分くらいで十分か。食い過ぎると太るからな。それなら、菓子パンなんて食べなければ良いのでは? と突っ込まれそうだが、夜たっぷり走るので問題なっしぐんである。
 俺はパンを店を出るとハンドルの所にビニール袋をかけて、商店街の中を走り出した。
 買い物時なのかアーケードの中は主婦がいっぱいで混んでいた。
 もーおばちゃん邪魔。どけ。チャリンチャリン。





とまぁ、この位の細かさで書いているのです。え? オチはって? いや、普段の日記からオチなんか書きませんよ。それに今回のはまだ見せれそうな、退屈な平和な日をチョイスしましたしね。危険な日とかは本音書きまくりで、相当危険なのです。






特に、わんわんランドに行ったときの日記なんて、人に見せられるものじゃないです。









あぁ、今思い返しても、わんわんランドは相当危険です。本当に危険。ピンチ。やばい。恥ずかしすぎる。アレを見られたら私死ぬかも……。









他にも六月の女子高生S&M事件とか、カレー餃子事件とか、あぁ、そうだ。ミナミ裏繁華街事件を忘れてました! どひぃー。いくらなんでも赤裸々過ぎるー。(じたばた)









しかも本名丸出じゃん! くぅ。凹みますねぇ。








やっぱりですねぇ。人に見せる用に書いているのと自分専用とは違いますからね。相当恥ずかしいです。会話とかをそのまま日記にすることもありますし。






それがネットの中に流出した可能性があるとは。ぞっとしませんね。






なんていうんですかね。特定の人に覗かれる程度なら、まだ許せるんですよ。






ただ不特定多数の中に流れてしかも、それが永遠に消せないというのは、想像していたよりずっと怖いことです。






とりかえしが付かない所が一番深刻ですね。あー、ファイル共有ソフトは怖いですね。






今回私が受けたダメージは甚大です。洒落になりません。






失われたデーターの九割は、再度蒐集が可能なのが救いですが、いくつか完全消滅してしまったデーターもありますし、個人情報がネットに流れているかも知れないし、やってられないですね。まったくもって。






さてみなさん。






もし、どこかで私のデーターを見つけても、暖かい心を持って見ないでくださいね。もし見たとしても絶対に知らん顔しておいてください。恥ずかしくて死んじゃいそうですよ。






7月11日





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2004年7月18日





それは真夏の太陽が嫌がらせのように燃え上がる、とある午後のことでありました。






「ひ、翡翠!? な、な、な、なにしてるあるか!?」






おや。志貴様、ごんにちわ。どうかしたんです? ただでもみっともない顔を引きつらせて。なんかアレに似てますよね。えーっと、なんて言うんでしたっけ? マントヒヒ






「うるさいある! ナチュラルに人を馬鹿にするなある! そんなことより何をしているあるか!?」






何って見ての通りのゴミ拾いですよ。見てくださいよー、この公園。そこら中にゴミが転がっています。ちなみに、中身がペットボトルと、インスタントの焼きそばの空き殻であるところからみて、どこぞの高校生か大学生の仕業だとあたりをつけています。近くにゴミ箱があるというのに、最近の若い人は、なんでこんなことするんでしょうね。






「うーかー! 信じられないある! あの翡翠が、あの翡翠が、ゴミ拾いをしているなんて! あっ! 分かったある。ほらアレあるね。悪いコトしたときに、奉仕活動を強制されることがあるあるが、きっとそれよ! 罰当番か罰ゲームもしくは罰当たりよ!」






混乱して訳の分からないことを言うのを止めてください。私は進んでこうやって公園を綺麗にしているのです。何の打算もありません。今日は良いことをしたい気分なんです








「そんなの絶対ある。宇宙規模でありえないネ!」






失礼な言いようですね。






まぁ、こうなったのには色々理由があったりすんですけどね。






「ほう、やっぱり何かあったあるね」






実はですね。昨日天王寺の駅に自転車を止めていたんですよ。









「あの四万円もしたとかいう、マウンテンバイクあるか」









そうです。そして帰りに自転車置き場に行ってみるですね。なんとサドルが盗まれていたんです。






「はー、それは災難ね」






ですよねぇ。でもサドルなしのまま帰ることなんて出来ないでどうしようかと思っているとですね。






たまたま隣に、私のと同じ機種のマウンテンバイクがあったんです。






「……」






仕方がないので、そちらのサドルを外して自分のに付けて帰りました











「それは100パーセント犯罪あるぅぅぅぅぅぅぅぅぅっ!」








やれやれですね。志貴様。これは中国憲法でいうところの柳の体術ではないですか。






盗人が私の自転車めがけて『悪意』をぶつけて来たのです。しかし、私は心を落ち着かせ、その悪意に逆らわずに受け流したのです。柳に雪折れなし。柔の技ですよ。






「受け流したというか、翡翠が他の人のサドルを盗んだことには違いないね」






どうして志貴様はそうやって小事にこだわるんですか。もっと大きな視野を持ってください。大局を冷静に見るんです。






簡単に図解するとこうです。





窃盗犯翡翠のサドルを盗む→翡翠受け流す→別の人のサドルが一つなくなる。







つまり







窃盗犯が一つサドルを手に入れて、別の人が一つサドルを失い。私の状態には何の変化もありません。つまり数学的に見ると、最初から窃盗犯が、別の人のサドルを盗んだという事実だけがのこるのです。






私の属性は中庸です。盗みなんて悪どいことをするはずがないじゃないですか。私には善悪の観念はなく、ただあるがものを受け流すのみ。隣の人のサドルを付け替えるときも、私の心の中は波紋一つない水面と同じく、平静で限りなくフラットでした。









いわゆる『無我の境地』ですね。










「何アホなことばっかり言ってるあるか。自転車のサドルを盗まれた人間の気持ちが分からないアルか?」






もちろん分かりますよ。実際盗まれましたし。だから、私が付け替えた方も、別の人のを見つけて、付け替えるべきなんです。






「……その考え方は最悪あるよ」






志貴様小学校の頃に先生に言われませんでしたか? 『良いことをすれば、いつか必ず良いことが帰ってくる』って。








これは悪いことも同じで悪いことをすればいつか必ず帰ってくるんです。






世の中の全てのことは関係していて、連鎖しているんですよ。






犯人→私→別の人→また別の人→またまた別の人→またまたまた別の人→








こうしてあたかも伝言ゲームのように、みんなが誰かのサドルを一つずつ取り替えていけば、いつか必ず犯人のサドルが盗まれるはです。









こうして世界の善悪のバランスは保たれるんですよ。








せっかく犯人に罰を与えるチャンスなのに、何で私の所で止めないといけないんですか! そんなことをするから、世の中から犯罪がなくならないんですよっ! ちゃんと連鎖させましょう!








罪を憎んで人を憎まず! ビバ世界の循環!








「つか、翡翠が自転車屋に行って、新しいサドルを買えば、それで済む話アルよ。中庸とか言うなら、全ての悪を受け止める度量を持って貰いたいアルね」






でも高いし。






「わぁ(゜□゜;)!! 本音が出たある」






いや、まぁねー。






今まで色々あぁだこうだと言いましたけど、なんだかんだと言ったところで私もお人好しなんでしょうね。刹那的にまで因数分解すると、私にも多少なりとも罪悪感があるんですよ。






物理的には0でも、行為自体は客観的に見ると−1だったかもしれませんしね。






ほら、これを見てください。






「体温計あるか?」






違います。これはカオスゲージです。






「……何あるか? それは?」






つまり私の善悪指数のことです。中庸である私は常にこれを0に保っておかなくてはならないのですが、今回のことで一つ悪の方にゲージが上がってしまいました。






で、このままだと気分が悪いので、何か一つ良いことをしなければならないのです。






「………………もしかして、だから公園のゴミ拾いしてるあるか?」








その通りです。








「うかぁ! そういうのは自己欺瞞よ!」






何言ってるんですか! 何度も言ってますが物理的には、私はプラスマイナス0なんです。ただ心の面でマイナス(罪悪感)が出たから、良いことをしてプラスしたいと言っているだけではありませんか!






こういうカオスゲージ付けてるゲーム良くあるじゃないですか。前半では悪の限りを尽くしておきながら、終盤良いことばかりして、最終的にはみんなから慕われてハッピーエンドを迎えるとかあるでしょう!?






私がそれに該当して一体何が悪いというのですか? 悪は善によって打ち消しあうんです! それが世界の必然! 文句あるならゲーム会社に言ってください!






私の放ったかもしれない悪は、いずれ私が放った善によって打ち消しあうでしょう。かくして私の心の均衡は保たれるわけですね。






「何というか……。まるで免罪符みたいね」






言い得て妙な表現ですね。ちなみに私はカトリック大好きですよ。いかなる悪行も懺悔し清らかな心を取り戻した私を神はお許しになるでしょう。神の愛は無限です。アーメン。






「つかそれなら盗んだサドルを返しに行こうとは思わなかったあるか?」






え? 何で返さないといけないんですか?






「世の中こういうヤツが、いるから犯罪がなくならないんあるよねぇ……」










いえ世の中みんな私みたいになれば、犯罪はなくなると思いますけど?









「そんな世の中きっぱりとお断りアルっ!」





7月18日





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2004年7月27日



今日、たまたま押し入れの中を調べていると――






小学校の頃に書いた本やらなにやらが色々と出てきました。物持ちは良い方ですが、めったに見ないので随分と懐かしいです。






ところで、私の通っていた小学校では、防犯ポスターを作ろうっていう授業がありました。多分、小学校二、三年くらいでしょうか。みんなは「マッチ一本火事の元」とか、そんなものを描いていたように覚えています。






その時に書いたのがこれです。









……って







なんかかけたら水蒸気爆発するじゃんかよっ









 〜琥珀さんの解説〜
 大部分の人は分かっていると思いますが、ごく少数の分からない小学生頭の方々のために解説しておくと、油に水滴が落ちたら油が跳ねるという家庭科の授業にはやっかいな現象がありますが、あれは油の温度が100℃以上になっているため、水滴が触れた瞬間、水滴が水蒸気に気化するために起きる現象です。気化するときに体積が数百倍に膨張するため、その勢いで油が跳ねちゃうですね。だから油火災の時に水をかけるのは危険で、消化器が基本なんですねー。








うーん。子供の頃の私って、何考えてたんでしょうね? いや、物知らずなのは当然なのですが、冷静に見ていると小学校の頃にやったいたことは突っ込み所が多すぎて、むしろ面白いです。まぁ、こんなだからレンジャーもののアホさがあんまり分からないんでしょうねぇ。






しかもどういうわけか、左隅に90点という文字が赤字で記されていたりするのです。うちの小学校はなんて危ない教育してるんでしょう……。本気で死人が出ますよ。これ。






ちなみに、何で毛が三本なのかと非常に不思議に思っていたのですが、これはどうやら顔がニンジンなようです。






アンパンマンもびっくりです。







そう言えば他にもこんなものが出てきました。








これは小学校の頃に夏休みの課題で出た絵日記の一枚です。








7月19日
きょうからなつやすみ。ごふるでたたいたら、ちがいっぱいでた。○○がいそうでないてた。おみまいにおかしをもっていった。ごるふはむつかしいとおもう。








えーっと、解説しますと、これは公園に落ちていたゴルフのアイアンの素振りしようとしたのですが、当時小学生だった私の体重は軽すぎて、アイアンの重さに振り回されてしまい一回転。勢い余って後ろにいた友達の脳天にアイアンの角が直撃し、病院送りした時のことが描かれているのです。






傷口を押さえるハンカチ(私の)が真っ赤な血で染まり、わんわん泣くものですから(当たり前ですけど)、完璧にもらい泣きしてしまった私は、自宅に帰って泣きながらお母様に電話したのを覚えています。「○○くんの頭をゴルフで叩いて血が一杯出たてん」って言ったら、喧嘩でもしたかと思ったらしく、仕事場からすっとんで帰ってきましたっけねぇ。





その後、その友人は病院で十何針縫うことになり、私は両親を伴ってお菓子をもって謝りに行きました。むこうのお母さんは、血をダラダラ流しながら子供が帰ってくるからビックリしましたよ。って言ってました。まぁ、大事に至らずに良かったです。





これは夏休み最初の日だったのですが、以後お見舞いに行ったという記述は一切ありません。多分この友達の夏休みをふいにしておきながら、全てを忘れて遊びほうけていたようです。まぁ、子供ですからねぇ……








ちなみに、絵日記課題の採点は85点でした。









うーん。本当にそれで良いのか? 先生?








学校から教育という言葉がなくなって、果たして何が残るんでしょうかねぇ







7月27日





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2004年8月4日





今回もやってまいりましたこの時期が! そう! 夏コミの原稿入稿です!






今回はページが少ないので、締め切りが遅いのですね。たまには締め切り前に終わってれば良いなぁとか心の底から思うのですが……









「全然終わってないアルよ。っていうか、終わってるわけないアル。そのまえになんで終わってるわけがあるアルか?」







……と、まぁ、毎度のごとくこんな感じです。あー、本当にたまには余裕を持って、ミックスバナナジュースでも飲みながら優雅に「志貴様これはこうした方が良いんじゃないですか?」とか言ってみたいものです。







「やかしいアル! うるさいネ! 無駄口叩いている暇があったら、とっとと手伝うよ!」







はいはい分かりましたよ……。







さて今回私たちが、追い込みの仕事場として使わせて頂いているのは和歌山県にある弓塚さん宅。







Pentium4の2GHzクラスのマシーンがなんと三台もあり、スキャナープリンターDVD/R完備の上、家庭内イントラネットをルーターで繋げているという、一人暮らしの強者です。







なんていうか、お金の使い方間違えてますよね。明らかに。







「まぁまぁ、私は手伝えないけど頑張ってね。部屋ならいくらでも使って良いから。それじゃ私は、隣の部屋にいるから」







あぁ、ありがとうございます。私には今のあなたが神のように見えます。おお、後光が指してますよ。素晴らしー。







部屋も広いし綺麗だし、漫画の本は多いですからね。ほら見て下さいよ。志貴様。今時、魁! 男塾とか全巻ありますよ。月光が虎丸に屁を吹きかけられて、額に入れ墨とか出してますよ。もう訳分かりませんって。







「何してるあるか! 翡翠! 漫画読んでないでさっさと原稿をやるあるよ!」







いえいえ、分かっているんですけどね。引っ越ししているとき昔の本を見つけた心境と言いますか。あまりにも懐かしすぎるのが悪いんですよ。







「むー、人が原稿やってるときに、適当に遊ばれるのはムカツクある。一回どころではなく殺したいね」







ダイエットをしているときに、目の前でアイスクリームをパクパクと食われているみたいなものですか?







「そうあるよ!」







そうですね。あまり時間もないことですし、やりますか。どのみちギリギリですからね。











などと言っていた私たちに、史上かつてない最大の試練が訪れようとしていた。




ザーーーー



ザーー




NHKニュース
大型で非常に勢力の強い台風10号が南西から接近しています。中心気圧925mb、中心付近の最大風速は50m/sに達しています。




ザーーーー










そして締め切りが明日に控えた、そののことです。











ブハァァァァァァァーー!(嵐の音) ガタンガタンガタンガタン!(正体不明の音)









「な、なにあるか!? つか、なにあるか!? これは!?」









台風みたいですね。っていうか思いっきり直撃しましたね。おお見てくださいよ。看板が飛んでいきますよー。瓦が地面にぼろぼろ落ちてますし。ははは、こんなの見たの生まれて初めてですよ私。







「うかー! だからワタシは、大人しく家でやってようって言ったあるよ! 大阪なら絶対まだマシだったあるよー! 翡翠が強引に進めるからある。全部翡翠のせいよ!」







志貴様だって乗り気だったじゃないですか。パソコン三台につられて着た癖に。







「それにしても凄い雨アルよねぇ。下水とか大丈夫なんあるかね。そういえば少し前に、新潟の方で堤防が決壊したとかいう話を聞いたことがあるけど、まさかそんなことにはならないあるよね?」







「多分、大丈夫だと思うよ。川は遠いし」







はぁ、まったくやれやれですね。お二人ともそういう自分だけは大丈夫的思考がダメなんですよ。そういう人から交通事故で死んでいくのは、歴史が証明した事実ではありませんか。念のために、貴重品だけは持ち出せるようにしておいた方が良いですよ。弓塚さん。







「うん。そうだねぇ。コンビニに行って蝋燭くらいは買ってきておいた方が良いかなぁ」







そうですね。そうしておきましょう。







「コミケの締め切り前に、何で毎回こんなアクシデントに見舞われないといけないあるか!? もう、呪われてるとしか思えないアルヨー」







いや、多分、私らの進行がバカみたいに遅いからだと思いますよ。だから、ちょっとしたアクシデントが大アクシデントに化けるんですよ。







なんにしても今のところ風と雨と雷だけです。家の中にいれば多分大丈夫でしょう。例え床上浸水してきても、この部屋は3階ですから、いくらなんでも大丈夫でしょうしね。







「そうね。何にしても原稿をとっととやってしまうあるよ」







ええ、そうしましょう。







プツン!







「!? なにあるか!? ちょっと、これは一体どうしたあるか? なんで電気がついてないあるかぁぁぁ!







えーっと、これはいわゆるアレではないでしょうか?







「あ、翡翠。やっぱり止めるアル。なんか聞きたくなくなったある。聞いてはいけないような気がするあるよ」







これが噂に名高い、停電とか言う物らしいですね。







「ぎゃーーーー! 言うなといういうているあるよー! マジ真っ暗よー。何も見えないアルよ!」







窓の外を見てください! 志貴様。本当に停電ですよ。うわぁ、凄いですね。月明かりすらありませんよ。そのくせ雨の音がだけがするんですから。お風呂場で電気を消して湯船に浸かっている気分ですね。







「洒落にならないあるよー! どうするあるか?」







とりあえず、原稿やりましょうか。







「真っ暗あるよー! どうやってあるか?」








「さっき買ってきたロウソクがあるよ」







ほら、備えあれば嬉しいなとは良く言ったものです。我ながらファインプレーですね。今頃町中の人が、ロウソクを買いに走っていることでしょう。とりあえず蝋燭に火を付けたいんですけど、ライターあります?







「えーっと。どこかなぁ。真っ暗で探せないんだけど……」







携帯電話の明かりか何かで照らせば、探せるんじゃないですか?







「なるほど。その手があったか。あ、ライターあったよ。それじゃロウソクに火を付けるね」






ポウ――







ふぅ、とりあえずこれで一心地つきましたね。







「怪談でもしている気分ある。外はなんか夜なのに変に騒がしいし、どっかの戸棚がガタガタいっているし、マジでこの状況で原稿を続けるあるか?」







続行あるのみです。幸いノートパソコンはバッテリーで暫く使えるようですから、文章関係はそっちで作りきってしまっておきましょう。







プリンターの電源が入っていないのは痛いですが、朝までには復旧するでしょう。







「うー。ライトボックス使えないのは激イタよー。こんな状況でどうやってペン入れするあるか?」







そう言えば、隣の部屋に透明のテーブルありましたよね。それを使いましょう。蝋燭を半分に切って、下において使うんです。







「あぶり絵みたい……」







「炎に囲まれていると、なんだか眠くなるね。それになんだか暑いあるよ」







外は大雨ですから、窓も開けられませんからね。エアコンも止まってますからねー。







「うー、熱すぎアル。少し風を入れるアルよ」







風で原稿飛びませんか?







「それじゃ、ハーゲンダーツのアイスクリーム食べる? 冷蔵庫の電源も止まってるから、このまま溶かしちゃうより良いでしょう」







あぁ、素晴らしい申し出です。それだけで救われた気分になれますよー。チョコチップあったらください。







「しかし、よく考えてみれば、冷蔵庫も止まるということは、そのうち冷たいジュースも飲めなくなるということね。うぅ、文明人のワタシには、こんな原始的な生活は耐えられないアルー」







何言ってるんですか。新潟で小学校とかに避難している人たちのことを考えてください。小学校でエロ原稿やるより100倍マシでしょう。







「そういう下を見て、自分を慰めるのよくないネ。自己欺瞞よ! 踏まれても雑草は強いとか言われても人間は雑草じゃないから踏まれたら痛いね! あんな無痛物と一緒にしてもらいたくないある!」







……もう錯乱しないでください。ほら原稿原稿。







「あうー」







かくして締め切り前日の夜のとばりは開けていった。








うーん。参りましたね。予想外です。まだ停電が復旧しません。パソコンが使えないままでは原稿ができあがりません。せめてCDRとプリンターさえ使えれば、どうにかなるんですが……。







うーん。これ以上ここで待つわけにもいきません。仕方ありません。これは一度家に帰って、それから続きをやりましょうか。







「今、聞いてきたけど、電車はまだ動かないんだって」







え? マジですか? 交通手段まで封じられているんですか? それは参りましたね。今回は私もここまで電車できましたし、さすがに走って帰れる道のりじゃありませんからね。唯一の交通手段といえば、志貴様の原付くらいですが……。当然、私を後ろにのっける訳にもいきませんし。まずいですね八方ふさがりじゃないですか。







「わかったあるよ。ワタシが家に持って帰って続きをヤルあるよ。残りはテキストの合成とページチェックだけあるよね」







……え? 何言ってるんですか? 本気ですか? 志貴様?







「それ以外に方法はなさそうあるし、仕方ないね」







……そんな、し、信じられません! 志貴様がそんな普通の人間のような常識的で当たり前のことを言うなんて! てっきり私に、走って家に帰って原稿仕上げて印刷所持って行けとか絶対言うと思っていたのに!







「さすがにこの状況で、そんなことは言わんある」







いや、こんな状況だからこそ言うのが、志貴様じゃないですか! 今までどんな悪行の限りを尽くしてきたのか、忘れたなんて言わせませんよ!







「なんか滅茶苦茶バカにされてる気分あるよ……」







「日頃の行い悪すぎるからじゃないかなぁ」







「ほら、あれあるよ。今回はワタシの原稿がちと遅れて、翡翠は微少ながら手伝ってくれたし、弓塚も場所を提供してくれたし、色々と感謝してるからね」










か、かかかかかか、感・謝